三つ目と四つ目。
[三つ目。木を隠すのは森の中。しかし、人の目につかない事なんて無理である。真実ほど身近なものである。]
[四つ目。風に耳を傾けると多くの声が聞こえる。その声の先には、あなたの求めるところへ案内してくれるだろう。]
『これなんだけど、暗号として多分数字と漢字の表記があるはず。』
11日目。
昨日サツキに相談し、みんなで探す事となった。
って事でジョージ、サツキ、ヒロはカフェにて作戦会議を行っていた。
『まず、三つ目はなんだと思う?』
ジョージはみんなに投げかける。
『木を隠すのは森。人を隠すには人混みの中ってことだろ?』
『今回は、探しているのが文字もしくは暗号なのだから、その中に紛れているかもしれないんじゃない?』
(やはり、そうなるよな。これは俺も考えていた。)
『つまり、身近にある文字もしくは暗号ってことか。四つ目はどうかな?』
『声に従う。何かしら発している音声に従うと暗号まで案内してくれるってことだよな。』
『この場合はNPCが発しているパターンもあるけど、町の中に聞こえる音ではあると思うから、町を出歩く事で見つかるかもしれないよね。』
(やはり町に出歩いて探すしかないよな)
今回の三つ目と四つ目は町を出歩いて探す必要がある。
『今日は四つ目を探すため、耳を澄ませつつ、三つ目の文字や暗号を探すって事で良いかな。』
『賛成。』
『了解。』
そうしてみんなでバラバラになった。
サツキは北東、ヒロは北西、ジョージは南東に向かった。
この町の構造を説明すると・・・
大きな丸の形をしており、中央に開始時に居た噴水のある広場がある。
丸型の町から出るように東西南北に長めの橋があり、北には敵なしダンジョン、南にはパーティ制限ダンジョン、東には森、西には山がある。
ちなみに浅瀬があるのは北西側だけであり、そこからジョージは海の中に入ったのである。
中央広場から東の橋までの一直線の道沿いの橋側に鍛冶屋や中華料理店も存在する。
オークションに関しては大きな会場などないが、中央広場の大型スクリーンの近くに備え付けされている機械にて入札することができる。
他にも案内所や金庫、宿など多くの物が町にはある。
普段と異なる点としては、鍛冶屋など多くの変わったものもある。
2時間後、サツキから連絡があった。
そのため、ヒロ、ジョージはサツキの元に向かった。
場所は中央広場から森へ向かって行く一本道の入って2番目の角を北に向かう。
この町の道は円のように東西南北に結ぶ道も多くあるため、ジョージやヒロも中央広場こら2番目の道を進み合流する。
『何かみつかった??』
『コレなんだけど見て欲しい。』
そう言って手に持っている
新聞を開いていた。
『文字で身近だから、看板とか眼で見えるものとか掲示板とか見ていたんだけど、他の店とは異なる新聞を発見して、見て見たんだけど、、、』
よく見るとページの番号がズレており、真ん中のページなのに【1】、【空】となっていたのであった。
『サツキ、これであってるよ』
そう言いながら、サツキの両手を握り、ジョージは喜んでいた。サツキはと言うと、少し目を伏せながら顔が若干赤くなっていた。
『コレであとは四つ目。声に耳を澄ませて探そう。』
合流したため、一緒に行動を取ることも考えたが、話をしてしまうと聞き漏らしてしまうため、別々に行動をする。
同じ場所だと気がつかないかもしれないので、サツキは南東、ジョージは南西、ヒロは北東を探すことにした。
町は多くの音で溢れている。
店の商売人の声、プレイヤーの話し声、音楽、動物の鳴き声。
その中である音を探さないと行けないとは。
2時間後、見つからなかったため、本日は終了とした。
12日目
『昨日終わってから考えていたんだけど・・・』
みんなでまた本日も集まるとそうサツキが話し始めた。
『四つ目の冒頭に風に耳を傾けるんだから、風が当たる場所である可能性があるのではないかと思うんだけど。だからおそらく、街中の遮蔽物がある場所よりも海からも近い風が入る場所だと思うんだけど。』
確かに一理ある。そうジョージは思ったのであった。
『じゃあ、本日はサツキの案で海側中心で行こう。』
こうして、海沿いを各自回ることとした。
海沿いはプレイヤーは少なく、NPCの声がほとんどである。
1時間、歩いているがNPCの声からそれらしき話し声もなく、話しかけたが特に変わった様子は見られなかった。
ヒロもサツキも特に変わらない様子であった。
それから更に2時間後、みんなで一度合流した。
『どう?』
ジョージはみんなに聞いた。
『成果は見られなかったね。特に変なところはなかったし。』
『俺も特に。海側と町の違いだと静かでNPCしかいないところと音楽が違うってことくらいしかなかったよね。』
????
ヒロの発言に驚きを隠せなかった。
『音楽が違う?』
ジョージは驚いた顔のままそう聞き返したのだった。
『お前らは気がつかなかったのか?伊達に吹奏楽部の俺の音感を舐めてもらっては困る。曲調は変わってないけど歌詞が変わってるし。』
当たり前のようにヒロは答えている。
『それだー。』
『それだよ。』
サツキとジョージは同時に叫んだ。
みんなで海側の場所に向かった。
たどり着くと、町と変わらない音楽が流れている。
『この歌じゃない。この歌は町と同じやつ。』
ヒロはそう答える。
しばらくすると・・・
『これだぜ。』
ヒロが叫ぶ。この歌はゲームの定番のオープニングの曲である。
みんなで耳を澄ましていると・・
『探し物は案内所にある』
そう言っていたのであった。
普段にはない歌詞。
おそらく確定だろう。みんなで中央広場から東側に進んで1番目の角にある案内所を目指す。
案内所に着くとみんなである場所を探し始める。
なかなか見つからない。
案内所の外、内問わず探しているがそんな部分は見当たらなかった。
違うのかと思い、案内所のNPCにサツキが聞いている。
『隠しイベントの暗号なんだけど、数字と漢字の組み合わせのが案内所にあると聞いたんだけど、どこにあるのか知らない?』
すると
『ここで預かっている番号は【3】で、漢字は【海】だ。』
ここには表記がなく、言葉と言うと流れを頼りに隠れた文字があると錯覚させる罠が仕掛けられていたのであった。
これで全部揃ったのであった。
遅くなったので、最後の攻略は明日にして、みんなログアウトをしたのであった。
なかなか更新出来なくてすいません。
次で隠しイベントは終わります。
一周年記念はまだ続くため、もう少しおつきあいをお願いします。
ブックマーク100件突破しました。
今後とも励みに更新して行ければと思います。
感想などありましたらお願いします。