27話 犬と兎と猫二匹とレミ
犬と兎と猫二匹とレミ
猫二匹に兎と子犬の縫い包みを並べます。
ララが縫い包み達に魔力を注ぎ、妖精共が入りやすくしました。
「さて、誰がどの縫い包みの入るか、
決めて、さっさとしないと私が適当に放り込むよ。」
慌てた様です。レミのお目目がぐるぐる回って見えます。
ボタンなのに変ですねぇ?
「私の加護を持つのはレミの中に止まる事、」
ガクッとレミの首が下がります。
「あんたがリーダーに成るんだから当然でしょう。」
すねた様な仕草で此方を見ます。
「ほほぉぅ。じゃあ、お前もその辺の縫い包みに入れようか。」
「ん?なに、さっきまで入って居た猫がいいって?何で?」
「あの縫い包みには私とエーテル様の魔力が沢山入って居て、
とても以後ごちが良くて、何でも出来そうな気がするだって?」
「じゃあ、そのレミの縫い包みに私とエーテル様の魔力を、
あの猫の縫い包みよりも沢山入れればいいのかい?」
レミがはっと驚いた様に此方を見て、首を縦にぶんぶん振ります。
「要するにあんたは、
私とエーテル様の魔力が欲しいと甘えているんだね。」
レミが首を縦に数回振った所で、やばいと気が付いた様です。
今度は急いで首を横に振ります。
「そんなに首を振ると、もげるよ。」
レミが慌てて首、頭を押さえますが、
二三歩ふらふらと歩いて、座り込みます。
どうやら目を回したみたいですね。
「ほれ、私の魔力をあげるよ。」
さっきより少し多めに魔力をレミに注ぎます。
レミが身をくねらせて、あえいでいます。
「だから、気持ち悪いから、
そういうのを止めなさいと言っているでしょうに」
そう言って、魔力を止めると、レミがガクッと、両手を床に付きます。
何やら訴える様にララを見ますが、ララは無視です。
「エーテル様の魔力と加護は皆をそれぞれの
縫い包みに移してから、頂くからね。」
そう言うと、念糸を2本出して、レミの中に滑り込ませます。
二匹をからめとり、引っこ抜き、
猫と方茶猫の縫い包みの中に入れます。
続いてもう二匹。同じように犬と兎の中に入れると、
5体の縫い包みから淡い光が漏れて、定着したようです。
次話:再びエーテル様の加護