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*完結* 大海の冒険者~不死の伝説~  作者: terra.
第三話 しかし 豹変は止まなかった
35/154

(3)



※自然科学要素、現代要素を、

 大地の神の視点より3話でお送りします。






 コアは混乱する神々を嘲笑う中、淀む痛みに息を荒げていた。

憎悪と怒りに紛れる悲しみで、眼光が明滅する。

心や時を映し出すミラー族の魔力による継続的な被害は、意識を遠ざけるほど目まぐるしい速さで、己の過去をもさらけ出していた。






 数十億もの人々による考えや文化の違いが対立し、国境線や資源を巡る争いが生じた。

暴力や戦車、戦闘機などの軍事力が解決手段として扱われると、安全を失い、多くの難民が出た。

命が奪われる危機を目前に生きる人々の嘆き悲しむ姿は、地を引き摺られ、擦りつけられ、地中に響き渡ると多くの血と涙に変わり、滲みていった。

医療を受けられず、通学も叶わないそこでは、年齢構わず銃器を持つか、或いは強制労働が生じた。




 失われていく土地や緑の復旧を続けたコアは、悲痛な面持ちを浮かべる人々に寄り添う様に、幾つもの花を咲かせて癒した。




 人口の増加に伴い、確保するべき食料が増え、多くの畑や農地、牧草地が必要とされた。

しかし、木材や燃料の確保のために行われた過度の伐採により、土の保水力が落ち、風や雨水で地面が削られる事態が起きた。

過耕作では土の養分が尽き、土地の生産性が下がる事もしばしばだ。

過放牧では植物を過剰に食べ尽くされる事で、植物の回復が追いつかなくなった。




 コアは身体から根を張り巡らせて種子や苗を運ぶも、それらの成長が追いつかない事が自然になりつつあった。

またその裏側では、利益を得る目的や生計を立てるため、違法伐採や密輸が行われた。




 プランテーション開発が招いた熱帯雨林の減少は、気候危機の加速の要因に繋がるのみならず、泥炭地にも影響を及ぼした。

水や炭素を蓄える役割を担う泥炭から排水をし、土地を乾燥させる事で作物栽培や水田開発、都市開発のための面積を広げた。

整地をするための早い手段として火入れが用いられる事から、森林火災のリスクが上がった。




 コアは生物達が焼き滅ぼされるのを防ごうと、眼光を誘導灯として浮遊させ、他の森に移動させた。

そして深い根を張り巡らせた木々の間や、頑丈な土壌の中へ導き、安全を確保した。

十分な水を蓄えた森によって、生物達の命は免れた。

しかしこの大移動は繰り返され、その度に失われる森林の回復には殆ど手が回らなかった。




 人の国境移動が盛んになった事で外来生物が増え、本来の生態系が壊される事態が相次いだ。

飼育放棄や意図的な放出によるものもあり、作物の被害や水生生物、両生類の捕食が起きた。




 コアは、野放しの生物達によって生態バランスが崩壊されないよう、蔦や木の根で路を作り、其々の生物達に適した環境へ導いた。

そうして人の生活環境や、食生活を守ろうと尽力した。









代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~

シリーズ最終作


2025年 2月上旬 完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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