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シナリオ課題4〈背信〉

シナリオ課題4〈背信〉です。

投稿がいつの間にか2ヶ月ぶりに……

〈題名〉

 特別の境界線



〈人物〉


 佐伯翔吾(25)  会社員

 芥原千夏(18) 大学一回生

 高良優(25) 佐伯の同僚

萩田透(21) 千夏の部活の先輩

 皆坂美雨(19)千夏の友達

 篠田沙梅(21) 千夏の部活の先輩

 雲井晴人(20) 千夏の部活の先輩



〈本文〉


①マンション外観(夕)

   五階建てのマンション。

   近くには木が何本か埋まっており、そ

   のうちの数本に桜の花が咲いている。


②同・佐伯家・3DK(夕)

   ピンポーンと室内にインターホンの音

   が鳴りひびく。

   佐伯翔吾(25)は玄関へと向かい、扉

   を開ける。

   芥原千夏(18)が大きなキャリーケースを持って立っている。

千夏「翔吾くん、久しぶり!」

   千夏、佐伯に満面の笑みを向ける。


③同・佐伯家・3DK(夕)

   佐伯、千夏に部屋の説明をしながら、

   一室の前で立ち止まる。

佐伯「――で、ここが今日からお前の部屋な」

   佐伯、部屋の扉を開け、千夏が中へと

   入っていく。

   ☓  ☓  ☓

   白と紺色を基調としたカーテンや家具。

   部屋の中に入ってきて、中を見渡す千

   夏。

千夏「これ……。翔吾くんが全部準備してく

 れたの?」

佐伯「入学祝い。現金じゃなくて悪いけどな」

千夏「悪くなんてない! 好きな色、覚えて

 くれてたんだね。これから4年間、ここが

 私の部屋――」

   千夏、佐伯へと向き直り、

千夏「改めて、今日から大学卒業するまで、

 お世話になります!!」

   千夏、佐伯へはにかむ。


④高層ビル・13階・喫煙室

   佐伯がタバコを吸いながら窓の外を見

   ている。

   喫煙室に高良優(25)が入ってくる。

   高良、佐伯の側へ来てタバコに火をつ

   ける。

高良「タバコ吸ってんの久々だよな? 彼女

 でもできたか?」

佐伯「そんなんじゃねぇよ。幼馴染が家に住

 むことになって……」

高良「同居! お前、俺を差し置いて!」

   佐伯、呆れたようにため息を付いて、

佐伯「話す相手間違えた……」

高良「俺とお前の中だろ。で、どこまで行っ

 たんだ?」

佐伯「相手は大学入学したばっかの子だぞ。

 ありえない」

高良「翔吾ってロリ……」

   佐伯、高良にデコピンする。

   高良、額をおさえて、

高良「いっ……!?」

佐伯「幼馴染のおばさんから直々に頼まれて

 んだよ。都会で一人暮らしなんて絶対にさ

 せられないってな」

高良「親公認――」

   佐伯、高良のお腹に軽く拳を入れる。

高良「ぐふぅ……」

佐伯「そもそも、俺にとっては妹みたいなも

 んだから。絶対にないわ」

   佐伯、タバコの火を消し、喫煙室を出

   ていく。

   高良、佐伯の様子を見届けてから、

高良「妹みたい……ね――」

   高良、タバコの火を消し、佐伯の跡を

   追うように喫煙室を出ていく。


⑤マンション外観(夜)

   五階建てのマンション。

   建物の近くの木々の葉が少し紅葉し始

   めている。


⑥同・佐伯家・3DK(夜)

   テーブルに夕食を並べている佐伯。

   リビングに千夏が入ってくる。

千夏「たっだいま~!」

佐伯「おかえり。もうすぐ食べれるから荷物

 置いてさっさと来いよ!」

千夏「やった! 了解!」

   千夏、自室に荷物を置きに向かう。

   ☓  ☓  ☓

   テーブルに向かい合って座り、夕飯を

   食べている佐伯と千夏。

佐伯「今日大口の仕事が入ってさ、当分は帰

 り遅くなると思う」

千夏「了解! 夕飯は任せてくれていいよ!」

佐伯「カレー以外で頼むな」

千夏「なっ……。得意料理を封印されたら、

 私は何を作ればいいの!?」

佐伯「得意料理じゃなくて、カレーしか作れ

 ないの間違いだろ」

千夏「むぅ……。卵かけご飯やラーメンくら

 いならできるもん」

   千夏、頬を膨らまし、佐伯をじーっと

   見る。

佐伯「そんなことばっかだから、おばさん達

 も心配でひとり暮らしさせれないんだろ」

千夏「すぐそういう事言う……。(小声で)

 お母さんみたい」

佐伯「聞こえてるぞ。俺はお前の母さんじゃ

 ない」

千夏「わかってるもん。」

   千夏、おかずを口に頬張る。もぐもぐ

   しながら、突然ハッとした様子で、

千夏「――あっ! 私もそろそろ文化祭の準

 備とかがあるみたいで、帰り遅くなる日も

 あるみたい。だから、夕飯は無理に作らな

 くて大丈夫だからね!」

佐伯「さっきの任せて発言はどこに消えたん

 だ……」

   佐伯、大きくため息をついて、ぐいっ

   とお茶を飲む。


⑦高瀬駅・外観(夜)

   行き交う人々。

   駅構内から佐伯が出てくる。

   何の気なしに周りを見ながら歩いてい

   た佐伯、バスのロータリー奥に視線を

   止めて立ち止まる。

   佐伯の視線の先には、千夏と萩田透(

   21)、皆坂美雨(19)、篠田沙梅(21)

  、雲井晴人(20)が大きな荷物をいくつ

   も持って話している。

佐伯「あいつ、こんな時間まで……」

   佐伯、千夏の方へと歩きかけて立ち止

   まり、

佐伯「いや、あいつももう大学生なんだし…

 …。連絡だけでも入れとくか……」

   佐伯、携帯を取り出し、家の方へと歩

   いていく。

   後ろから走ってくる音が聞こえ、後ろ

   を振り向く佐伯。

千夏「追いついたー!」

佐伯「千夏? 良かったのか?」

千夏「うん、家がこの辺だって行ったら、時

 間的に先に帰っていいって!」

   千夏、振り返り、萩田、美雨、沙梅、

   雲井のいる方へ大きく手を振る。

   手を振り返す、美雨、沙梅、雲井。

   萩田、佐伯を睨んでいる。

千夏「じゃあ、帰ろっか!」

佐伯「あぁ……」

   家へと歩き出す佐伯と千夏。


⑧マンション・佐伯家・3DK(夜)

   リビングに入ってくる佐伯と千夏。

   荷物をテーブルへ置きながら、

佐伯「さっきいた中で、一番背が高かったや

 つって……」

千夏「ん? 萩田先輩のことかな……?」

佐伯「その萩田ってやつは千夏と……?」

   千夏、ぷはっと笑って、

千夏「ただの部活の先輩だよ。よく話しかけ

 てくれるんだ~。 あっ、部屋に荷物おい

 てくるね」

佐伯「あぁ……」

   千夏、パタパタと自室へと消えていく。

   佐伯、自身の胸に手を当て、首をかし

   げる。

佐伯「まさかな――」


⑨高瀬駅・外(夜)

   まばらに行き交う人々。駅から出てく

   る佐伯。携帯を取り出しながら、

佐伯「あいつも、もうそろそろ着くって書い

 てたな……」

   佐伯、あたりを見渡す。

   千夏が萩田と駅から出てくる。

佐伯「千な――」

   佐伯、言いかけて呆然と立ち尽くす。

   佐伯の視線の先では、萩田に抱きしめ

   られ、ぎこちなくも抵抗しない千夏。

   萩田、佐伯へ視線を向け勝ち誇ったよ

   うにニヤリと笑う。


⑩マンション・佐伯家(夜)

   床に荷物を放り投げソファーへ突伏す

   る佐伯。

   千夏が帰ってきてリビングへと入って

   くる。

千夏「同じくらいの時間だったんだし駅で待

 ってくれたら良かったのに……」

佐伯「――っ!」

   佐伯、無言で立ち上がり千夏へと詰め

   寄る。

   千夏、困惑しながらも心配そうに佐伯

   の顔を覗き込もうとする。

千夏「……翔吾くん?」

   佐伯、千夏へ無理やり口づけをする。

千夏「――?!」

   千夏、驚いて佐伯を突き飛ばし自室へ

   と走っていく。

   佐伯、よろめきながら床に座り込み、

佐伯「俺、なんで――」

   佐伯、千夏の自室の方を呆然と見る。



―Fine―


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!



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