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*完結* 大海の冒険者~不死の伝説~  作者: terra.
第五話 真実と向き合うことが
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(10)




 沖では、コアの叫びと守護神の竜の悲鳴が轟く。

立ち込める靄の向こうで激しい乱闘が起き、コアの声はもはや言葉を成していない。

放たれる赤い眼光を浴びせられる竜や精霊達は、次々と海に落ちていく。

それを麓のミラー族が受け止めても、コアの黒い稲妻の攻撃が後を絶たない。

また、そこに紛れて揺らめくものに、ビクターが真っ先に目を見開いた。

遥か沖で、島の状況を面白がっていたコアは、生み出した陽炎をビクターに目掛けて送り込む。




「止めろ……止めろ! 皆、離れろ!」




居ても立っても居られなくなったビクターは、長老とアリーを押しやると、先の皆の元へ走り、陽炎の接近を知らせ続ける。




 感知したリヴィアやシャン、シャンディアは攻撃態勢を取ると、傍の3人とグリフィンを背後に押しやった。




「リヴィア、止められるのか!?

君の仲間が飛べずにいるじゃないか!

引き上げるのに、もっと手がいるだろう!?」



「構うな、走れ!」




リヴィアはグリフィンの盾になりながら彼を更に押しやると、眼光を強めながら復旧した斧を構えて浮上した。




「早く行け! 其方、次はあらんぞ!」



「君は全く……済んだら話がある!

今回はあっさり帰さないぞ!」




グリフィンはそう釘を打つと、皆と共に島の奥へ駆けた。




 彼等を背に、リヴィアは汗を浮かばせながらも笑みを浮かべ、刃を光らせる。

空島に突如として現れたグリフィンの存在もまた、焼き付いてならなかった。

4人と同じ執着があり、人間でありながら、できもしない耳障りな事ばかり放たれた。

容易く魔力で片を付けてしまう神とは違う生き物は、見ていてどうしようもなくまどろっこしい。

それでいて平気で無茶な選択をし、自ら砕けようとする。

定まりもしない未来を信じて、大丈夫などと言いながら。




 馬鹿馬鹿しいと思う反面、グリフィンを始め、4人に影響されて自身は変わった。

真に維持されるべきものに、彼等は、生き残った人々はきっと行き着くだろう。

苦を魅せている結果になろうとも、彼等を信じているからこそ、自分は今ここに立っている。

好かない強欲な生き物に、空は救われたのだ。見捨てる選択など、どこにもない。




 リヴィアは歯を食いしばると、向かい来る陽炎の行き先を眼だけで捉え、斧を振るうと次々に両断して打ち消した。




 その合間に飛び交うのは、シャンとシャンディアが放つ鏡の刃だ。

間一髪、陽炎の襲撃を全て払拭できたはいいものの、この厄介な攻撃が続く限り仲間と合流できない。









代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~

シリーズ最終作


2025年 2月上旬 完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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