14話エーテル様の加護
エーテル様の加護
小一時間もすると、疲れて来たのか、ゴロリと転がり、
ため息をつくと寝てしまいました。
それを見ていたエーテル様が、
〚頑張って居るけど、それじゃあ出来ないわね。
私の加護と権能を貸してあげるわ、
使い方は夢でも見せましょうね。〛
そう言うと、泉の傍から、小枝を拾って来て、
枝の先を猫レミの額に当てて、思念を送ります。
猫レミの夢の中
[レミはララに捨てられた夢を見ています。
悲しくて、寂しくて、泣いています。
ふと見ると、自分が作った不格好な猫の縫い包みが転がっています。
そうだ、この縫い包みを、マリオネッターで動かす事が出来れば、
きっとララ様は、私を拾ってくれると思い蛍玉を呼びましたが、
蛍玉も寝ている様で、呼びかけに応じません。
やっぱり、自分は駄目なのかと、足元を見ると、
小さな小枝が落ちています。
何かに惹かれ、その小枝を拾い、じっと見ながら考えています。
私はどうして、この小枝を拾ったんだろう、と思って居ると、
小枝が少し光った様な気がしました、
あれ?もしかして。その小枝に自分の魔力を通してみます。
小枝が少しづつ強く光ります。
面白く成ってきました。どんどん魔力を込めて行きます。
気が付くと、はぁはぁと肩で息をしています。
魔力が残り少ない様です。
小枝はじんわりとした光を出し続け、消えません。
もしかしたらと思い、
その小枝を、縫い包みの中に入れ、
魔力が縫い包みの中に行き渡る様に小枝の魔力を伸ばします。
魔力が行渡ると、右手を上げさせます、出来ます。
左手は?出来ます、足も動きます。面白く成ってきました。
自分と同じ事をする様に動か居てみると、出来ます。
踊りたくなりました。二匹でペアダンスをします。
左右同じ動き、暫く踊ると、疲れて、倒れてしまいました。
魔力も少なかったのに、激しく動いたので、
魔力が無くなってしまった様です。
でも、これでララ様に、褒めてもらえる、お傍に置いてもらえる。
そう思って安心した途端、意識が無く成りました。
夢の中ですが、さらに深い眠りに入ってしまった様です。]
さて、他の縫い包みと一緒に踊った事は、果たして。
夢かうつつか、現実だったのでしょうか?
はたして、レミは起きた時にこの事を覚えているでしょうかね。
次話:先生はハムスター