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*完結* 大海の冒険者~不死の伝説~  作者: terra.
最終話 地球と人の未来のために
140/154

(2)




 フィオは、他の大人達と、荷物の積み込みで桟橋と新船を往復していた。

彼女は不意に、思い出した様に手を止める。




「いけない、枕を忘れてたわ。

子ども達にせっかく作ってもらったのに、怒られる」




高い位置で纏め上げた長髪が大きく揺れると、颯爽と船の縁から飛び下り、忘れ物を取りに急ぐ。




 木材は木屑まで集め、より細かく柔らかい状態に仕上げると、織った生地に包み、クッションや枕に変えてきた。

その作業を自らの手でできるようになった子ども達は、これから航海に出る4人に、伝説の本のためにいい夢が見れるようにと、枕を贈っていた。






 慌てて駆けて行くフィオを横目に、ビクターが荷車を引いて合流する。

島で採れた果実や木の実で作った保存食を、航海の途中で南の皆に渡すためのものだ。

中には苗もあり、環境が違う南や、これから見つかるかもしれない陸の土で、それらが育つかどうかを試すつもりでいる。




「後ろからだと俺を見てるみたいだ」




4人分の食材を運んできたグリフィンが、同じ背丈になったビクターを見る。

見下ろしていた頃が懐かしく、次々と大きな決断をするようになったのが嘘のようだ。




「俺はそんなおじさんじゃねぇよ」




ビクターは暫く島を離れるというのに、あっさりしており、グリフィンから食料を受け取ると、船内に姿を消してしまう。

グリフィンはそれを追う様に、中年の5年など見た目に変化は出ないと、言い返してやった。




 船室から出たビクターが頭上を仰いで放つ先に、帆桁を伝って新しい帆の取り付けをするシェナが跨っていた。




「付けられるか、シェナ!

手古摺(てこず)ってんな!」



「余裕。頑丈にしてるだけ。

備品が余分にあるか見て!」




怖がりはどこへ吹き飛んでしまったのか。

すっかり涙も見せなくなり、率先して、高所作業を担うようになった。

また、小振りな姿は変わらなくとも、何をするにしても力を見せるようになった。

高所作業といえばレックスが主な担当だが、その影響を受けてか、彼女の頭には、オレンジの花で染めたヘアバンドが結ばれている。

月の様に明るい髪も、首を隠すまでに伸びていた。









代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~

シリーズ最終作


2025年 2月6日 完結


当日は 以下の3投稿です


・第十話 最終ページ

・エピローグ 1投稿

・あとがき


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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