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*完結* 大海の冒険者~不死の伝説~  作者: terra.
第五話 真実と向き合うことが
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(11)




 コアの仮面には、巨大な亀裂が走っている。

それを破壊するだけではなく、腹に蠢く原動力を払拭しなければ、闇が晴れる事はないだろう。

そう分かってはいても、海洋生物達や空の神の援軍がありながら、追いつかない。




 浜を踏みしめるシャンは、背後で島の人々を誘導するフィオを背中で感じ取る。

そこに、過去に見てきた先代の力の影が重なる。

自分を回復しようと駆けつけたフィオが、ふと眼に浮かんだ。

あの飾りが暴走を止め、主の感情に従うようになっている。

姿は人間でも、その肌は既に鱗を纏っていた。

次に彼女が放つ力は、自身の術を超えるかもしれない。

それが、遥か昔から現在を見通した先代が必要と決定付けたものならば、フィオに託すしかない。




 その時、人々の騒ぎ声がした。

神の3人がコアに向かおうと身構えた矢先、それを振り返ると、乗り上げてしまった漁船を出そうと企む声が飛び交っている。

リヴィアは、どうせあの男が無茶を言い出したのだろうと、グリフィンに目を尖らせ、向きを変えた。




「先に行け!」




リヴィアはシャンとシャンディアに言い放つと、人々に向かって飛行する。

その先に現れたシェナは、誰よりもリヴィアの前に出た。




 その様子を横に、シャンディアはシャンに縋る様にある事を訴える。




「陽炎を止める術がいるわ!

私達は、ここでずっと防御を続けられない!」




だがシャンは、何も答えず乱暴に波を割って進んでしまう。

シャンディアはそれを引き留め、揺さぶった。




「フィオが信じて取る行動は、オルガの判断よ!

そしてフィオに続く友達やその仲間は、オルガが愛し、地球のために求めたもであり、大地が忘れ去ったものよ!」



「黙れ!」




シャンの怒号と共に海へ薙ぎ払われたシャンディアは、肩で息をして震える彼を見上げる。




「わざわざ……言われなくともだっ……」 




大口を叩く事も、冷酷であり続ける事も好む筈がない。

守るために数々の犠牲が出てしまうと分かってはいても、海で生命を守る頭として、これ以上人間を道具の様に扱いたくはなかった。

それに悩み、もたつく内にリスクは膨れ上がった今、どの援軍もコアに潰されて立ち上がれないでいる。

それを救うにはどうしても、意を決する必要があった。




「探させてある……あの子に渡せ……」




シャンは言い残すと、海の中へ消えてしまった。

シャンディアは彼の背中からある事を察すると、鏡に変わった瞳を揺らす。

浮かび上がる、勇ましいビクターの顔の影。

その向こうから、光が波を瞬く間に這って迫り来る気配がした。









代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~

シリーズ最終作


2025年 2月上旬 完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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― 新着の感想 ―
どうもです! リブィアが何とか暴走するのを踏み止まったのを見て安堵しました(^-^; グリフィンや他の四人の影響だけでなく、首飾りの地球の球体のようなネックレスが、リブィアを見つめ直させたのでしょー(…
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