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*完結* 大海の冒険者~不死の伝説~  作者: terra.
第七話 同じ自然として 同じ魂として
113/154

(14)




 フィオはジェドの名を叫ぶと、足が速まる。

宙を斜めに下り、ジェドに追いつきたいという意思に従って、鏡の路が大きく練り動いた。




 飛散した路の欠片に紫の輪郭が灯ると、浮遊していく。

ミラー族や精霊達は、それらを降らせまいと接近する。




 狙い通りの動きに笑みを浮かべるコアは、回転を見せる欠片に向けて拳を握ると、それぞれが破裂し、周囲を爆風で弾き飛ばしてしまう。

武器での受け身も間に合わず、皆は海に叩きつけられた。




 海洋生物達が救出に蠢き、宙では竜の怒りが炎に変わると、コアを襲う。

コアは攻撃の最中に引き寄せた悲鳴と苦痛を動力に変え、叩き落としたジェドからフィオに眼を向けると、再び指で誘き寄せた。

しかし




「しつけぇな、お前はっ! 戦は無駄なんだよっ!

いいから大人しく、話を聞けっ!」




不意に視界に飛び込んだビクターに、コアは怒りと灼熱の眼光を増幅させる。




 左半身から黒い陽炎を揺らし、仮面の嘴の先まで接近するビクターは、鋭い水色の眼光を引いていた。

向ける銃口は微かに震えており、コアはそれに冷笑すると、彼をマグマに溶かそうと眼光を飛ばす。




 瞬間的な攻撃はしかし、ビクターによって放たれた2発の白銀の閃光によって鏡の棒と化すと、呆気なく砕け散る。

その途端、黒い陽炎がビクターの意思に反して、コアの目の前に伸びて進んだ。




 互いの強過ぎる眼光がぶつかり合う中、コアは、有りえないものを見る様子を隠せず、動揺する。




『言ったろう、(カラス)君。

人は必ず勝利するってね』




刹那、コアは、嘗ての自らが封じられる直前の出来事を思い出すと、怒りに震え上がる。

当時敗北した筈の者が何故、まるで生きているかの様に挑発をしてくるのか。




 言葉にならないコアの叫びが天地を揺らすも、黒い陽炎は構わず、あっさりとビクターの体内に戻っていく。

それに追いつく様に、コアに誘き寄せられていたジェドとフィオの動きが止まった。




 3人は鏡の路を踏みしめ、コアに身構える。

彼等を取り囲む様に、リヴィアをはじめ、叩き落された精霊達が威嚇の声を上げながら浮上すると、コアの仮面に向けて武器を振り翳した。




 ミラー族は、この一帯を鏡の水面に変えて反射光を生み出す。

鋭い光の海の中から大きく振り上げられるのは、シャンの槍と鎧の戦士達の銛だ。




 其々の視線と矛先を目の当たりにしたコアが、全てを焼き尽くそうと眼光を強めて見回していると




「今よ! 撃って!」




瞬く間に鏡の帳が剥がれ、3人が立つ路の真下に漁船が出現した矢先――弾丸と矢の攻撃が放たれた。









代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~

シリーズ最終作


2025年 2月上旬 完結予定


Instagram・本サイト活動報告にて

投稿通知・作品画像宣伝中

インスタではプライベート投稿もしています


その他作品も含め

気が向きましたら是非




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