第十七話 苦労する者
神楽坂side
ガチャ
ん?やっと来たのか?六番隊は。いつも遅刻って
明島さん言ってたけど…
ガチャ
あ、閉まった。そういや、紫月もついてきてんのかな。あの臆田っていう悪魔と。
「おい!六番隊!遅刻だぞ!」
大琥さんが声を張り上げる。怖すぎる。
こっから、俺だったら出ていく気になれない。
ガチャ
あ。入ってきた。って、バッジつけてるの、、、
紫月か?何の間違いだ?あれは、隊長が付けるバッジだぞ!!
「何故遅れた?」
大琥さんが六番隊に問う。
「少々揉めてしまって。」
「で?何故君はそのバッジを付けているのかな?」
大琥さんが紫月に聞いた。
そうだよ!何でお前がつけてるんだ!
「申し遅れました。僕は六番隊副隊長、臆田 総司です。」
脇にいたうちの1人が話した。あれって、、
《 悪魔の臆田 》六番隊の隊長だったはず!
何故、副隊長だなんて名乗るんだよ。
「同じく、六番隊隊員 田中 淳」
あれは、《 狂人 》の田中じゃないか!
「「そして!」」
「俺は、この度六番隊隊長に就任した。
赤島 紫月と申します。」
ま、まじかよ、、どんな出世だよ!!
てか、早すぎだろ!出世すんの!
「ほう。お前がか。隊長?くっくっくっ似合わねー」
大琥さんが笑い始めた。
「何を言うんですか?シズ隊長は…」
シズ隊長!?!?
「ちょ、ここでその呼び方はやめてくださいっ」
あ、デレた。紫月がデレた。
「まぁ、いいや。はい!その六番隊!報告!」
「はい。我らがシズ隊長は、人間性、技術力、判断力、信頼性。すべてにおいて一瞬で団員たちを認めさせました。それは、もう見事で。今ここで誰かがシズ隊長の事を馬鹿にした場合は、勝てなくとも、六番隊一同、そいつをぶっ殺しに行きますので。まぁ、そんな人、ここにいるとは信じたくないですけどねぇ。シズ隊長?」
「だから、止めてってば。。。」
あ、いじられてる。
こう見ると、紫月は、年相応だよなぁ。
そうやって、着々と話は進み、会議も終了。
紫月が、帰ろうとドアを開ける。
そこには、深紅のケープを羽織った、六番隊隊員の姿。それも、多分全員。
「待ってたぜ〜、シズ隊長!」
「遅いから、心配したんだぞ。昼飯出来たのに冷めちまう。」
「大丈夫…だった?…シズ…隊長」
「早く帰りましょ、ほら」
「シズ隊長…早く帰らなければ…」
「何してるんすか…もう…」
あ、紫月。とうとう、しゃがみこんじゃったよ
「おい!誰かなんかしたのか!俺らの紫月に!」
「な、何もしてないってば。ほら、ね?帰ろ」
「あ、失礼しました。」
紫月は、頭を下げて出ていった。
「おい!見たか!錦!お前、同期だろ!
あいつ、愛されてるよなぁ。隊員に。俺もそうなりてぇー」
うちの隊長は、明島 悟。一応、SSランクらしいが。顔もイカついし。でも、中身はへなちょこである。精神が弱いのだ。
はぁ、隊長は隊長でも大違いだな。
紫月。お前も頑張れよ!