キミが、好きだよ
キミと出会って
キミに恋をして
想いを伝えて、通じ合って
私はたくさんのことを知りました。
それは綺麗なものばかりじゃなくて
醜いものも混じってた
一年生の時同じクラスだった私達は
二年生になって別れちゃったね
残念だったけど
キミとなら大丈夫って思った
キミが好きだって言ってくれて
それだけで幸せだったから
明るくてカッコよくて優しいキミは、
新しいクラスでもたくさんの友達を作って
人の輪の中で笑っていた
私の知らない子と話していた時
胸がギュってなった
〝嫌だな〟って思ったけど
〝私と一緒にいてほしい〟って思ったけど
言わなかった…言えなかった。
帰り道はいつも二人で手をつないで帰る
嬉しいはずなのに、
キミのその明るい笑顔で話す姿が大好きなはずなのに
胸が、苦しかった。
だからね…
「ねぇ…理玖。私達、別れよう?」
思い切って言っちゃった。
そしたらキミは
「なんで」
って…
そりゃそうだよね
いきなり別れを告げられたら驚くに決まってる
ううん、私ならとっても辛いし苦しい
けど…
「理玖、私ね、二年生になって、理玖とクラスが離れて不安だったんだ。」
そう、不安だったの。
気づいて欲しかったの
「でも、キミとなら大丈夫だって思ったんだ。だけどね…」
苦しい。
苦しいよ。
「キミが他の子と話す姿を見ていて、辛かった。こんな、自分勝手通るわけないってわかってるんだけど…」
だけど、それでも
「キミが好きだから、大好きだから…苦しかった。こんな風に思っている私が嫌だった。だから、もう…」
「言うな」
キミは私の言葉を遮って言った。
「悠梨、ごめん。」
「え…?」
謝られるってことは、 もしかして、他の子が好きだったのに私に嫌々付き合ってくれてたってこと?
そうなの…?
「俺、全然何も考えてなかった。優梨とずっと一緒に居られるってすっごい能天気に思ってた。だから、ごめん。優梨のこと不安にさせないって決めたのに、不安にさせた。でも、これだけは知っていて。」
キミの口から紡がれる言葉は私の知らないキミの心の中で
そんなふうに思っていてくれたことに
驚いた。
それと同時に、やっぱり嬉しいと感じている私がいて
私がそう思っている前でキミは言葉を紡いでいく。
「これだけは、知っていて。俺は、優梨のこと好きだよ。ずっと好きだよ。だから、別れるなんて、言わないで…」
〝好き〟
その言葉は女の子を強くさせる。
自分勝手なことを言って困らせたはずの私に
甘い甘い言葉をくれたキミは私の前で
いつもの明るい表情はどこに言ったのかと思うほど
悲しそうな顔をして立っていた。
つう、と涙が頬を伝わる
「もう、しょうがないなぁ…。」
「優梨?」
やっぱり、キミが好きだ。
自分から別れようって言ったくせに
何言ってるんだって言われるかもしれないけど
キミが好きだ
このまま別れていたらきっと後悔した。
キミが、そう言ってくれて嬉しかった
ありがとう
こんな自分勝手な私に言葉をくれてありがとう
「じゃ、次、不安にさせたら、許さないよ?」
私が言うと、キミは、
「当たり前。優梨は俺が守る。」
そうやってニカって笑ったキミのその笑顔は
私の大好きな明るい笑顔でした。
手を繋いで夕陽で真っ赤な空の下
私たちはゆっくりと帰り道を辿っていた。
繋いだ手から伝わる温もりが
キミがここにいることを教えてくれる。
そんな些細なことがどうしようもなく嬉しかった。
だから…
「キミが、好きだよ。」
「ん?何か言った?」
「ううん、なんでも!」
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