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第二次日本海海戦2

第二次日本海海戦 、朝鮮戦争と同時に生起した日本国と日本人民民主主義共和国の間に起きた海戦。1948年に成立したばかり大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の間に1950年軍事衝突が発生、それに呼応して北日本軍が樺太より艦隊を日本海沿いに南下、日本国は結成したばかりの海上自衛隊即応集団が舞鶴の第3護衛隊群と連合艦隊を5年ぶりに編成し迎撃した。


「空母1杯でいけますかね?」


「足らない分は不知火君が何とかするだろう?」


「止めてくださいよ。だからあまり僕を買い被りすぎないでくださいよ」


僕達即応集団は航空護衛艦(空母)2隻、超ド級護衛艦(戦艦)1隻と護衛艦(駆逐艦)4隻で編成される艦隊だ。母港は横須賀だが、大半を日本海で訓練に明け暮れる。しかし、この年、航空護衛艦かつらぎは機関に故障を起こし、修理中だった。豊原(北日本の首都)の連中が堂々と宣戦布告を行い艦隊で日本海を南下してきたのも、空母が1隻しかないからだろう。


北日本の目的は日本海の制海権だ。朝鮮半島の軍事衝突を支援する為、日本海の制海権を奪取する気だ。この頃、アメリカは関知する地域はフィリピン―台湾―沖縄―日本本土としており、大陸の韓国については関心度が低かった。


アメリカは朝鮮半島の処遇に困っていた点もあり、独立させるのではなく、委託統治すべきと考えており、未だ考えを決定していなかった。


そんな中、時の北朝鮮民主主義共和国主席金日成はソ連のスターリンを説得したのだろう、韓国侵攻の許可を取り付ける。ソ連があっさり北朝鮮の思惑にのった理由は不明だ。


一方、中国大陸は中国共産党と国民党が激突しており、僕の知っている史実と異なり、アメリカは中国国民党を支援し続けた。その為、中国からの増援はある筈も無く、ソ連がアメリカと直接戦争をするとは思えず、韓国は軍事的に空白地帯だった。実際、韓国軍は戦車を1両も保有しておらず、航空機も練習機がある位だった。


「まさか、こんな直ぐに戦争があるのだなんて…」


「ぼやくな海老名、それはみんなそう思っている」


「そうだよ、海老名。むしろ僕らは海上決戦だけだから恵まれているよ。アメリカさんなんかこれから大量の陸軍兵を戦地に送らなきゃならないんだから」


僕は史実とは少し違う朝鮮戦争をこの海戦で体験するとは思わなかった。正直、朝鮮戦争はおきないんじゃないかと思っていた。スターリンが何故北朝鮮の侵攻を許したのか? アメリカはこれでより共産国家への警戒を強めるだろう。あるいは既に警戒レベルが高まり過ぎた上の事かもしれない。故に中国大陸は未だ国民党と共産党が戦っている。トルーマンは親中よりではなかったが、広大な中国大陸が共産国家となる事のリスクを察知した様だ。


アメリカ軍の正規空母3隻は揚陸支援の為、朝鮮半島西側から離れられない。僕達海上自衛隊が豊原の艦隊を撃破しないと、戦艦解放かいほうという嫌な名前にされた武蔵が輸送艦隊に突っ込む、レイテ沖海戦が思い出されて日本軍もアメリカ軍もピリピリしているのだ。


この戦いの困った処は韓国はアメリカとは特に何も条約を結んでおらず、勝手に独立した韓国の落ち度にも困ったものだ。正直うまくやっていれば分断なんてなっていなかったと思う。もっとも勝手に独立していなければアメリカの委託統治領となっていたかもしれない。


「まあ、豊原は不知火君がいる事を知っていたら、戦争なんてしかけてこなかったろうね」


「そうですね。不知火2佐の対空能力知っていたら、自殺行為ってわかった筈です」


「だから、あまり僕の事買い被りしないでくださいよ」


とは言ったものの海老名3佐の言う事は本当だ。僕の魔法兵はこの時代でも未だ戦力として健在だ。ソロモン海以来の戦いでたっぷり経験値を積んだ僕の魔法兵は太平洋戦争をもう1年位は終戦を遅らせたかもしれない。


「なんだって? まさかそんな筈はないだろう?」


「どうしたんだ? 海老名3佐?」


「旗艦やまとより入電です。朝鮮半島の金浦空港から航空機100機あまりがこちらに向かっているとの事です」


「アメリカ軍は?」


「…スルーです」


「マジか?」


海老名と藤沢艦長は僕から学んだ2020年時代の言葉で良く遊ぶ、彼らは周りから風変りに思われているのだが、本人達は時代の最先端を行っているつもりだろう。70年も先のだとさっぱりわからんと思うのだが…


しかし、これは大事だ。僕は作戦の変更を余儀なくされた。最初は豊原の空母はレイ達航空機魔法兵で叩き、戦艦解放は大和や加賀達に任せようと思っていた。しかし、


「その北朝鮮、いや、どうせパイロットはソ連兵でしょうが、100機の航空機は僕の航空魔法兵で叩きます」


「わかった。頼むぞ」


「了解しました。出撃を許可頂いたと理解します」


僕はレイ達に魔法通信を開いた。


「レイ、紫電改と二人で、北から侵攻してくる北朝鮮の戦闘機をやっつけてくれ」


「わかったわよ。葵、その代わりご褒美は期待しているわ。それ相応のものを用意できない時は、わかっているわね?」


わかっているよ。満足できない時にはレイに首輪をつけてお散歩しないといけないんだよね?


二人の装備はミーティア長距離対空ミサイル、AIM-120C中射程対空ミサイル、AAM-5短射程対空ミサイル、AIR-2対空ロケット、M61バルカン砲、プラット・アンド・ホイットニーF119-PW-100 ターボファンエンジン、AN/APG-81 AESAレーダー (←全部現代兵器、AIR-2は核弾頭対空ロケット弾)を装備している。レイ達の最高速度はM2.5、巡航速度M1.5だ。レイテの後、散々ガチャ回したら、凄い装備が出たんだ。


「葵、目視外から攻撃していいの?」


「構わんよ。上官のからの命令だよ」


「わかったわ。じゃあ、十分ご褒美の事を考えておくことね?」


「わかったよ。銀座でデートなんてどうかな?」


「―――――!!!!」


声にならない声をあげてレイが魔法通信を切る。どうも銀座でデートは刺激が強すぎたらしい。レイは要求するプレイが変態だけど、普通のは凄い純情なんだ。以前黙って魔法通信をきってしまう時は怒っているのかと思ったのだが、どうもテレているらしい。


こうして史上初めての対空ミサイルによる目視外からの遠距離攻撃は僕の魔法兵が行った。

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『連載版こうかい』~幼馴染に振られた上、サッカー部を追放されたら、他の幼馴染がドン引きする位グイグイ来た。えっ? 僕がいなくなって困ったから戻って来てくれって? 今更そんなのしりません~
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