第十六話 悪魔と狂人
「あの、紫月く…シズ隊長。悪いけどね。今から、各隊長会議があるんだ。悪いけど僕と一緒に来てくれる?」
「お、俺も行くぜ!!シズ隊長!」
隊ちょ…臆田さんと田中さんが俺に言う。
「べ、別にいいんですけど…俺なんかが行っていいんですかね?なんにも分かんないっす。」
「大丈夫。今回は、シズ隊長達。
つまり、新入りハンターがどんな人かを情報共有するだけだし。もし、他の話題がでたら、僕がカバーするよ。我らが隊長さん?」
た、楽しんでる。俺の反応を見て楽しんでる。
実は優しそうに見えて、小悪魔なんじゃ?
いや、そんなことは置いといて。
今は午前10時。
ほとんどのハンターが討伐を終え協会本部に居る。目立たないといいんだけど…
「じゃあ!行ってこい!我らがシズ隊長!」
「は、はーい行ってきます。」
まだ、慣れない呼び名。慣れてくるかぁそのうち
何故か、上に行くのは専用のエレベーターがある。もちろん出口は物置きだが…下行きのエレベーターもつくったらいいのに…
臆田さんと田中さん、2人と共に物置きを出て協会本部に入っていく。中では、ハンター達が入閣試験の時とは比べ物にならないほど、居た。
「おい、あれだよ。最年少入閣者。って、六番
隊!?しかも、隊長格のバッジ!?どういうことだ。」
「し、知らねーよ。でも横に居んの、《悪魔の臆田》だろ!あともう1人は、《狂人》の田中だろ!マジであいつが隊長なんじゃねーの。」
「おい、あれ。マジかよ…」
「まだ13だぞ。」
「実力あんのか?本当に」
「あいつら…俺達のシズ隊長を愚弄しやがって」
「本当ですよ。隊長の実力を疑うなんて、ねぇ?」
あ、ヤバい。今にも怒鳴りそうだこの2人。
「ち、ちょっと落ち着い…」
「おい!!!お前ら!俺らのシズ隊長を愚弄すんじゃねぇ!シズ隊長は!今さっきタイマンで暁さんと臆田さんをやったんだ!!疑うんじゃねぇ」
「本当に…これ以上、シズ隊長に文句があればかかってきてくださいねっ。我ら六番隊が全力でぶちのめしますから。」
あぁ、言っちゃった。。。。だから、言ったのに。
「ちょっと、2人とも!これ以上止めてっ、嬉しいけど恥ずかしいっ」
「「そんなことないって(です)。早く行きましょうシズ隊長!」」
「はいはい。分かったら。」
「うわ〜、すげぇあの隊長。あいつらを黙らしたぞ。まだ13なのに。」
「え!まだ中坊じゃねぇか!」
「さすがだな。」
と、紫月は英雄という噂が流れるのに時間はかからなかった。
「こ、ここですか。臆田さん」
「はい。ここです。会議室」
「う、」
「今更、何ビビってんだシズ隊長!ほら、入れ」
「ちょ、押さないでくださっいって」
ガチャ