41話 人形の核
人形の核
トレーナー達は、レミーズが寝て居る間に、これからの事を
話し合い、まずはララに訓練の結果をするため、
縫い包み人形たちを使ったダンス、を披露する事に決め、
それに向けて、ペーシュが全体の構成と演出。
それに従い、三つの班に分けて、訓練する事にします。
ララに披露するには、一週間ほど時間が掛かると判断、
ララにその旨連絡します。楽しみにしているとの返事でした。
10時間ほど眠ったレミーズが起き出し、
トレーナー達からこれからの訓練についての説明を受けます。
ハムスターズには、訓練の要旨と指導要綱を念話で通達しました。
人形たちを動かそうと思った所で、問題発生です。
人形を動かす為の核に成る枝が足りないとの事、
レミがエーテルの祠に向います。
レミが、祠の前で膝を着いて、
祈りますと、エーテルが顕現しました。
〚誰かと思ったら、レミじゃない、
そんな真剣に祈りをささげてくれるなんて、
レミ、貴方、頭でも打った?〛
〚あはは、頭を打った覚えは無いって?
いやぁ、お前の事だから、知らない内に打って居るかもしれないよ。〛
レミが、手をバタバタ振りながら、エーテルに訴えかけています。
〚ん?違う?そうじゃなくて、
前にもらった私の魔力が込められた枝が欲しい?〛
〚ふ~む、気が付いていないんだ、人形の核にするんだよね、
お前、自分で作れるじゃない。〛
『・・・』レミが”え??”と言う感じで、固まります。
〚しょうがないねぇ。良いかい、核にするのは何でもいいんだよ。〛
〚ただ、より親和性を高めるなら、魔石の欠片や、お前の身近な物、
より魔力を込め易いものがいいね。
まぁ、良いわ、その枝を拾って。〛
目の前の枝を持つように指示、
〚良いかい、自分の分身を作るんだよ、心を持たせるんだだからね、
そうだね、枝に手足を付ける様なイメージで魔力を込めてごらん。〛
左手に持った棒に右手で魔力を込めている動作をしてます。
力が入って居ます、だんだん顔も赤く成ってきました。
(ぬいぐるみなのに変です。)
エーテルがポコンとレミの頭をはたきます。
レミがブファーと息を吐き、両手を地面に着き、
肩を揺らして荒い息をします。
〚そんなに力を入れなくても出来るでしょう、
人形の核なんだから、貴方の分身みたいな物でしょう。〛
〚力を入れないで、イメージを膨らませて、
もう一度やってごらんなさい。〛
レミが頷いて、枝を両手で持ち、正座をして、目を瞑ります。
先ほどと異なり、無駄な力が抜けています。
エーテルがレミの様子を見ていましたが、
おかしなことに気が付いた様です。
エーテルがポコンとレミの頭をはたきます。
レミが片目を半分開けて|(ボタンなのに?)エーテルを見ます。
もう一度エーテルがポコンとレミの頭をはたきます。
レミが両目を開けて、慌てています。
〚あんた、今寝ていたでしょぅ。〛
レミが両手を振って、そんな事は無いと否定しています。
〚ほんとにねぇ。ララが怒る訳だわ。
ほら、頑張りな。ここではララも、誰も手伝ってはくれないよ。〛
レミが短い手で届かない頭を掻く動作をして、座り直し、
枝を持って、集中します。
次話:ミニレミ