表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

episode.2

「っ…!!」


少女は急いでフードを被り、その場から走り去ってしまった。


「あっ……!!」


エリオットの伸ばした手は、空を切る。


「……」


それから城に戻ったエリオットはどこか上の空だった。


彼女のことが頭から離れないのだ。


とても、とても美しい竜族の少女。


薄紫色の長い髪。翡翠の瞳。


そして、黒曜石のような角が印象的だった。


「(……どうすれば、もう一度会えるだろうか…)」


考えを巡らすが、どうにも方法は見えてこない。


それもそうだ。一目会っただけなのだから。


「……はぁ…」


エリオットは深いため息をついた。



後日。


第二王子の兄、アレンがエリオットにこう伝えた。


「エリオット!

喜べ。ついに竜族の国との交流の兆しが見えてきたぞ。」


「本当ですか、兄上!」


「あぁ。

何でも、我が国の者が竜族の姫君を助けたらしい。

是非礼をしたいとのことだ。」


「竜族の姫君…」


「そこで、父上はお前を共に姫君に会わせると言っている。

もちろん、お会いするだろう?」


「はい。そのお話、お受けします。」


「そうか!

では父上に報告しておく。

もしかしたら姫君と婚姻を結べるかもしれないぞ?」


「はは…ご冗談を。」


第四王子であるエリオットには、まだ婚約者はいない。


兄と父は、ここで姫君と婚姻を結べと言っているのだろう。


だがエリオットは、どうにもあの少女が気になっていた。


「(未熟者だな、俺…)」


エリオットの「あの少女に会いたい」という願いは、この後思わぬ形で叶うことになるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ