番外編
勇次郎「くだらんッッ!架空のキャラクターを操り、非現実の中で作り物の達成感に酔いしれるゲームなど所詮…」
刃牙「オヤジィ、人の話は最後まで聞かなきゃ。俺だってありきたりなただのゲームを範馬勇次郎に進めようとは思わないさ。スマブラってゆーのはさぁ、格闘ゲームなんだぜ?」
勇次郎「ッッ!!」
刃牙「それもただの格闘ゲームじゃない。タイマン乱闘チーム戦おきらくリンチ無差別級アイテム使用可なんでもありの格闘…」勇次郎「御託はいい。早く始めろ。スマブラとやらを」
刃牙「はいはい…今電源を入れるよ」
テーレレレーテレレレレー(BGM)
刃牙「ゲームモードはネット対戦にしようか」
勇次郎「ゲームモード…ネット対戦…??」
刃牙「ネットを通じて全国の人と対戦するモードさ。CPUと戦うのも悪くないけど、どうせなら対人戦の方が熱い駆け引きを楽しめる。よし、オヤジの使用するキャラクターを選ぼうか」
勇次郎「この赤い帽子を被ったヒゲはなんだ?」
刃牙「それはマリオさ。ミスタービデオゲームと呼ばれ、スマブラでも代表的なキャラクターだ。オヤジも名前くらいは聞いたことがあるだろ?」
勇次郎「フンッ…まぁな…」
刃牙「マリオはバランスの取れたオールラウンダーだ。ほとんどの技が素直な性能で初心者にも使いやすい。初めてならとりあえずはマリオを選ぶ事をオススメするよ」
勇次郎「この刃物を持った緑の男は何者だ」
刃牙「リンクだね。スピードはやや遅めだが多彩な遠距離や中距離用の飛び道具を持ち、ダメージの溜まった相手に強烈な一撃を叩き込むキャラだ。使いづらいけど慣れれば強いぜ」
勇次郎「なんだこのピンクボールは!?そもそもこいつは生き物なのか!?」
刃牙「それはカービィだ。空中戦が得意で相手の能力をコピーする吸い込みが面白いけど、体が軽くて吹っ飛ばされやすいし、パワーも弱いから俺的にはオススメできないかな」
勇次郎「チッ!キャラが多すぎるッ!どれを選べばいいか分からねェじゃねぇか…ん?このキャラは…」
刃牙「ああ、それはガノンドロフ。全キャラでも随一の攻撃力を誇るパワーファイターさ。でもそのキャラは…」
ティローン がのんどー
刃牙「〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!」
勇次郎「ククク…どうした?分かりやすく驚いた顔しやがって…」
刃牙「待てオヤジッ!!ガノンドロフはッッ!!」
勇次郎「パワーキャラを選んで何が悪い?力みなくして解放のカタルシスは有りえねぇ」
刃牙「いやでもッ……はぁ…実践した方が話しが早いか」
スリーツゥーワン、レディーゴォー!
ガノンドロフ「ア"ッア"ッ!むぅおぉ!むおぉ!オォ!ブワァァァァァァ!!!ア"ッ!おぉぉぉぉああぁぁぁぁ!!!むぅおぉ!オォ!ォォ!むぅおぉ!むぅおぉ!おおわあぁぁぁぁあああ!!!」
デレレレ〜ヨッシー!
勇次郎「ガァァァァァ!!!なんだこれは!?やられ放題じゃないかッッ!!!」
刃牙「だから止めようとしたのに…今のでわかっただろ?ガノンはパワーこそ最強クラスだけど、動きが遅いしコンボ耐性は低いし復帰力も弱い。実は重さもそこまで無いしね」
勇次郎「べらべらと訳の分からん事をッ!!そもそもパワーを持ち味にしたキャラがなぜあんなしょぼい攻撃で怯んだりするのだッッ!!!」
刃牙「いや…スマブラってそういうゲームだから…」
勇次郎「納得いかんッッ!!もう一戦だッ!!」
刃牙「やめとけオヤジ!ただの力持ちが勝てるほど甘い世界じゃない!スマブラで重要なのはスピードだ!復帰力だ!狡賢さだ!ガノンじゃあ戦えないんだ!」
勇次郎「ゲームとはいえ俺に戦いの講釈を垂れるつもりかキサマッッ!!!黙って見てろ青二才がッ!!今度こそガノンドロフで勝って……ぬぅ!?敵が消えているぞ!?」
刃牙「あぁ…相手がゲームを抜けたんだな…別の相手が来るまで待つしかないね」
勇次郎「……く…クックック……どうやら怖気付いたようだな…腑抜けが…」
刃牙『弱すぎて相手にされてない事は黙っていたほうがいいな…』
刃牙「お、次の相手が現れたぜ」
ティローン がのんどー
刃牙『〜〜〜〜ッ!!やっぱりそう来るか〜〜ッ!!』
勇次郎「エフエフエフ」
スリーツゥーワン、レディーゴォー!
デレレレーむらびとぉー!
勇次郎「ガアアアアア!!!なんだこのむらびととか言うクソキャラはッ!!!ちまちまちまちまと女の腐ったような嫌がらせみたいな戦い方ばかりしおってッッ!!!」
刃牙「仕方ないだろ。むらびとは真っ向勝負じゃあガノンに敵わないんだからそりゃ逃げ回りもするさ。それに、遠距離から攻めるのがむらびとのコンセプトなんだから」
勇次郎「黙れッッ!!さっきから敵の肩を持つような発言ばかりしやがってッ!!ガノンドロフを使う俺が悪いとでも言いたいのかッ!?」
刃牙「………はぁ〜……見損なったぜオヤジィ…」
勇次郎「ナニッ!?」
刃牙「たかがゲーム。されどゲームだ。これは戦いなんだぜ。敵が自分より早く動いたからどうだって言うんだ?敵が遠距離攻撃をしてきたからどうだって言うんだ?卑怯だなんだと言い訳してなかった事にするのかい?実戦じゃあ死んでるぜ。俺たちは健康志向のスポーツマンか?違うだろ?なんでもあり反則なしの日常を生きる武道家だろ?さっきから負けるたびに子供みたいに喚き散らしてみっともない事この上ないぜ」
勇次郎「刃牙…キサマ…」ゴゴゴゴゴゴ
刃牙『怖っっっえぇぇぇぇ!!!流石に言い過ぎたか…?』
勇次郎「フン…確かに貴様の言い分にも一理あるな…」
刃牙『よかった…なんとか通じたか…』
勇次郎「む…別の相手がやって来たか」
ティローン がのんどー
刃牙「ってまたガノンかよ!!」
スリーツゥーワン、レディーゴォー!
勇次郎「うおぉ!?なんだ!?敵のマリオが巨大化したぞ!?」
刃牙「ああ、これはアピールだ」
勇次郎「アピールだと!?」
刃牙「キャラクターの個性を象徴するような行動をとる遊び心みたいなコマンドさ。特に戦いに影響を及ぼすようなものはないさ。むしろアピール中は無防備だし、ぶっちゃけ無駄行動みたいなものさ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
刃牙「えっ!?」
勇次郎「雑魚が跳ね返りおって…俺を前にして進んで隙を晒すなんていい度胸してるじゃねぇか」ギワァ…
刃牙「いや、別にそんな怒るようなことじゃあ…」
ガノンドロフ「ぶふわぁぁぁ!!!」
ベレレベレレベレレ!!マリオ巨大化
勇次郎「撃墜後の空いた時間で遊びやがって!!!俺を虚仮にするつもりか!!!」
刃牙「だからそんな怒るようなことじゃあないって」
ガノンドロフ「ぶふわぁぁぁ!!!」
ベレレベレレベレレ!!マリオ巨大化
勇次郎「ケェェェェェ!!!」
刃牙「テーブルやぶくなよオヤジ。家を壊すつもりかい」
勇次郎「クソがッ!!!再戦だ!!!」
ガノンドロフ「ぶふわぁぁぁ!!!」
ベレレベレレベレレ!!マリオ巨大化
勇次郎「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
刃牙『変だな…このマリオ、アピールもそうだが…なぜガードをしないんだ?やたら目立ちたがるし攻撃をガードしない。まるでプロレスだ』
ガノンドロフ「ぶふわぁぁぁ!!!」
ベレレベレレベレレ!!マリオ巨大化
勇次郎「クソッ!!!クソッ!!!」
刃牙『ん?プロレス?そうだよ!これ、まるっきりプロレスじゃん!』
ガノンドロフ「ぶふわぁぁぁ!!!」
ベレレベレレベレレ!!マリオ巨大化
勇次郎「グギギギギ!!」
刃牙『それに相手のアントンって名前…』
ガノンドロフ「ぶふわぁぁぁ!!!」
ベレレベレレベレレ!!マリオ巨大化
勇次郎「………………」
刃牙「この相手ってもしかして…アントニオ猪狩さん!?」
勇次郎「え」
刃牙「え」
勇次郎「……」
刃牙「……」
刃牙『……し…しまったあぁ〜〜〜〜〜ッッッ!!!』
勇次郎「……クックック……刃牙よ…たまには親子水入らずでプロレス道場に道場破りにいかねぇか?」
刃牙「(いきたく)ないです」
義仙「って小説書いたんだけどどうかな?」
ヨキ「これもうわかんねぇな」
完ッッッッッッッッッッ!!!!!