16話 モクの紹介
モクの紹介
『ちょっと恐いですね。』
「ああ、こいつの行動に責任を持とうなんて考えないで、
しばらく、手を加えないで、見ているといいかも。
あまりのおばか加減に呆れるから。」
「まぁ良いわ、取りあえずレミの所に行きましょう」
(『はい。』)
レミの部屋に入ると、猫レミが大の字に成って寝ています。
横に片方の耳が茶色の猫の縫い包みが座っています。
(「ん?何だろ、レミとエーテル様の魔力の匂いがしますけど・・・。」)
取りあえず、猫レミを起こすことにします。
声をかけてみます。
「レミ、起きな。」
予想通り、効果なし。落ちていた木の棒で、頭を突っ突いてみます。
むにゃむにゃ言いながら、手で払いのける動作をしますが、
手が届いて居ませんね。
次は、額に水を垂らしてみます。ぽたぽたとね。
もがいてます、溺れる夢でも見ているのでしょうか、
こいつ、自分が縫い包みだと言う事を忘れているんですかね?
ちょっと面倒臭く成ってきました。
バケツ一杯くらいの氷の入った水をザバァと掛けます。
飛び起きて、走り回ってます。
何か叫んでいる様です。ムービングで捕まえて、引き寄せると。
「ん?船が沈むぅ?」
頭にげんこつくれて、
「起きろバカめ。」
猫レミがはっとして、ララの目を見ます。
だんだん焦点が合って来たようです。
「ララ様おはようございますって、ねぇ」
状況が確認出来た事で、あわあわしているので、モクを紹介します。
「この子はモク、これからあんたの頭に上に居て、
貴方を指導してくれるおっ師匠さんです。」
ララの肩からモクが降りて来て挨拶します。
(『レミさん、これから宜しくね。』)
レミがびっくりして、私とモクを交互に見ています。
〔魔眼〕『モクに強く命じられたことは、
従わなければ成りません。判りましたね。』
レミがコクコクとうなずきます。
モクをレミの頭の上に置くと、猫の縫い包みの上にネズミのモク、
これはこれでいいですね。
レミが何とか上を見ようとしていますが、
モクに頭をポンポンとやられると、諦めた様です。
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