隠しイベントクリアへ その1
[全てを揃えし物。この名を叫び、捧げる。あなたには祝福が与えられる。]
一つ目 【5】 【山】
二つ目 【6】 【川】
三つ目 【1】 【空】
四つ目 【3】 【海】
捧げる。
何処に???
名前と番号が必要なのは何処か。
最後の問題が待ち受けていたのである。
13日目
3人で集まり、本日も話し合いをカフェでしている。
『あと少し。捧げる場所を探そう。何かこのヒントで考えつく事はある?』
ジョージがみんなに問う。
『数字と漢字。おそらく漢字は【山川空海】として名前だと思う。数字は鍵の可能性があるかな。』
『私は数字は暗号なら5613を当て字にしているかも知れない。例えば、56で五郎。13で遺産。つまり、五郎の遺産。何処かにある五郎さんを探すとか?漢字のは五郎さんの何かの絵とかに当てはめると導かれるとか?』
ヒロとサツキの両方の意見とも可能性がある。
『俺が考えていたのは、金庫に預ける時に必要なのはプレイヤー番号と名前。つまり、この名前と番号を使うことでアイテムが引き出されるとか?』
ヒロもサツキも
『それだよ。』
そう叫ぶ。
満場一致でジョージの意見が可能性が高いこととなった。
『まずは金庫に行ってみようか。』
そう言って町の中央広場から西側に移動して一つ目の角にある金庫を目指す。
金庫に着いて受付のNPCに話しかける。
『No.5613,山川空海をお願いします。』
すると、NPCが返答する。
『本人以外、アイテムを引き出すことは出来ません。』
(((やっぱりね。)))
満場一致で少しながら思っていたことでもあった。
『次はサツキの案で【ゴロー】と言われるNPCの情報を集めよう。』
まずは案内所に聞く。
『この町のゴローという人をご存知ですか?』
そう尋ねると
『知っている。この町を昔統治していた人物だ。南西の海沿いにある屋敷がある。そこに子孫が暮らしている。』
みんなで南西に向かう。
大きな門には呼び鈴があるため、呼ぶと執事が出てくる。
『何か御用ですか?』
そう執事が尋ねてくる。
『ゴロー様の屋敷であっているのでしょうか?中を拝見させていただきたいのですが。』
『目的は何でしょうか。』
(どう答えるのが正しいのかな。)
するとサツキが
『ゴロー様の遺産について調査をしています。それらしき暗号がありましたので、その確認をしています。』
『そうでございましたか。ゴロー様の隠し遺産があるのでしたら、確認をしていただければと思います。』
そう言って、中に入って行った。
(大きなお屋敷だな。)
執事に聞くと、3階建てで部屋の数は100はあるそうだ。
多すぎる。
そして各部屋には絵や置物など多数あるとのこと。
ジョージ達は手分けして【山】【川】【空】【海】が描かれているものを探す。また、タイトルが各々であるものも探す。
2時間経過する。
一階に【山】、二階【空】はあるものの、川と海のタイトルは見つからなかった。
また、同じ絵にこの四つが揃うことは無かった。
海と川が1枚の絵に集約する絵も無いわけではないが、数は少ないだろう。そこに山を描く事も加えると可能性はあまり高く無かった。
(これも外れか。)
1度屋敷を後にし、カフェで再び集合するのであった。
『あー。何かしらのヒントがあっても良いと思うんだけど。ってか運営も偽ルートの対応されてるとか上手く掌で踊らされているのがムカつくね。』
サツキもイライラしてきていた。
『そうなるとヒントは捧げるって表記かな。神様に捧げ物って事とすれば、神社、教会とかになるのかな。教会だと祈りとかかもしれないけど。』
『その可能性もあるよね。他に考えられること無いのかな。』
集合してから既に4時間経過しているため、明日の為に少しでも案を集めようとする。
しかし、良い案は出なかった。
次第に、隠しイベントへの愚痴が増えていく。
『今回は町の全てを調べさせられていたと思う。何度も同じ場所通ったし。凄い疲れたよ。』
『確かに、同じ場所を何往復したか分からないよね。今日も往復何回したことか。』
ダンジョンでもなく、ただの町を3日間ひてすらに散策しかしてないこの事実に、虚しさを感じていたのである。
極端に言えば、3日間あれば、敵なしダンジョンを6回は入れるので、【エンカウント0】のアイテムを手に入れる確率があり、今後の事を考えると入手しておきたいアイテムである。
(同じ場所をを何度も何度も行くってことは普通なら苦痛だよな。)
ジョージは、単純な繰り返しをしていても別に苦にすることはなかったのである。
ジョージは何と無く、地図を開いて振り返りをしていた。
(一番目には中央広場の噴水、二番目は東側の中華料理屋、三番目は東側2番目の角を北上した店の新聞。4番目は東側の案内所。西側にも行っていたけど、ほとんど東側だけだったんだな。)
そう振り返っていると
『ジョージ、地図見て何してるんだよ?』
ヒロから聞かれると
『いや、何処に今回の暗号があったか確認していただけだよ。』
そう、答えながら順番を説明して行くとサツキが
『あーーーあーーーー分かった。捧げる場所が分かったよ。』
と大きな声を出していた。
1話分で纏まらなかったので、二つに分割しての投稿となりました。
次の話で隠しイベントは終わるはず・・・です。
今後とも楽しんでいただければと思います。