銃ヲタ、帰国。~第6.5話~
ーーバンッ!
射場に響く、一発の銃声。
ーーバンッ!
500メートルのレンジで伏せ撃ちをする男がいた。
ーーバンッ!
バイポッドを装備した、サベージ社製の30口径ライフル。リューボルトの9倍スコープを通して得られるクリアなサイトピクチャーは、その弾丸が全て、ブルズアイ中心部に入っている様を映し出していた。
ーーバンッ!
「外さねえ、外さねえぞ……」
遊底を操作し、空薬莢を排出。ホットロードした弾薬を指で押し込む。研磨された薬室は完璧なフィッティングで弾薬を保持し、そのままボルトは閉鎖される。
「何故なら俺にはあの的が、乳首にみえているかr「ちぇすとぉおおおおおお!」
グシャッ! と不穏な音を立て、隣でスコープの調整をしていた青年ーーアルバートが拳を振るう。撃発されたサベージの弾丸ははるか上方に舞い上がり、飛んでいたカラスを撃墜した。あゝ無情。
「ああっ! あともうちょっとで『ふる☆こんぷり~と』だったのにっ!」
「変な記号入れるなよっ!」
「グランドスラム達成だよ、お兄ちゃん!」
「キモっ! 元ネタあるんだろうけど、そんなのどうでも良くなるぐらい激しくキモっ!!」
先程まで射撃を行なっていたこの男。そう。こいつこそが、この作品の作者である、Xナンバーである。
「で、今回の言い訳は?」
「うん! ぼくね~、かなだにいってたの~☆」
「ふ~ん、で、ぼくちゃんはどのくらい、かなだにいたのかな~?」
「えぇ~っとねぇ~、いっかげちゅ!」
「こーしんをさぼってたのは?」
「えっとねぇ~、いち、にぃ……はんとしぃ~☆」
「…………」
「どーしたの? お兄たn「死ねぇえええええええええええ!」
アルバートはXナンバーの襟首を掴むと、クレー射出用の機械に押し込む。宙を舞うXナンバーは、流れる様にアルバートが挙銃した、ミロク製二連式散弾銃のサビと消え……
「っとぉ、僕はまだ、お空にそのまま上がっていくわけにはいかんでs「毎度の事ながら生きてた!?」
ズドン! ともう一発残った散弾を頭にぶち込む。空薬莢を排出し、薬室が空である事を確かめる。安全管理はきっちりと。うん。
「HAHAHA、ユーは相変わらずジョーダンキツイデース」
「冗談か悪夢か、どちらかだと思いたいもんだな……」
「さて、今日の話題なんだけど」
「はいはい」
「僕ぁカナダのインターナショナルプログラムに参加した訳ですね」
「一ヶ月か。で、何か得る物はあったか?」
「もちろんさ。インターナショナルプログラムだから、各国から生徒が来るわけだろ? やはり、ロシアの幼女が一番かわいかった」
「そ れ か 」
「凄いよな。Sちゃんって言うんだけど、9歳でティーンエイジプログラムに参加だぜ? 英語もそれなりにしゃべれたんだから、すげえよな」
「どこかのお嬢様なんだろうな。よっぽど教育熱心じゃないと、9歳の娘をカナダに飛ばさない」
「んで、いっつも教卓の上にちょこんと座っててさ。みんなのマスコット状態だったな。ちょっかい出される度に『ニィェエエエエエエエット!(Нет=ロシア語でNoの意味)』って叫んで教室中を走り回る姿に非常に萌えた」
「さいで」
「非常に有意義な一ヶ月だった」
「ロシア幼女と触れ合う一ヶ月がか?」
「いや、俺が海外で案外モテたので嬉し……なぜそこでヒク?」
「いや、想像も付かない言葉が返ってきたから……」
「うん。正確に言うと、男女問わず人気者だったな。自慢じゃないが俺は英語で話すことって苦じゃないし、友達沢山出来たってのが大きかったかも。多国籍な友人が出来た時の気分って良いな。特に……」
「特に?」
「ドイツ、イタリアの友達と食事を共にした時は、日独伊三国同盟の事ばかり考えてた」
「お前がそういう人種なのはよーく知ってる」
「ご、誤解すんなよ? ちゃんとフランス人とも仲良くしてたぞ?」
「いや意味分からん」
「簡単に言うと、マジノ線はあんまり役に立たなかったって事だな」
「はいはい」
「で、TWIMはいつ書いたんだ?」
「空き時間にポメラで。みんな興味津々だった。『じす いず らいてぃんぐ おんりー ましーん』って20回は解説した気がする。それに周りは俺がなに書いてるか分からないもんだから、気兼ねなく小説書けたってのは事実」
「成る程。確かに、ポメラなんて日本でもそうそう見ないもんな。珍しいガジェットによりついて来たんだろ」
「そーだろうね。まあなんにせよ、充実した一ヶ月だったな」
「小説は貧相なままだけどな」
「で、これからどーなんのさ?」
「聞いて驚けアルバート。実はな……
オチが確定したのさ!」
「今まではオチ考えて無かったのかよ!」
「あったりめぇよぉ」
「関西人が江戸っ子みたいな喋り方すんな。全く板についてねえぞ」
「ヒマが出来たら書いてくよ。新兵器ポメラも導入した事だし、これからちょくちょくとね」
「前、『iPhone導入したぞ!』って言った時も同じ事言ってた気がするが……」
「ああ、あれね、親指が痛くなるんだわ……」
「…………」
「暑いから、ここらへんで打ち切るべー」
「えぇ!? こんな少ししか書いてないのに!?」
「だって暑いんだもん……日本の湿気最悪ですぜ……ヘ◯シオされそうだわ」
「スチーム調理かよ」
「これ以上はモチベーションもマス◯ーベーションも持たないんで、そろそろ打ち切りまーす。じゃーねー」
「もう? え、ちょっと、これマジで終わっちゃうの!?」
「iPhoneで書くのつーかーれーたーしー」
「ポメラ使えよっ!(次回をお楽しみに!)って何このメッセージ!文末に入れろよ! なんで俺のセリフの中なんだよ! 邪魔なんだよこれw おい、ちょwおまwww」