戦争と戦争の間10
僕はレイへの誕生日プレゼントの為にキュウに相談したが、レイの一番欲しいものはアウト過ぎて、とてもできない事だった。だから、キュウから次善策を聞く事にした。
「それで、次善策って何なの?」
「今の先輩だと、言葉責めしかできないと思うんです」
いや、できれば一生ドSになんてなりたくないんだけどね。言葉責めも何となく嫌な予感しかしない。
「言葉責めもできればパスしたいな」
「じゃあ、一体何をプレゼントする気ですか?」
「普通のないの? 普通の?」
「ありませんよ。レイ先輩ですよ? 生粋のドMですよ? 欲しいものはドSのご褒美だけです」
つくづく、とんでもない女の子に惚れてしまった。
「わかった。じゃあ、どうすれば言葉責めできるんだ? 僕、あまり汚い罵りとか絶対できないからね?」
「安心してください。先輩の低レベルに合わせて、言葉責めの教科書を作りました」
「て、低レベル…」
「あれ? 悔しいですか? 悔しいんだ?」
「い、いや、いい、ドSに悔しがっても仕方ない」
ちっと舌打ちが聞こえた。危ない、危ない、乗せられて、ドSにされる処だった。
「大丈夫です。先輩でも耐えられる様、ドSというより、ツンデレ男優のセリフ用意しました」
「男優って言い方がやだな」
「先輩、メンドクサイですね!」
いや、僕、絶対、普通だよね?
「ちょっと、その教科書とか言うの、見せてみれ」
僕は事前にチェックしようと思った。イージーな事言って、いつの間にか深い処に誘い込まれても困る。
「いいですよ。どうぞ」
キュウはそういうと、僕のベッドの下から一冊の手書きの台本の様なものを出してきた。
懐かしい丸文字で書かれたノートに恥ずかしいセリフがたくさん書いてあった。でも、意外と普通だ。最初の方しか見てないけど、強気な男性のセリフが並んでいる。そうか? 強気な男性に強気で言われるとドMにはたまんないだ! これなら僕にもできるかも! 僕にはお尻ぺんぺんとか、おしっこ我慢させるのとかできそうにないから、ちょうどいい。珍しく、キュウが役に立った。
「いいな、これ! これ貸して!」
「いいですけど、一つ条件があります」
「何?」
「それ、キュウで練習してください」
嫌な予感がしたけど、単にドMのキュウもご褒美が欲しいだけかな? しばし思案したが、キュウへのご褒美になってもいい様な気がした。実際、お願いしている訳だから、キュウにお返ししてもいい様な気がした。
「わかった。いいよ」
「じゃあ、台本のレイ先輩のところはキュウに読み替えてくださいね!」
キュウ、いつもそれ位可愛ければな? 僕も態度を改めざるを得ないんだけどね。
「じゃ、始めるよ」
「はい、先輩、キュウもう、大興奮です!」
珍しくキュウがウザくない。こんな事もあるんだな。僕は台本を読み始めた。
「キュウが可愛すぎるからいけないんだよ…好きだよ…キュウを知るたびに僕…どんどん好きになっていくんだ…もう…手加減しないよ…」
「キュウのこと…好きにしていいですよ…」
「ああ、僕が欲しいのは…キュウだけだよ…」
「…そんな顔でみないでよ…キュウ…そんな顔で見られたら…」
「僕…何かね…おかしくなるんだよ。キュウを見ていると…」
「ご、ご主人さっ…まっあっ…はぅっ……そっそんなのって…あっ…反則っ…」
「悪い子だね、キュウ。キュウの立場を身体に刻みこむ必要があるね」
「せ、先輩…」
「キュウがいけないんだよ。僕を欲情させて理性をふっとばしておいて…よくそんな殊勝なことが言えるね…」
「お願い…キュウで理性のタガを外して!?」
「全く、呆れた雌豚だね。誰がお前なんかの言う通りになんてするんだ。……それでキュウは何をして欲しいだ?」
「キュウは先輩に言葉で責められて、手や脚を縛られての奴隷プレイをして欲しいのです」
「良くわかっているな。じゃあ、僕だけの雌豚に僕を味合わせてあげよう…そうしたら自分の立場がよくわかるよね」
「……っ! …………やめ、先輩、も、もうやめ……っ」
「止めてもいいのか!? ここで引き返すのか? キュウ?」
「だ、だめ、先輩、やめない……でっ……」
ふっと笑って、キュウの先輩は昨日、散々キュウに行った凌辱の記憶を思い出させるように、太ももに指を這わせ、そして徐々に上へと向かっていく。悶え、震えるキュウの唇を強引に奪う先輩。そして、とうとう大事なところにも指が届く。
「もういつでも大丈夫だな?」
「やめてっ! …そんなおっきな注射イタイよぉ」
「おねだりの仕方は教えただろ?」
「お願いします。キュウを先輩の大事な物で責めぇてぇ」
「こんなにはしたないキュウじゃ興奮なんてできないな~」
「そっ…そんなっ…ご主人様、お願いします…キュウを汚して!」
「もういい加減にしろよ…全くキュウは変態だから…」
「ご、ご主人様ぁ。変態って罵った上に、いきなり〇にいれるのだなんて、ひどぉぃ☆」
キュウの〇は喜んでそれをくわえ込み、淫らな音を奏で始めた。
……
スパーン
僕はキュウの頭を殴った。
「ほとんどエロ本じゃないか!」
「だって、先輩だって、ノリノリだったじゃないですか?」
「最初は普通だったから、油断したよ!」
「もう少しで、キュウの〇、触ってくれそうだったのに!」
「女の子がそんな事言っちゃ駄目!」
「ケチ! 先輩のケチ!」
「危うく、キュウの〇に触るとこだった」
……
「キュウは別にいいんですよ?」
「バッカ!? お前何言ってんの?」
「馬鹿は先輩です! キスはしちゃったじゃないですか!?」
忘れてた。さっき、ノリでしちゃった。かなり濃厚なヤツ。
「あれはツイのりで、そんなに意味は……」
キュウは泣いていた。
「キュウ?」
「先輩の馬-----------鹿!?」
キュウは行ってしまった。今日のキュウはいつものキュウと違った。いつもみたいにウザくないし、凄く淫らな女の子になってた。危うく、最後まで行きそうになった。キュウは一体何を考えているのだろうか? キュウの唇…柔らかった。勢いでつい…そんな事を想い、ロッカーを開けた。
……
いつもの様にユキがロッカーの中に全裸で女の子座りで、座っていた。
こんなに長い間、待ってたのね? 余程ゾクゾクしたんだね? そんな嬉しそうな顔で見ないで!!
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