限りなく青い空6
「やったぁ! 初めて勝った!」
何度目かで、レイが勝った。そして大貧民は僕だった。レイはどんな罰ゲームを言い渡すのだろう?
「葵、キュウちゃんとキスして」
「えっ? レイそれでいいの?」
僕はびっくりした。だって、レイは仮にも僕の彼女だよ。その彼女のレイがキュウとキスしろって言うんだよ。驚きしか出ないよ。
「どうしたの葵? 早くキスして」
「レイは平気なの? キュウと僕がキスしても」
「少し、悔しいかしら。それがとても気持ち良くて」
忘れてた。レイはドMだ。キュウに寝取られる感じが快感なんだ。
「えっと、キュウは平気なの? その嫌なら別の罰ゲームにしてもらうから」
「せ~んぱい、ばっち来てください。熱いのお願いします」
なんか色っぽさないな~
「じゃ、お言葉に甘えて…」
僕はキュウの傍に行くと、キュウの顎に指をかけて顔を上に向かせた。多分、こういうのがキュウの好みだ。
「はぅ、この感じいいです」
キュウはそう言うと、顔を上に上げて目を瞑った。わ~、キュウは凄い可愛い。ドキドキする気持ちを抑えながら、出来るだけ平静を装ってキスする。間近で見るキュウは凄く可愛かった。流石後輩属性。年下の可愛い女の子感が半端ない。長い睫毛とはぼわ~という感じ。
「へへへへっへへへっへ」
笑みを浮かべながら、キスの余韻を楽しむキュウ、でもキュウ! 女の子がキスされて涎を垂らすの止めて! 一応キュウも可愛い女の子には違いないんだから、僕の女の子への憧憬を壊さないで!
次もレイが大富豪で僕が大貧民だった。
「葵とユキがキスして、ああ! たまんない! この屈辱感!」
レイは今度はユキとキスする様に言った。キュウと同じ様に手をユキの華奢な肩に手を乗せる。そして、ユキが上を向いて目と閉じるのを待って、そっとキスする。やはり間近で見るユキも綺麗だ。そして、唇が離れると、ユキの顔がほころんだ。
「ユキ、いい笑顔だね?」
「…し、小隊長がキ、キスしてくれたから」
今日のユキは可愛い。こんな笑顔は変態行動した時にしか見れないから新鮮だった。
「…じゃ、次は葵とユウが」
「えっ? いいの? ユウって、幼馴染の分際よ?」
「いや、普通、幼馴染って甘酸っぱい香りしかしないだろう?」
僕は思わず突っ込んだ。いやらしい意味じゃないよ。ユウの幼馴染感は何処かおかいしいのだ。普通、幼馴染の女の子だなんて甘酸っぱい経験しか思い浮かばないよ。
「いいの? 本当に?」
「いいに決まってるじゃないか」
僕はユウを元気付けた。そして、ユウにキスした。すると、
「ひっ、ひっく、えっぐ…ユウ、幼馴染なのにキス出来るのだなんて…」
いや、むしろファーストキスが幼馴染というケースは結構あるんじゃないか? それにキスはされないけど凌辱はされるというユウの謎設定は意味が解らない。
「じゃ、次は葵と羽黒」
もう、キスって言葉が省略された。
「ああ、葵ちゃんとキスだなんて、姉弟なのにいけないわ」
ええっ? 僕と羽黒って、実の姉弟ていう設定?
「さあ、葵ちゃん、早くお姉ちゃんの唇を強引に奪って! 背徳感が尋常じゃないわ!」
「い、いや、その設定だと、僕ちょっと…」
「実の弟に唇を奪われて、弟に溺れていくのだなんて!」
ああ、羽黒もやっぱり変態なんだね。それもド級の変態。設定だけなんだけどね。
「葵、罰ゲームだから逃げるの駄目よ」
「わかったよ、レイ」
そして、羽黒とキスした。羽黒の唇も柔らかかった。なんか得した。
「とりあえずお仕置きは大富豪終わる前にする事にするわね」
羽黒とキスを終えるとレイが言い出した。
「ええっ? なんで? レイが命令したんじゃないか?」
「でも、他の女の子のキスしたんでしょう?」
「う、うん」
「レイを差し置いて罪悪感ないのかしら、この馬鹿犬は?」
「それは、凄く感じてるよ!」
「なら、死んでもいいわよね?」
「ええええっ?」
いや、死ぬまでしなきゃならんの? それにレイが言った事だよね?
「…それとも豚箱に入りたいのかしら? 婦女暴行の罪で」
「えっと、それ、絶対冤罪だよね?」
「さっきキスしたの誰かしら?」
ええっ? まさかのドS展開に僕は驚いた。レイは怒っているみたいだ。普通そうだよね。でも、レイは変態だから、いいのかと思った。かくいう僕も既におかしい人間になっているという自覚はあるけど、レイ達程おかしくないと思います。
「仕方ないわね。妥協して、靴を舐めてもらうわ」
レイはそう言うと僕のベッドに腰を落として、すっと脚を差し出してきた。
「靴を舐めなさい。それが下僕の証よ」
「いや、プレイがハード過ぎんか?」
「仕方無いわね。この下僕は調教が足らないみたいね。靴を脱がして脚を舐めなさい」
「良かった。それなら…」
言っちゃったよ。完全M発言。普通駄目だよね?
「葵、早くしなさい。ご主人様を待たせる気?」
僕はレイの靴を脱がした。そして、黒のハイニーが露わになる。そして、ニーソックスを脱がした。何とも言えない背徳感があった。そして、素足のレイ。時折レイが太ももをもじもじさせる。レイも恥ずかしいのだろう。
「下僕にしては手際が良いわね…そのままお舐めなさい」
僕はレイの脚の先に顔を近づけた。もう、舐めるしかない。そう思っていると、何故かレイのもじもじが半端ない。いや、いやらしすぎる脚と太ももの動きなんだけど?
「あっ! もう駄目! もう、無理!」
一体何?
「お腹の圧迫が凄い…もう、無理です…」
おしっこか…
「レイ、おトイレ、お願いだからおトイレ行って!」
「でも、ここで、おそそうしたら、とても…」
いや、僕が半端なく落ち込むから止めて! レイが小鹿の様に震え始めるけど、僕はレイにお願いした。
「レイ、お願い、早くおトイレ行ってきて! おトイレ行ってくれたら、デートしてあげるから!」
計算があった。レイはデートしてあげるからという上から目線に反応する筈である。
「う、うん。わかった」
そう言って、レイはおトイレに行った。よかった。流石に僕もレイのおもらしシーンは見たくない。しばらくするとレイは帰ってきた。
「ふっ……間に合わなかったわ」
黒髪をかき上げて決めポーズを取るレイの左手にはびちょびちょのパンツが握り締められていた。だから、なんで、そこで、カッコつけるの? レイ?
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