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シナリオ課題2〈魅力ある女〉

シナリオ課題2〈魅力ある女〉です。


ここでのシナリオは、映像作品にすることを念頭においてのシナリオとなることをご了承ください。


 〈題名〉

   とある雨の日



 〈人物〉

 榊朱音(31)カフェの店長

 巳剣隼人(28)カフェの従業員

 葉月美桜(24)カフェの客



〈本文〉


◯無人駅界隈・俯瞰

   雨がザーッと降っている。

   山あいにある線路を電車が走っていく。

   集落から少し離れた場所にある駅で停車し、一人の女性が電車から降りている。


◯無人駅・駅舎外

   木造で建てられた駅舎。そこから少し離れた場所に数件の建物。

   その内の一軒だけ明かりが灯っている。


◯カフェの中(朝)

   店内入口付近には雑貨屋ハーブなどの様々な商品が並べられ、その奥にはカフェスペースが設けられている。

   カウンターで突っ伏している榊朱音(31)。その側で、掃き掃除をしている巳剣隼人(28)。

   巳剣、朱音を見て、ため息をつく。

巳剣「……。朱音さん、だらけすぎです」

朱音「……」

   巳剣、朱音をじっと見る。

   朱音、突っ伏したまま動かない。

   巳剣、持っていたほうきの柄で朱音をつつき、

巳剣「あーかーねーさん!」

   朱音、なおも反応がない。

   巳剣、わざとらしくため息をつき、

巳剣「あぁ……。この間、アカネさんが言ってたお菓子、作ってきてたんですけどね……」

   巳剣、朱音を一瞥してから、

巳剣「この様子だと……朱音さんの分はいらな――」

   朱音、巳剣が言い終わる前に、勢いよく起き上がり、

朱音「ごめん! 起きてる。起きてるから! 私のお菓子!」

   巳剣、呆れた顔で、

巳剣「起きるのは当たり前ですよ……。店長なんですから、しっかりしてくださいよ」

朱音「仕方ないじゃない……」

   朱音、頬を膨らまして、

朱音「私だって、仕事したいわよ……。でも、こんな雨の日に、わざわざこんな辺鄙な場所に来る人なんていないじゃない――」

   朱音、再びカウンターに突伏する。

巳剣「その辺鄙な場所にお店を出した張本人が何言ってんですか!」

   巳剣、ほうきの柄で朱音の脇腹をひたすらつつく。

朱音「ひゃっ! やっ……やめて――」

   朱音、慌てておきて巳剣から距離を取る。

朱音「お客さんさえ来たら、仕事しっかりするんだし……。それまで休むくらい、いいじゃない!」

巳剣「ハーブティー入れる以外の仕事を従業員にほぼ丸投げな人が何言ってるんです?」

   巳剣、じとーっとした目で朱音を見る。

   朱音、視線をさ迷わし、近くのテーブルの陰にしゃがみ込む。

朱音「さすがに丸投げはしてないもん……」

巳剣「そんなとこにしゃがまれると掃除の邪魔です。ほら、退いてください」

   巳剣、朱音を立たそうとひっぱるが朱音、抵抗する。

   カランカランとドアベルが鳴り響く。

   朱音と巳剣、そのままの体勢で入り口の方を見る。

   店内に葉月美桜(24)が入ってくる。

   美桜、朱音と巳剣に視線をとめ、首を傾げる。

美桜「えっと……。お店やってますか?」

朱音「いっ……いらっしゃいませ!」

   朱音、急いで立ち上がり、美桜を席へと案内する。

   巳剣、店の奥へと姿を消す。

   美桜、朱音に促され席へつこうとするが、ふと自身の濡れた服や髪を見て考え込む。

   巳剣、ホールへに戻ってきて、美桜にタオルを差し出す。

巳剣「よければ、これ使ってください。そのままだと風引いちゃいますよ」

美桜「ありがとうございます」

   美桜、タオルを受け取り、髪や服をふく。

巳剣「それにしても、この辺にお客さんなんて珍しいです。ご旅行ですか?」

美桜「あっ……。えっと、友達と会う約束をしてたんですけど、降りる駅を寝過ごしてしまって……」

朱音「やっぱり、わざわざこんなとこまで来る人なんていないわよね~」

美桜「……ごめんなさい」

   美桜、気まずそうに下を向く。

巳剣「気にしないでくださいね。この人、普段からこんな感じなので」

朱音「こんな感じって何よ!」

   巳剣、朱音の様子を気にすることなく、

巳剣「ご友人との約束は大丈夫なんですか?この辺は電車の本数少ないですから困りますよね……」

   朱音、むーっとむくれて巳剣を見たあとカウンターの中へと入っていく。

   美桜、朱音と巳剣の様子にこんわくしながらも、

美桜「次の電車が来るまで1時間ちょっとかかるみたいです……。友達には電話しようとしたんですけど、電波がつながらなくて――」

巳剣「あ――。このあたり、電波悪いんですよ。店の電話、よかったら使ってください」

美桜「ありがとうございます! 電話、お借りしますね」

   美桜、電話の方へと小走りで向かう。

   ☓  ☓  ☓

   美桜、電話を切り、席に戻ってくる。

美桜「助かりました。無事、友達に電話ができました! ……あれ?」

   美桜、テーブルにお菓子がおいてあることに気がつく。

美桜「あの……これ……?」

   みお、朱音と巳剣の方を見る。

巳剣「ちょうど、お店で出すお菓子の試作品を作ってたので。せっかくですし、意見を聞かせていただければと思いまして」

   朱音、美桜の座っているテーブルにポットやカップを運んでくる。

朱音「せっかくだし、みんなでお茶にしましょ!ほら、巳剣くんも座って」

   朱音、手際よく三人分のハーブティーを入れていく。

美桜「そんな、紅茶まで……」

巳剣「このお店ではよくあることですよ」

朱音「たまたまあなたがこのお店に来たのもなにかのご縁ってね。ほら、冷めないうちにどうぞ」

   美桜、朱音からカップを受け取り、目を閉じてハーブティーの香りを楽しむ。

美桜「いい香り――。ミントと……柑橘系ですか?」

朱音「ほぼ正解!ペパーミント、オレンジ、レモングラスが入ってるの」

   美桜、ハーブティーを一口のみ、フニャリと笑う。

巳剣「朱音さんは、ハーブティーのことだけは一流ですからね。一口飲んだだけでも市販のものとは違うでしょう?」

   美桜、こくこくとうなずき、

美桜「爽やかでいて、ひだまりに包まれているような……。そんなふんわりとした暖かさが広がっていく感じがします!」

朱音「そう言ってもらえると、嬉しいわ」

巳剣「お菓子もどうぞ。ポルボロンっていうスペインの伝統菓子なんです。バニラ、チョコ、メープルの三種類作ってみました」

   朱音と美桜、ポルボロンを食べる。

美桜「クッキーみたいなのに、ほろほろと溶けていく食感で……おいしいです!」

朱音「ポルボロン。ポルボロン。ポルボ――ケフッ」

   美桜、朱音を不思議そうに見る。

巳剣「ポルボロンは別名幸せのお菓子とも言われているんですよ。口の中に入れてこぼさないようにポルボロンと三回唱えるんです」

朱音「で、上手く三回唱えられたら幸せになれるって言い伝えがあるのよ」

巳剣「朱音さんは上手く言えませんでしたけどね」

   朱音、巳剣をペシリとはたく。

朱音「せっかくだしやってみたら?」

美桜「え? 私なんて上手くできないですよ」

朱音「やってみないと、何事もどうなるかなんてわからないわよ」

   巳剣、美桜にポルボロンを一つ差し出す。

   美桜、受け取り、少し沈黙してからえいっと口の中へと放り込む。

美桜「……ポルボロン、ポルボロン……ポルボロン――」

朱音「ほら、言えたじゃない!これで旅行も楽しいものになるわね!」

   美桜、はっとして朱音の方を向く。

巳剣「そういえば、もうそろそろ駅へ向ったほうがいいかもしれませんね」

   美桜、店内にある時計を振り返る。

美桜「あ――時間!」

   慌てて荷物を持ち、財布を取り出す美桜。

朱音「お金はいらないわ。また、こっちの方に来ることがあったら、そのときに、ね?」

   美桜、朱音と巳剣に礼をし、

美桜「絶対、また来ます!」

   スッキリとした明るい表情でお店を出ていく美桜。

   朱音と巳剣、美桜を見送り、顔を見合わす。



―Fine―


最後まで読んでくださりありがとう御座います。


シナリオ課題2つ目は〈魅力ある女〉でした。


課題1つ目同様、「登場人物にどのように魅力をもたせるのか」を書く際に意識しなければいけなかったのですがまだまだなれず難しかったです……。


日々精進!がんばります!



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