戦争と戦争の間9
柱島には、後3日位で到着するだろう。柱島についたら、レイとデートをしよう。約束したんだ。僕は約束通り、丘に戻ったら、レイとデートするつもりだった。多分、それ位の時間的余裕はある筈だ。到着したら、補給の段取りをして、速攻デートだ。そう思って又、今日も祥鳳の指揮が待っている。正直、僕より海老名中尉の負担が大きい。僕のやる事はあまりないのだ。この船は海老名中尉と平塚少尉の二人だけで操艦してもらっている。そのくせ24時間航行で、トラック島より広島県の柱島を目指している訳だ。ブラックだな…そんな事を想い、ロッカーを開けて、着替えようとした。
「――――――~~~~ッ!!!!」
また、ビックリした。ユキだ。ユキは全裸で僕のロッカーに潜んでいた。何時発見されるかわからないという緊張の中、発見された時の喜びの為に、又今日も潜んでいる。変態だね、
ユキ…全裸でそんな変態な行為をして、そんなに素敵な笑顔しないでよ…
ユキはあれ程止めてと言った、ロッカーに全裸で潜むという変態行為を止めてくれなかった。全裸の美少女を見て、理性を抑えるのはかなりの努力が必要だ。しかも、部屋の鍵は都度回収するが、ユキはとんでもない処に鍵を隠しているのだ。都度鼻血が出そうになる。そんな事が恒例化してきた。これもキュウが合い鍵を大量に用意したのが悪い!
そして、今日も艦橋で、勤務して自室に戻るとキュウがいた。また性懲りもなく僕の部屋に遊びに来ているのだ。
「ふふ~ん、ふ~ん。せんぱ~いは~へ・ん・た・い・~」
「変態はキュウだよね?」
僕は怒りのあまりに言ってしまった。そうなんだ。変態はどちらかと言うとキュウの方だ。僕はノーマルだからね? キュウみたいにお尻を叩いてもらって涎を垂らす様な女の子に言われたくない! キュウはドMなのだ。
「先輩、酷すぎません? キュウも女の子なんですよ?」
「お前は女の子にカウントしてないんだ。僕は!」
「そうなんですか? こんな可愛い女の子を? 後悔しますよ?」
ホント、こいつウザいな? でも、とにかく、合い鍵はできるだけ回収しよう。最近キュウとユキの鍵を回収する事で大変だ。都度都度変態行為をするキュウとユキを阻止する為、鍵を回収しているのだが、二人共、ちょっと困った事を必ずするのだ。
「キュウ、合い鍵返せよ!」
「いいですよ。好きなように持って行ってください」
そう言って、挑戦的な笑みを浮かべる。僕は大体察しがついた。キュウはうつ伏せで本を読んでいたが、仰向けに寝がえりをうった。いつもの様にたわわな果実がメロンの様に動くが、こいつに女等感じたら、散々ウザ絡みされる。無視だ。だが、目に入ってしまった。キュウのスカートから赤いヒモが伸びている。
「お前、スカートの中に鍵を隠したな?」
「さあ、どうでしょう? 調べていいですよ? キュウは訴えたりしませんよ。でも、チキンの先輩にできます?」
カチンと来た。こいつ、散々人を馬鹿にして、エロい身体を使って、僕を翻弄しようだなんて、とんでもない。ここは大人の怖さを教えてあげないとね。
「キュウ、スカートずり上げるからな」
僕はキュウのスカートをたくしあげた。キュウは抵抗しなかった。キュウと目が合う。キュウは知らん顔だ。スカートめくられているのに…
「よいしょっと」
キュウはそういうと、脚をひらいた。M字状に…
「えっ?」
僕は動揺した。スカートをめくった訳だから、当然パンツは丸見えだ。それは想定内だ。だが、キュウのパンツ位で動揺しない自信はあった。でも、キュウは脚を開いて、ドエロいポーズになった。いわゆるM字開脚だ。
「先輩、鍵取りやすい様にお手伝いです。キュウは優しいな」
と言って、二へらと笑う。これはキュウの挑戦だ。受けてやろう。僕は1mmもキュウに動じる事無く、鍵を回収しよう。鍵はあった。糞! ショーツのまたがみに挟まってやがる。僕はキュウのショーツに挟まった鍵に手を伸ばすと、
「――――――~~~~ッ!!!!」
キュウは突然、脚を閉じた。キュウの太ももの心地良い感触が伝わる。柔らかい…キュウの太ももってこんなに柔らかいんだ。それに暖かい。
「ごくり…」
しまった。僕は思わず生唾を飲み込んでしまった。
「あららららら~ら? 先輩、キュウに女を感じちゃいましたよね? 言ってください? キュウの太ももが気持ちいいって?」
負けてたまるか! そんな気持ちしか湧かなかった。僕は慌ててキュウの太ももに挟まれた手をもぞもぞ動かしてキュウのショーツに挟まった鍵を探す。キュウのショーツにも触れてしまう。ヤバい、流石に興奮度がMAXになりそうだ。太ももの気持ち良さと合わせて、ちょっと、ヤバい。だが、何とか鍵を回収した。
「も~、先輩のバ~カ!?」
珍しく、キュウが怒る。キュウは自分から仕掛けたからか、こういう時、いつも怒らない。
「自分でピンチ作っておいてなんだよ。僕はキュウに女を感じる事無く、鍵を回収したんだからな!」
「それ、キュウ、傷つくんですけど?」
「じゃ、最初からこんな事しなきゃいいだろ?」
「それはそうでした、ペシ、ペシッ」
キュウは自分の頭を叩いてそういった。何なんだ、こいつはホントに…だが、僕は一つ、キュウに頼みがあった。キュウにしか相談できない事だ。ユキとはコミュニケーション事態が成立しないから、物理的な意味で女のこいつにだけしか相談できない。レイの事だから、当然、レイには相談できない。
「なあ、ちょっと、相談にのってくれないか?」
「何です? 先輩?」
「もうじき、レイの誕生日なんだ。女の子って何を贈られたら嬉しいんだ?」
「あの、レイ先輩だけでなく、キュウの誕生日ももうじきなんですけど?」
「それがどうした?」
「あら~☆ 冷たい返し☆ キュウ大ショック」
「いや、日ごろの行いだろ?」
「じゃあ、先輩に協力したら、キュウにも誕生日プレゼントくれます?」
「考えておこう」
これはホントだ。キュウはウザいけど可愛い後輩…僕はキュウの先輩じゃないよね? なんで、キュウは僕の事いつも先輩って呼ぶのだろう? キュウは生まれて来た時からそう言ってきた。設定かな? あの女神様の性格を考えるとそうかもしれない。擬人化兵器が全員変態なのも、絶対女神様が原因に違いない。
「じゃあ、レイ先輩が一番欲しいものを教えてあげます」
「何なの? レイの一番欲しいものって?」
「レイ先輩はね。犯されながら首を絞められて、死ぬ直前まで行って、涙と排泄物を垂れ流しながら、死ぬ直前を楽しみたいんですよ」
うわ~凄い変態来た~。無理だからね? 僕には絶対無理。相手がキュウでも無理。女の子の首絞めるって、あり得ないでしょ? ましてや死ぬ直前って何?
「いや、無理だから!」
「やっぱりですか? レイ先輩も、殺しても構わない気持ちじゃないとできないから、先輩にはできないんじゃないかって、言ってました」
そりゃそうだよね? 一歩間違えたら、死んじゃうもんね。いや違う!
「違ーう! 女の子にそんな事できるか! それ、暴力! しかも死んじゃうヤツ!?」
「じゃ、次善策ありますよ」
キュウは二へらと笑って言った。これ、絶対ヤバいフラグだよね?
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