番外編 ②
阿部さんが鎮守府に着任しました。
俺が鎮守府に赴任してきて早数ヶ月。
俺は、心身共に疲弊していた。
阿部さん「はぁ…最後に男にあったのはいつだろうか」
執務室で1人、大きなため息をつく。
俺は鎮守府で艦娘達と同棲生活を送っている。
1人の男に対して、多数の女性。
俗にいうハーレムってやつだ。
だが俺はそのハーレムとやらに辟易していた。
別に彼女達が嫌いって訳じゃない。
彼女達は多少くせが強すぎたりもするが基本的に素直でいい子達だ。
内面だけではなく、外見にしたって、美人や美少女が多い。
彼女達は兵器ではあるが、その前に1人の女性だ。
敵戦艦との戦いの合間、少しでも女らしさを磨こうと努力しているのか、とにかく皆美形だ。
素晴らしいハーレムだ。
もし俺が、嫉妬した男共に後ろから刺されたとしてもなんら不思議はあるまい。
しかし………。
しかし!幸か不幸か俺はガ○ホ○なんだ!!女に対してなんら性的魅力を感じないんだ!!
ちくしょう!!
男が…男が欲しい!!
なんで鎮守府には俺以外に1人も男がいないんだ!?
鎮守府の鎮は【自主規制】のチンじゃないのか!?
男が……
阿部「男が欲しいーーー!!!!!!」
俺が心からの叫びをあげた瞬間、執務室の扉が勢いよく開かれた。
金剛「うるさいデース!!」
阿部「金剛!」
金剛「提督の叫び声、廊下まで丸聞こえデース!」
赤城「廊下どころか食堂にまで聞こえましたよ」
阿部「赤城!」
金剛「いい加減提督は同性愛を卒業すべきデース。だから私とSEXするデース。私、提督みたいないい男になら抱かれてもいいデース。むしろ抱いて欲しいデース!」
阿部「すまんな金剛、気持ちは嬉しいが俺は女に性的魅力を感じないんだ」
夕立「あんたら朝っぱらから何言ってんの?そういうのやめてほしいっぽい」
阿部「朝勃ち」夕立「違うっぽい!」
夕立「どんだけ男の事ばっか考えてるの?それってそこまで必要な事じゃ無さそうっぽい」
阿部「分かってないな。朝…じゃ無かった、夕立。いいか?人間ってのは寝なければ死んでしまうだろう?食べなくても死んでしまう、睡眠欲と食欲、そして、それらと同等のモノとも言える性欲。自分で言うのもなんだがお前らはいい男である俺をオカズにして性欲に困る事は無いだろう。しかしだ、皆もしっての通り俺はガ○○モだ。そんな俺が女だらけの鎮守府で三大欲求の内の1つを満たせず職務に励む日々、想像に難くないだろう?考えまいと思っても、俺がどうしても男に飢えてしまう事は当然と言えるだろう」
赤城「性欲とは違うけど言ってることは分かります!私も一日でご飯100杯は食べないとどうしても空腹に耐えられませんもの!」
阿部・金剛・夕立「いやお前は食い過ぎだ」
霧島「皆さん、お喋りも構いませんがそろそろ職務の時間かと」
阿部「ん?おぉ、そろそろそんな時間か。さて!仕事を始めるか!いい男ってのは仕事とプライベートはキッチリ分けるものさ」
金剛「今日は私達は何すればいいデスかー?」
阿部「うむ、ちょっとだけ待っててくれないか?その前に、今日はまず建造をしようかと思ってな」
俺は執務室から移動し、ドックにつくなり建造を始める。
阿部「燃料と弾薬と鋼材は100で、ボーキサイトは999。これでよし」
霧島「いや全然仕事とプライベート分けれてないじゃないですか。ボーキサイトの語感が好きだからって大量に投入しているだけでしょう。一文字弄ったらアレな感じになっちゃいますしね」
阿部「うお!?霧島付いて来てたのか!?」
霧島「まぁ、あまりとやかく言うつもりはないですけど…頼みますよ。本当」
阿部「す、すまん、なるべく気をつけるよ」
話しこんでるうちに建造が終わったようだ、俺の目の前に現れたのは、全身が逞しい筋肉に覆われたムキムキの男。
これは最早、艦娘というより、漢娘!
勃田「勃田だ!よろしく頼む!」
阿部「ついにこの鎮守府にも男が!やった!俺の夢が叶った、叶ったんだぁ!」
と…く……
い…とく……
ていとく…
起きてください提督。
提督、提督!
阿部「はっ!?」
阿部は驚いた様子で辺りを見回す。
辺りには木造が主体の壁や床が広がっており、小綺麗に整理された机の上に自分の両肘が乗っかっていた。
不知火「そろそろ仕事を始めてください」
阿部が呆けた、と、言うよりは、まるで死んだような目で虚空を眺める。
不知火「なんですかその顔は、不知火に落ち度でも?」
阿部「いや…なんでもない…」
阿部『は…ハハハ…そうか……夢か』
義仙「って小説書いたんだけどどうかな!?」
ヨキ「死ね」
〜完〜