第二次ソロモン海海戦3
朝起きて目を開けると目の前に美少女がまじかにいた。ナナだった。
「ナナ? どうしたの?」
「…お兄ちゃん、私…ごめんなさい」
そういうとナナは僕の唇を奪った。
「~」
唇をゆっくり話したナナはこういった。
「私達、血は繋がってないのよ」
「えっと、それは知ってるけど…」
だって、妹は設定だけで、血が繋がってないどころか、召喚して出会ってから10日間もたってない訳だし。
「私、この気持ち抑える事ができないの。お兄ちゃんは私を妹としてしか見てくれないの?」
いや、妹として見た事一回もないよ。
「いや、ナナは可愛いし、その…大丈夫だよ」
「本当に? ナナの事気持ち悪いとか思わないの? 妹なんだよ?」
「そんな事は思わないよ。ナナは可愛くて魅力的な女の子だよ」
「あ、ありがとう。お兄ちゃん。ナナ嬉しい」
「ああ、でも突然唇を奪うのは駄目だからね」
「うん、わかった。ちゃんと断ってからする」
う~ん。どうしよう。これ、僕がキスする事を容認してないか?
「じゃあ、もうじき作戦だから、ナナ行くね」
ナナは行ってしまった。できればキスの件は訂正したかったんだけど。
「まあ、エロい行動じゃないだけましか」
そうなのである。四日に一度来るユウは毎回僕のお布団に忍びこんでエロメイドサービスを試みるから大変なんだ。なにせよユウは幼馴染だから僕の性のはけ口として使ってもらう様努力しているんだ。何処に凌辱されたい幼馴染がいるんだ? ユウの幼馴染感はとんでもなくおかしいし、エロ過ぎて大変。
日本軍は8月25日に陸軍の増援部隊をガダルカナル島へ揚陸させる作戦を立てており、これに合わせて空母龍驤にガダルカナル島へ攻撃、翔鶴と瑞鶴で米機動部隊を補足殲滅せんとしていた。
米軍側は空母エンタープライズ、サラトガ、ワスプ擁するフレッチャー中将の第61任務部隊をソロモン海に展開した。
昭和17年西暦1942年8月24日時龍驤より第一次攻撃隊が発進した。
「いよいよですね。生き残れ作戦が」
「身も蓋もない作戦名だな? 海老名君?」
「げっ! 藤沢艦長!」
「気にするな。不知火中尉の影響なのだろう?」
「い、いやそれは、その」
「そうなので、許してやってください」
僕は艦長に許しを求めた。海老名は艦長がいないと思って発言したが、運悪く艦長が入室してしまったのだ。
「まあ、不知火中尉の影響なら仕方ないだろう。なにせよ未来人だから」
「そう言って頂けると」
「いや、すいません。不知火中尉の責任にするつもり等は…」
海老名は誠実な男だった。絶対僕の影響だと思うけど、僕のせいだなどと絶対言わない。
「まあ、それより不知火中尉、魔法小隊を出撃させて対潜哨戒と対空監視を厳としてくれ」
「はい、藤沢艦長。直ちに魔法小隊出撃します」
僕は敬礼すると、魔法通信で使い魔達に指示を送った。
「ユキ、ユウ、羽黒、祥鳳周辺で対潜哨戒、対空監視を頼む」
艦橋から見ていると、三人の少女が飛行甲板から海上に飛び降りる。そして海上を凄い速度で疾走していく。
程なくして、羽黒から連絡が入る。
「葵ちゃん、敵機発見、15時の方向高度1000、多分索敵機、1機だけ」
「わかった。羽黒。引き続き監視を頼む」
羽黒はユウやユキより強力な電探21型対空電探を搭載可能だ。それで以前より早く敵機を察知できる様になっていた。
「艦長、15時の方向、高度1000に敵機、索敵機です」
「わかった。相模原飛行隊長、迎撃を、綾瀬中尉、旗艦に連絡を」
零戦32型4機が発艦していく。しかし、おそらく艦隊の位置は知られたな。何せよ、史実と違い、第三航空艦隊は龍驤を分派せず、同行してガダルカナル島へ接近している。これから北上すると思うが、敵空母からの攻撃があるだろう。史実とは違い、規模は大きくなるかもしれない。軽空母一隻ではないのだ、全力攻撃となるだろう。
その頃、米機動部隊には敵機動部隊発見の報がB17爆撃機より入っていた。ガダルカナル島近くなので、フレッチャー中将は直ちに攻撃隊を編成、発進させた。陣営は、空母サラトガからドーントレス艦上爆撃機24機、TBFアベンジャー艦上攻撃機14機、エンタープライズからF4Fワイルドキャット8機TBFアベンジャー艦上攻撃機12機、ワスプからF4Fワイルドキャット12機、ドーントレス艦上爆撃機12機、TBFアベンジャー艦上攻撃機12機が発進した。史実と異なりワスプは燃料補給をしていなかった。
一方、日本軍は米軍とほぼ同時に米機動部隊を発見、日米両軍はほぼ同時に攻撃隊を発進させた。日本軍の陣営は、
空母翔鶴の第一次攻撃隊、九九式艦爆28機、零式艦戦12機、続いて空母瑞鶴の第二次攻撃隊九九式艦爆28機、零式艦戦12機が1時間遅れて発進した。
「葵ちゃん、敵機発見、11時の方向、機数約100」
「何だって?」
僕はうなった。敵空母はエンタープライズとサラトガだけの筈だ。いくらなんでも敵機の数が多すぎる。この頃の米軍はいち早く攻撃する為、戦闘機隊を付けずに出撃させたり、準備ができた隊から出撃させる傾向があり、二隻の空母の五月雨式の攻撃にしては機数が多すぎた。
「艦長、敵機来襲、11時の方向、機数約100、先ずは魔法小隊で叩きます。対空射撃は控える様伝えてください」
「うむ、分かった。頼むぞ」
「はい、お願いします」
歴史が少し変わった。僕がそれを知るのはもう少し後の事だった。
連載のモチベーションにつながるので、面白いと思って頂いたら、作品のページの下の方の☆の評価をお願いいたします。ぺこり (__)