パーティAND作戦会議
現在、パーティは基本的に6人まで行うことが可能である。
役職としてリーダーがあるだけである。役割としては前衛は敵の攻撃を受ける壁役、罠などを見つける探知、近距離攻撃を行う特攻。後衛は状態異常などを管理する回復、魔法や弓など遠距離攻撃を行う射撃、バトルをコントロールする指揮官などが基本である。
複数を兼任することもあるが、基本各1名配置することが多い。
パーティ戦をしたことがある人は、スキルやジョブの獲得は前衛か後衛により、目指す方向を統一させるのが普通である。
前衛の壁役が遠距離系のジョブを取得しても使い勝手が悪過ぎである。
今回の制限ダンジョンレベル制限もあるため、複数の役割を担う必要がある。
『これからダンジョンに行く前に自己紹介をしようと思う。今回はレベルが一番高く、経験がある俺がリーダーとさせてもらう。得意ポジションは前衛の壁役だ。よろしく。次はヤマトが自己紹介な。』
そうタカミチが仕切る。
『得意ポジションは後衛の指揮。射撃。よろしく。ダンジョン以外は錬金術が基本。』
小声でボソボソと喋るのに、指揮が出来るのか疑問である。
『アンナです。薬師なんで、回復しかやったことないんで、そこにしてもらえると助かります。』
最後に
『ジョージです。パーティ初めてなんで良くわかりませんが、お願いします。』
その後、パーティの基本をタカミチから聞いて、探知のポジションが向いている事が判明した。
『今回のダンジョンは、敵の強さは対したことはないが数が問題であり、今までのように役割は関係なく行わないと溢れ出てくることがあげられる。コレに対応するには、広範囲の攻撃で数を減らすことがあげられる。広範囲攻撃持ってるものはいるか?』
『一応、火の広範囲攻撃魔法あり。』
ヤマトがボソボソと答える。
他はいないかとの声かけにアンナと俺が首を振る。
他に手立てがあるやついるか?
そうタカミチが聴くと、ジョージが手を挙げる。
『敵は徒歩で、前方からしか出現は確認されてないんですよね?』
『そうだ』
『それなら罠を張って敵の数を減らす事は事は可能ですか?』
そう切り返すとみんな驚いているような顔をする。
『確かにそれで数を減らせれば、確率は上がるな。ただ、罠なんてどうすればいいんだ?そんな攻め方聞いたこともない。』
その発言を聞いて、少し間を置いてジョージは返答をする。
『トラップマスターと言うジョブを持っています。そのため、罠を作ることは可能です。トラップを前面に仕掛けておいて敵が近付いてきたら、後方に逃げる。敵の量が多いならば、数を減らすこと。囲まれるから捌ききれなくなる。そのため、前面に敵を集中させるようにすれば良いのでは?』
『あと、土系の魔法を使える人はいますか?出来たら壁を作れるくらい』
そう言うと、タカミチとヤマトが手を上げた。
『アンナさんは薬師ですけど、MPの回復ポーション、痺れ薬、毒薬とか作れますか?』
『現在、HPポーション(中)、MPポーション(中)、痺草、毒草は各50はあるけど、足りない?』
『なら大丈夫かと。基本のフォーメーションとして、タカミチさん、俺、ヤマトさん、アンナさんの並びで。敵が少なければ、近距離はタカミチさんと俺。遠距離をヤマトさん。回復をアンナさんが行う。敵が多くなってくるのであれば、遠距離広範囲の攻撃と土系の魔法でダンジョンに壁を生じさせて敵の移動範囲を狭める。罠の種類として、痺草や毒草に火をつけて一掃する。これを基本としてはどうですか?』
『本当にパーティ戦初めてなのか?しっかりした作戦たててるから経験者かと思ったぞ。変わったジョブを持ってるんだな。』
そう、タカミチが驚きながら返答する。
ヤマトとアンナも頷く。
それじゃ、いきますか。
そうして4人はダンジョン内に入って行ったのだった。