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*完結* 大海の冒険者~不死の伝説~  作者: terra.
第七話 同じ自然として 同じ魂として
115/154

(16)




 腹を打ち抜かれ続け、コアは猛り狂うも、反発は不可能だった。

背後と頭上は空の神が牙と刃を向けており、麓を見下ろせば人間による鉛の攻撃に加え、海の神が矛先を向けている。




 それに血迷った瞬間、目前に3人が攻めてきた。




 ビクターは片目に灯した鋭い光で、コアの眼光を覆い尽くしながら、鏡のピストルを向ける。

フィオは鏡の双眼で睨みを利かせ、コアの眉間の亀裂に槍を打ちつけようと狙いを定めた。

その場から瞬時に引き下がっていたジェドは、長い助走をつけてコアの仮面を目指す。

終わらせたい一心によって豹変した身体で、彼は大きく跳躍すると、仮面の亀裂に向かって片足を伸ばした。




 フィオは、いよいよ槍を投擲する。

黒い陽炎を半身から靡かせるビクターは、端の2人の攻撃に合わせて、白銀の閃光を放った。

そこに、空と海の神の攻撃が合わさっていく。




 一丸となった攻撃を受けたコアが首を反らせた衝撃で、3人の鏡の路が砕けた。

皆は海に落ちながらも、片時も視線を逸らさない。






 シェナは、背中にグリフィンの力強い拳を感じると、喉から両目に鋭い金の光を迸らせた。




「飛べっ!」




声の術に願いが絡み、真下から大風を吹かせると、2人は空高く舞い上がる。




 皆は声を上げずにはいられなかった。

シェナがグリフィンに抱えられ、コアの頭上へ真っ逆さまに突っ込んでしまう。




 リヴィアは眼光を強め、2人を受け止めようと迫った。

が、風がそれを優しく遮ってくる。

リヴィアはこの一瞬で、シェナの決心した顔を捉えた。

勇ましいそれは、まるで守護神の竜を救った時を彷彿とさせるものだった。




 シェナの接近を、これ幸いに、コアは大口を開いて呆気なく体内へ迎え入れると、2人を喉の底へ滑らせる。






 真っ暗な体内に轟く様々な音と声に、身を引き裂かれそうだ。

雷に打たれ、更には火で炙られている様な感覚に、苦痛の声が漏れる。

耳を塞ぎ、身を小さくするシェナは、胃から苦しみが突き上がり、もどしそうになるのを呑み続けた。

それだけ辛辣な言葉の嵐や、暴力的な音、機械音が、骨身を粉砕しようとしてくる。

グリフィンは一切の声も放たず、固い結び目の様にシェナを抱き締めていた。

シェナはその温度に救われ、迷いなく暗闇を金に照らしていく。




(終わらせよう、大地……この先は、あたし達がついてる……)




歯を食いしばると、目をきつく閉じ、身体を伸ばすと両耳を塞ぎ、目を見開いた。

この場を吹き消す一心で息を吸い込んだ時ーー太い叫び声の柱を杭を貫かせた。




挿絵(By みてみん)









代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~

シリーズ最終作


2025年 2月上旬 完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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