一周年記念イベント3日目。
一周年記念イベント3日目。
ジョージはダンジョンの攻略を既に終えてしまっている。
あと残っているのは、全員参加クエストと隠しイベント。
であるが、今日はタカミチやヤマト、アンナと敵なしダンジョンを行く約束をしていたからである。
約束した時間までまだあるため、暗号の意味を考える。
敵なしダンジョンで見つけた暗号は以下の通りである。
[一つ目。水の静けさや激しさの中に存在。周りは笑うだろうが真実を求めるのであれば飛び込むべき]
[二つ目。燃え盛る炎は多くのものを容赦無く襲う。しかしそれは、必要なこと。あなたが呼べば、あなたの声に応じるだろう。]
[三つ目。木を隠すのは森の中。しかし、人の目につかない事なんて無理である。真実ほど身近なものである。]
[四つ目。風に耳を傾けると多くの声が聞こえる。その声の先には、あなたの求めるところへ案内してくれるだろう。]
[全てを揃えし物。この名を叫び、捧げる。あなたには祝福が与えられる。]
おそらくこの町にあるものに関係があるんだよな……
まずはどれか一つを見つけないとな。
そう考え、地図が欲しいと思っている中タカミチが合流する。
『何をそんなに悩んでいるんだ?』
そう声をかけられる。
どこまで話すべきかな。タカミチとかは信頼できるプレイヤーではあるが、知り合ってまだ2日目。情報を落として独占されるのも何か悔しい。
『この町の地図って何処かにあるかな?』
そう返した。
『普通はショップで買えるはずだけど、まだ今回の記念ダンジョンでは確認してないな。まだ、時間あるから一緒に探しに行くか。』
俺は頷き、ショップを目指す。
ショップには武器屋、防具屋、薬屋、雑貨屋など沢山ある。
たまに、プレイヤーが販売しているお店もある。
タカミチと目指しているのは雑貨屋だ。
今回はほとんどアイテムはいらないが、トラップマスターのスキルがないのであれば、アイテムが必要でありそれを買うなら雑貨屋にあることが多い。
トラップマスターのスキルを持っていることをばれているため、今回は諦めるが…
そういう意味でMPを使うが、アイテムがいらないのは助かるスキルである。
そう考えていると、雑貨屋までたどり着いた。
『地図はありますか』
そう聞くと、NPCが
『そこの棚にあるよ。ただし、ダンジョンの詳細な地図はないよ。』
そう言いながら奥の棚を指差す。
お金として100Gと手頃な値段の地図はたどり着いた場所を記録するタイプであり、1000Gは全部の配置が既に記載されているものである。
痛い出費ではあるが、ここは1000Gをかけても情報を整理するためにと諦めてその地図を選択したい。
しかし、ジョージは基本的に回復ポーションを購入するため、あまりお金が残ってない。稼いだお金は全て新しい装備を買っていた。
そう悩んでいると
『コレで良いんだな。』
そういってタカミチが購入を済ませる。
『依頼料って訳ではないが、やるよ。』
直ぐにジョージに地図を渡す。
『お前は凄いのか凄くないのかよく分からんな。こんな格安のものですら購入出来ないなんて。俺からしたら初心者でも買えるように格安になってるようにしか思えないけどな。』
買えないくらい貧乏ですいません。
そう思いながらもありがたく地図を受け取る。
『そろそろ、アンナとヤマトも来るからダンジョンの前に行こうか。』
そうして雑貨屋を後にした。
ダンジョンの前に行くと既にヤマトとアンナが来ている。
そこで攻略法を教えながら突き進む。
しばらくして再び
【一周年記念ダンジョン 敵なしダンジョン クリア】の文字が現れた。
そして……
ダンジョン固有アイテム
【一周年記念 エンカウント0】
をプレゼントします。
と、再びアイテムを入手したのである。
アンナやヤマト、タカミチも今回はドロップしたため、エンカウント0のアイテムを入手したのであった。
ここでヤマトが呟く。
『このアイテム、大量あればパーティ制限ダンジョンもクリア出来るようになる。』
!!!!
みんなビックリした顔をしている。
ジョージのようにスキルドロップしなくても、このアイテムを大量にパーティで入手することでクリア出来るようにすることが可能である。
正に必勝法である。
それを考えると、このダンジョンの組み合わせは初心者でもクリア出来るように上手く作られているとジョージは感心している。
しかし、いくら運営側もその事実にたどり着くプレイヤーが2日目で出て来るとは思っていなかったのである。
このアイテムは貴重なため、その後も何度もタカミチに誘われ今日1日は終わったのであった。
【一周年記念エンカウント0】所有数
ジョージ:5
タカミチ:2
ヤマト:3
アンナ:2
やはりジョージのドロップ率は良かったのである。
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仕事の合間で出来るだけ更新するように今後ともがんばって行ければと思います。