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ミッドウェー海戦2

ミッドウェー海戦、昭和17年西暦1942年6月5日から7日にかけてミッドウェー島を巡り行われた海戦。この戦いで、日本軍の主力空母赤城、加賀、飛龍、蒼龍が沈没、米軍は参加した空母の内、ヨークタウンを撃沈された。スコアは1:4であり、完全な敗北だった。この戦いで、空母4隻の他、航空機290機の全てを失った。


この戦いは確かに完全な敗北であり、太平洋戦争の戦局の転換点であったと言われる。僕はどちらかと言うと日本人にとって精神的な転換点だったのではないかと思う。実際の処、空母は沈んだが、ベテラン搭乗員の多くが戦死した訳では無い。ミッドウェー海戦前に大幅な人事異動があり、ベテラン搭乗員の数は大幅に減少していた。彼らは内地で教官等、様々な地で生きており、ミッドウェーに参加した航空兵も全て空母と共に沈んで戦死してしまった訳じゃない。ただ、空母を4隻も失うという結果に心が折れたのだろう。僕はどちらかと言うとガダルカナル島を巡る戦いでベテランの航空機搭乗員を無駄に消耗した事の方が戦局の転換点になったと思う。空母も航空機搭乗員もどちらにせよ消耗するのだ。空母、航空機とはそういった武器なのだ。そして、重要なのは重要度が高いのは空母や航空機より搭乗員の方だったという事だ。ミッドウェー敗戦時にこの事がわかっていれば、ミッドウェーは太平洋戦争の敗戦の転換点とは言えなかったと思う。


「艦長、僕達の魔法小隊に周囲の対潜哨戒任務を与えてください」


僕は艦橋で新艦長の藤沢大佐に上申を行っていた。前艦長は全く取り合ってもらえず、僕達の出撃は無かった。だが、


「藤沢艦長、飛行隊からもお願いします。彼らの小隊は油を一滴も使わないのです」


茅ヶ崎飛行隊長が助け船を出してくれる。彼も僕達と同様死にたくない派だ。


「かまわんよ。山本五十六長官から珊瑚海での活躍は聞いている。原少将も随分と君の事を買っている様だった。私は君に期待するよ」


「ありがとうございます!」


僕は嬉しくなった。茅ヶ崎大尉の助け舟が無くても、この艦長は僕に好意的な様だ。


「早速、周辺海域をユキとユウに、前方をレイとキュウに哨戒させます」


海老名中尉が僕に笑顔を送ってくれる。そして、敬礼すると僕は艦橋を降りて、魔法小隊司令室、つまり僕の私室に戻った。


「みんな、出撃だ!」


僕は自室に集まった魔法小隊の彼女らを見た。全員、戦闘服のブレザーの学生服もどきを着ている。既に臨戦態勢の筈だ。


「あっ!?」


僕は思わず声が出た。何故なら、キュウがちょうどパンツをあげようとして…つまり何故かパンツのお着換え中だったのだ。


「か、可愛いいショーツだな……」


「「「……」」」


思わず感想が出る。僕は最近キュウの生のお尻を見てしまったり、ショーツを見てしまっているので、感覚がおかしくなっているのかもしれない。だが、他の義人化兵器の面々はどうも微妙な空気を含んでいる。


「小隊長。キュウの下着を舐めるような目で見ないであげてくれるかしら?」


「い、いや、そんなつもりじゃないし。そんなに見てないよ」


レイだ。レイが今日はドS口調で僕を責める。先日の普通のレイは何処へ行った?


「さっきから、視線がキュウから離れないのだけど、どう釈明するつもり?」


キュウのお尻やショーツは見慣れているから、別に……だなどと言える訳ないよね? 僕は素直に謝った。


「ごめん。キュウのお尻とショーツが可愛くて、凝視してしまいました…」


「そうだったの……葵の欲望を満たせないだなんて、レイもペット失格ね」


「えっ?」


「レイは理解したわ。その物欲しそうな顔……葵はパンツが見たいのね?」


「いや、ち、違うけど!?」


「レイがいけないのね。ご主人様の欲望を叶えて上げられないだなんて」


そう言うと、レイは自分の下着、つまりショーツを下げた。ショーツが膝まで降りると、


「これでいいかしら? それとも、スカートも上げた方が…いや、それだけでいい筈が、あっ!? 葵の前で椅子に座って、脚を開けばいいのよね? そ、そして……そのまま、みんなの見ている前で凌辱されるのね、みんなの前でだなんて! 恥ずかしいわ! ご褒美が過ぎる! ああ! どうせなら、浣腸も! ふ、ふぐっ」


僕は思わず、レイの口を掌でふさいだ。


「レイ、これ以上僕の女の子への幻想を壊さないで! 僕はそんなの望んでないよ!」


レイがほぼAVの世界を現出させようとするから、思わず止めた。レイはガビンとショックを受けた様な顔をする。いや、レイの可愛いショーツもホントはみたいけど、そんな欲望を皆の前で曝出す訳にはいかないよね?


「そうだったのね……下僕の考えが理解できなかったなんて、私も主人失格ね」


「えっ?」


「今わかったわ。その物欲しそうな顔は……お仕置きの方を要求しているのよね?」


「いや、だから、違うって!?」


自分のパンツの魅力を否定されたから、怒ったんだね? でも、これ、暴力の方へ持っていくヤツだよね? 後で、ちゃんと見てあげ…嫌、違が~う! ちゃんと魅力あるから、僕の立場理解してよ!


レイは僕に素早く近ずくと、


スパーン!?


凄い速度の見事な蹴りを繰りだして、僕のお尻にローキックを打ち込んだ。凄い体重がのっているヤツだ。


「これで満足かしら?」


「い、嫌、痛すぎる!」


僕は思わず、お尻を抑えて叫んでしまった。


「豚の言葉は良くわからないの。でも、お代りを要求しているのね?」


「ち、違~う!?」


だが、レイは容赦なく。


スパーン!?


僕のお尻にもう一発ローキックを打ち込んだ。僕は崩れ落ちた。


「豚の考える事は判らないけど、葵は豚らしくそこで待っていなさい」


そう言うと、レイ達は部屋を出て行った。


「キュウは前方を中心に長距離対潜哨戒任務、ユキは左舷の対潜哨戒、ユウは右舷の哨戒をお願い。私は直掩の零戦隊に挨拶でもするわ」


あの、指揮官、僕だよね? 何故かレイがみんなへの指示を出す。そんなにレイのパンツに興味を示さなかった事が不快だったのかな? いや、ホントは凝視したい位だけど、みんの前でそんな変態行動はできないよ。


皆が部屋を飛び出して行ってから、10分程してようやく僕はお尻の痛みが消えて、飛行甲板に向かった。頭上にレイが周回する。いつもより早い気がする。左舷にはユキやユウが海上を疾走する。


「中々やりますな。魔法兵は」


茅ヶ崎飛行隊長だ。彼は頭上を見上げて言った。


「さっきから一航戦の戦闘小隊長達とやりあっているのですが、5戦5勝、とても赤城の小隊が勝てるとは思えませんね」


察するにレイは赤城の零戦のベテラン搭乗員達に喧嘩を売ったらしい。もしかして、僕がレイのパンツを褒めたたえなかったからかな?


「これで少なくとも、第一航空艦隊の航空機搭乗員には祥鳳の魔法兵恐るべしという風潮ができましたな」


茅ヶ崎飛行隊長はカラカラと笑って言った。僕は若干、赤城の戦闘機の搭乗員に申し訳なかった。だって、僕がレイのパンツをくさしたから、こんな目にあってるんだよね?

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