決勝戦開始。
決勝戦ー開始。
その声が鳴り響き、バトルが開始する。
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森の中で呆然と開始の合図がされた後でも立ち尽くしていた。
今回はメインジョブを幽霊とし、サブジョブに暗殺者、瞳力遣いにしている。
今回の敵は強者のみ。出し惜しみもできない。
周囲を見渡して、使えそうなものを探しながら策を巡らせていく。
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開始のバトルは・・・・・・
「やはり狙われたか優勝候補のムドー選手。幻影術師カルマ選手、双剣使いペー選手、魔法使いのレンジ選手。3選手に囲まれてしまっているぞ。」
『ムドー。貴方は強過ぎる。早々にここを退出願おう。』
『どこの奴も同じことを考えているから、楽で済むわ。』
そうムドーが言い放つ。その時、スキルが発動される。
独裁者のスキル。
【王の威圧】
このスキル発動時に自身を中心に20m以内に入るプレイヤーはスピード1/2になる。
そして更にスキル発動。
ムドーが1位に君臨するには、BOSSに対しても勝つことのできる強さである。装備もそうだがジョブ、そしてスキルがそれに向いているのである。
【必中】
銃使いの上位ジョブ。狙撃手(銃)のスキルである。
狙った場所に必ず当てることができる。
【四面楚歌】
敵との人数もしくは攻撃力が倍以上の時に発動可能。攻撃力を一時的に3倍にする。状況が変わると一時的に攻撃力を通常の1/2にし、スピードを1/2にする。
3つのスキルを発動させ、即座に攻撃をする。
レンジは危ないと思い、土壁を目の前に出現させる。
しかし、放つ前にロックオンされているため、土壁をすり抜けて直撃をする。
双剣使いのペーは交わすことなく、直撃をしてしまう。
幻影術師カルマは本体ではなく、幻影体であったため、直撃せずに済んでいた。
こりゃ勝てないな。そう思った幻影術師カルマは離脱する。
他の2人は、動けないでいた。
銃の弾丸に込められた力。それにより【凍結】状態にされてしまったのである。
カルマ選手、ペー選手は開始間もなく早々にリタイアしたのであった。
しかし、間髪を入れずに近づいていく男が1人。
『お前のこと分かっちゃいねぇやつはコレだから困るよな。そんな事するほど勝ち目がなくなるというのにな。』
『お前はやはりそこ狙いだろうが。バロン。お互いよく知っているからな。どうせあの3人に促したのはお前だろうよ。』
『そんな事もバレていたか。まぁ、ここまで来れれば十分だろうよ。あいつらも。お前を倒さないと優勝できないからな。』
そう言って、バロンは獣人と化してムドーをあっさり倒してしまったのである。
残り17人。
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マヤは深呼吸をする。
何故だか分からないが、結果として決勝戦までこれた。
全てジョージさんのおかげ。
せめて、何人かは減らしておきたい。そう思い、ターゲットを探すのであった。
探し始めて数分。1人近くに来ることが分かった。
目視出来てない場合は警戒を優先し、下手に動かないことも大事である。
近付くことで、相手に先手を取らせてはいけない。ジョージから習ったことである。
コレは鬼ごっこ。鬼に見つかるのは不利にしかならない。
それを知っているからこそ。再び落ち着こうとし、深呼吸をする。
改めて目視できる範囲まで近付く。
向こうはまだ気がついていない。
周りを伺うことは有るのだが、その他に変なところは見当たらない。それがバトル中でなければだが。不自然極りない。
何か隠している。
そう思い遠距離からの投擲をする。別にダメージを与えることが目的ではない。その動きを観察するためであった。
しかしながら。敵は回避を行わなかった。と思った瞬間。投擲したものを掴み防いだのである。
いくらマヤが女性だからといってとそんな生温い攻撃ではなかったが。
なにか特殊な力かな。
そう感じ、分析する。
そのため、マヤは一旦引くことを選んだのである。
マヤが勝ち抜いたのも、分析し無理をしなかったことも要因である。
こうして、別の敵を探すのであった。
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ジョージはまだ開始から動いていなかった。敵は近くにいるのだが。まだ攻撃範囲には来ていない。
完全に向かい打つ為に準備をしていたのであった。