オークション
ジョージは、カタログを見ながら喫茶店でくつろいでいた。
パーティ制限ダンジョンに関しては、人がいないことには無理であり、先程までの疲労から回復するまでやること無いのでオークションのカタログがあったのでそれを眺めている。
競争倍率考えると始めたばかりの自分が落とせるものはほとんど無いのだが、折角なのでどんなアイテムがあるかコーヒーを飲みながら見ているのである。
凄い耐久性の高い装備だなぁ
こんな派手なのは着たくねー
地味に良い仕事してるな
何の役にたつのだろ?
色々見たことのない商品ばかりで気がつくと2時間は経過していた。有意義な時間を過ごしたなぁ。
オークションに関しては、今回は最終日の前日までに入札し、最高数の方が落札するシステムである。
ただし、1度入札すると一時的にクリスタルが減少する。そして、追加をすることが出来ないのである。
つまり、スキルクジにクリスタルを一つ入札する。再度入札数を2に増やそうとするとクリスタル1では無く、クリスタル2つで新たに入札しなおさないと行けない。もちろん、落とせなかったクリスタルは終了後に変換される。クリスタルは集めることでジョブやアイテムと交換することが可能であるため無駄な使い方は出来ない。また、月末には月間クリスタル獲得ランキングによる報酬と通算所持ランキングによる報酬もある。
今回の一周年記念イベント最終日は月末。オークション後のクリスタル返還は終了翌日なため、獲得ランキングからは除外されている。
それを考えるとどこを狙うべきかも難しい。
気になるアイテムあるんだけどなー
そう思いながら、ジョージの一周年記念イベントの初日は終了したのであった。
次の日、夜にヒロとサツキと待ち合わせをしていた。
少し早くついたので新着情報の確認をする。
町の掲示板があり、そこには自動的に進行状況が書かれている。
【記念ダンジョン】
・敵なしダンジョン クリア者 357名
・パーティ制限ダンジョン クリア者 124名
【全員参加クエスト】
未達成
【隠しイベント】
達成者なし
そういえば、ヒロとかはダンジョンどうだったか聞かないと。そう考えていると後ろから
『ジョージ、お待たせー』
振り向くとサツキがいた。
『昨日のダンジョンはどうだった?』
そうジョージはサツキに話しかける。
『まあ、何とかクリア出来たけど大変だねあのダンジョン。敵のレベルはそこまで高くないのが唯一の救い。数が半端無く多いから複数攻撃できる人居ないと無理だろうね。』
『私のパーティの高レベルの複数攻撃スキル持ちがいたおかげで助かったんだけど。私はアイテムドロップしなかったよ。残念だけど。』
『俺の所は全くダメだった。』
そう言いながらヒロも合流する。
『うちのパーティは近接格闘だけであったから、捌き切れなかった。遠方に対してのフォローが出来なかったのも辛かった。』
どんだけ難易度高いんだよ。そう思っていた。しかし、パーティ制限ダンジョンには目指す人数が減ってしまっては挑めないのも辛い。
ヒロのレベルは30。今回のダンジョンでそこまでは上がっていたため、自分と合わさると47。つまり合計103の高レベルプレイヤーを誘わないと行けない。
中々難易度が高いミッションである。高レベルプレイヤーが調整として1人の低レベルプレイヤーを入れることはあるが低レベルが高レベルへの依頼は難しい。
まぁダメ元で呼びかけて見るか。など色々考えていたんだが。
『ジョージはどうだった?』
サツキから聞かれて、
『昨日は敵なしダンジョンに行ってクリアしてきたよ。』
と返事をした。
サツキとヒロは唖然とする。レベル17でありながら、一周年のイベントをクリアしてるとは。そう思っていたのだが、更に驚かされてしまった。
『また、なんでか初討伐者になって、、、しまったんだけど。』
????
そこからしばらくは、ヒロとサツキからクリア方法の説明をさせられ、その後に2人はジョージの前から去って敵なしダンジョンに一直線に向かったのであった。
どうしよう。ヒロとダンジョン向かう予定だったんだけど、1人になってしまった。
そう考えながら、パーティ制限ダンジョンに向かって歩き出していた。
パーティ制限ダンジョンの前では、作戦会議などパーティを組んでいるものが中央に陣取り、それを見るように1人、2人とパーティを組めない連中が取り囲んでいる。
今回のダンジョンの攻略として
・大量の敵軍が襲うため、複数攻撃可能なスキルがあることが望ましい。
・近距離だけで無く、遠距離からも攻撃が来るため遠距離が行えることがある人が望ましい。
と今のところなっているみたいだ。
どうしようか考えていると
『一緒のパーティに入ってくれませんか?』
そう声をかけられた。
振り向くと男2名、女1名。
名前を見ると、
タカミチLevel65 発掘者
ヤマトLevel40 錬金術師
アンナLevel30 薬師
となっていた。
『ウチのチームの人数が端数なので入って欲しい。今3人合計で135。君がきてくれるなら152になるから挑めるんだよ。』
『行く相手もいないんで是非。よろしくお願いします。』
そういって、ジョージはパーティ制限ダンジョンの攻略を目指すのであった。