表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/70

限りなく青い空2

朝、目が覚めた。悪い夢を見た。レイとデートしていた時に不意にレイがこういった。


「あなな誰だっけ?」


多分、僕の追体験が原因だ。レイは戻ってきてくれた。でも、レイは僕との4年間の記憶を全て失っていた。


「新しく召喚したレイは僕が愛したレイと同じレイなんだろうか?」


わからない。新しいレイは見た目も発言もそっくりだ。でも、僕の事を覚えていない。僕は矢も盾もたまらずキュウの部屋を訪ねた。未だ朝食の時間まで時間がある。キュウは起きているかな?


コンコン


キュウの部屋をノックする。キュウに僕の方から会いに行くなんて思ってもみなかった。


「先輩ですか? どうぞ」


「ああ、朝からすまない」


僕はキュウの部屋に入った。キュウの部屋に入るのは初めてだ。キュウの部屋はやはり女の子らしく綺麗にかたづいていた。人形とかプリティな物がないのは当然だろう。ここは軍艦の中なんだ。


「ようやくキュウに夜這いをかけてくれたんですね?」


「いや、違うから、それに今、朝だろう?」


「あらららら~、秒で論破されましたね☆」


「キュウ、ふざけないでくれ! 僕が何で来たか、想像できるだろう?」


「できますよ。レイ先輩の事でしょう? でも先輩は何故キュウの事を想像してくれないのですか? キュウは言いましたよ。キュウも先輩を愛しているって…」


「そ、それは、いつものおふざけで…」


僕は言葉が続かなかった。違う、キュウがあの時言った事は本当だ。あんな時にふざけた冗談を言う女の子じゃない、キュウは、


「ごめん、キュウ、君の気持ちは嬉しいよ、でも僕にはレイがいて、その…」


「先輩、キュウ達義人化兵器はみんな先輩の事が大好きなんです。愛して欲しいんです。レイ先輩程じゃなくてもいい。みんな平等に愛して欲しいだなんて思ってないです。ただ、レイ先輩の次に二番目に愛して欲しい。そう思ってるんです。ユキやユウも同じです」


「でも、僕は複数の女の子を同時に愛するのだなんて…」


「そんな事言わないでください。二番目が駄目なら三番目でもいいし、四番目でもいい。誰も他の子を恨んだりしません。キュウ達はそういう風に調整されているのです」


「そ、そんな、僕はどうしたら?」


「あきらめて、キュウ達も愛してください。キュウってそんなに魅力ないですか?」


そんな事は無いよ。ウザいけど、素敵な女の子だよキュウは。僕なんかの為に、命をかけて戦って、僕の為に敵機に体当たりをしようとして、それなのに僕は…


「キュウは魅力のある可愛い女の子だよ。でも、僕は罪悪感があって、未だ…」


「今は未だいいですよ。でもいつかキュウも先輩に愛されるといいなって」


「ごめん、キュウ」


「今はいいです。それに今日はレイ先輩の相談に来たんですよね? 話してください」


「キュウ、ありがとう」


「レイ先輩が以前のレイ先輩と同じレイ先輩かどうか自信がなくなってきたんでしょ」


「ああ、新しいレイは以前の記憶がないんだ。レイは同じレイなんだろうか?」


「レイ先輩は同じレイ先輩ですよ。キュウ達擬人化兵器は何度召喚されても全く同じ身体です。頭の中も、魂も同じです。だから、あのレイ先輩はレイ先輩なんです」


「でも、記憶が?」


「それは先輩が何を愛していたか? ですよ…辛いとは思います。楽しい思い出を共有できなくて、キュウでも辛いと思います。でも、先輩はレイ先輩の思い出を好きになった訳じゃないでしょう? これからレイ先輩と新しく思い出を作ればいいんですよ」


「そうか、そうだよな?」


「それに、完全に記憶がないとは限りませんよ。魂に刻まれた記憶は蘇る事がありますよ」


「ホントか?」


「本当です。キュウ達擬人化兵器は生まれた時から戦う知識や生きていく知識をもって召喚されます。その記憶の中にこのことが記憶されています」


「ありがとう、キュウ、僕、自信をもって、レイに接する事ができるよ」


「…ところで、先輩」


「何、キュウ?」


「ご褒美にキュウの事少し襲っていきません?」


「いや、折角だけど、そんな気分じゃ」


「先ッぽだけ、先っぽだけでいいですから」


「だから、女の子がそんな事言っちゃ駄目だから」


「もう、先っぽだけで済む訳ないんだから、いいじゃないですか?」


何処がいいんだ? 余計最悪だよね? キュウはどんなけ僕を軍法会議にかけたいんだ?


僕は慌ててキュウの部屋から逃げた。なんか逆に襲われそうな危険を感じた。そして、僕は決意した。レイにもう一度告白しようと、今のレイは記憶を失っている。だから、もう一度告白して、もう一度彼氏彼女にならなきゃ。そう、僕は決意した。


今日は、艦橋で朝の会議の後は擬人化兵器の戦闘訓練だ。僕はその時にレイに告白しようと思った。飛行甲板は今日は僕達が自由に使用できる。レイ達擬人化兵器の訓練の時は他の士官や下士官を飛行甲板に上げない。今の艦長もレイ達を心配しての事だろう。正直、僕よく我慢できるなと、自分で感心する。多分、みんなが極度のドMなのが、ストッパーになってるんだろう。普通の女の子に普通に迫られたら、僕も簡単に堕ちたと思う。


僕はレイ達の訓練を行った。得にレイの訓練は厳しくした。レイはレベル1に戻ってしまった。今はキュウより対空戦闘が弱い。かなり訓練しないと駄目だ。だが、訓練ではあまりレベルは上がらない、いいとこレベル5位までだろう。それ以上は実戦で経験値をあげなければならない。かなりキツいし、キュウに負担をかける事になる。


「レイ、キュウ戻って来い。今日の訓練はこの辺までだ。空が暗くなってきた」


「生意気な小隊長ね。下僕のくせに、レイに命令だなんて。生意気ね?」


「い、いや、そういうわけじゃ……ぼ、僕はレイの事が心配だから!!」


「下僕にしつこく付きまとわれるのは嫌だわ。気持ち悪いから……」


あの、僕凹みそうなんですけど?


「小隊長、レイの全身を舐めるように見ないでといつも言っているでしょう?」


いや、初めて聞くよ?


「い、いや、ごめん。そんな目で見た事はないつもり……」


「じゃあ、そのギラギラとした淫猥な目つきはどう説明するつもり?」


僕、そんな目してた? レイを愛おしく見てただけだよ。


「そうね、そうだったのね……自分の下僕の嗜好がわからないなんて、レイも主人失格ね」


「ええっ?」


「今理解したわ。その物欲しそうな顔……お仕置きのご褒美が欲しい様ね?」


「いや全然要らないけど!?」


「気づいてあげられなくてごめんなさい。すぐに鞭で気持ちよくしてあげる」


「ちょ、ちょっと待って、何でこんなおかしな方へ向かうの?」


「今、直ぐにそちらに向かうから、小隊長は忠犬らしく、待っていなさい」


そう言うと、レイ達は帰ってきた。髪をかき上げるレイ。夕映えに映える。


「さあ、早速、ご褒美をあげるわ、鞭がいいかしら? それとも一回死んでみる?」


いや、だから、死んだら、終わりだから! 僕はちょっとレイの傍若無人さに腹を立てた。それで、ツイ、


ガン


僕はレイの顔の横に手をついた、あれ? これは壁ドンじゃ? いつかの様に?


「レイは僕の事嫌いなの? 言ってごらん。レイの好きな人は誰?」


「わ~! 先輩!直球!」


キュウが騒ぐが、僕は真剣だ。僕は早くレイの気持ちが知りたい。前と同じレイなら僕の事が好きな筈だ。


「そ、そんな! 女の子にそんな事言わせる気? 下僕のくせにそんなの生意気よ!」


「…きちんと言えたら僕のペットにしてあげるから。君が好きなのは誰かな?」


「こ、こんなに強引で、酷い…でもこういうのが好き、それに、本当に私をペットにしてくれるの? できればなんだけど、レイを叱りながら、お尻を叩いて欲しいの!」


「…もちろん、痣ができる位きつく叩いてあげるよ、レイの事を糞ビッチと罵りながら」


ああ、僕は人として何か大切な物を失くした様だ。でも、レイを失くすよりマシだ。


「……う、嬉しい」


レイは僕見上げながら、ふわりと笑った。そして、濡れ続けた目も拭わずに言葉を綴った。


「初めてのデートの時は首輪にリードを付けてお願いね。たくさんの人が見ている方が興奮するわ。そして、安宿で凌辱しつくして、最後は首を絞めながらして…涙と排泄物でちゃう位強くお願い。その方が屈辱感が半端ないから」


ああ、相変わらずレイはアウトなドMだ。もう一度死にたいのかな? でも、懐かしい。それにレイは 涙を 流していた。


「……レイ、何故泣いているの?」


「えっ? レイ泣いてなんて、あれ? なんでレイは泣いているんだろう? ペットにしてもらえたから? ううん、違う、前にもこんな事があった様な、何故?」


レイはやっぱりレイだ。僕はレイを強く抱きしめた。そしてレイの唇を求めた。レイはすっと上を向いて、目を瞑った。久しぶりにレイの唇を強く、乱暴にレイの唇を凌辱した。

連載のモチベーションにつながるので、面白いと思って頂いたら、作品のページの下の方の☆の評価をお願いいたします。ぺこり (__)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂いた読者様ありがとうございます☆ 本作について、 「ちょっと面白かった!」 「島風の新作を読んでみたい!」 「次は何を書くの?」 と思って頂いたら、島風の最新作を是非お願いします。リンクがありますよ~☆ 読んで頂けると本当にうれしいです。 何卒よろしくお願いいたします。ぺこり (__)
『連載版こうかい』~幼馴染に振られた上、サッカー部を追放されたら、他の幼馴染がドン引きする位グイグイ来た。えっ? 僕がいなくなって困ったから戻って来てくれって? 今更そんなのしりません~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ