プロローグ
親父にはいつも言われる。
この世界の真実については自分で考えなければならない。他の人の発言の真偽なんて明らかにする方法はないのだから。
直訳すると【情報に流されるな】である。
そのため、色々なゲームをするにしても攻略本を頼ったことはなく、常に探りながら進めることが当たり前になっている。そのため、一緒に始めた人と比べると、進行が遅くて、
飽き始めている時にも未だにクリアしてないことの方が多いのである。
とある日の夕方。大学の講義の後いつも通り幼馴染みのヒロとクラスメイトのサツキとの帰っている最中。
『なぁ、ジョージ。今度一緒にゲームをやらないか?』
急に幼馴染みのヒロから提案される。
『何のゲーム?ってか一緒に進めても、俺はいつも置いて行かれるんだけどな。』
そう返答するとヒロは熱く語る。
『今回出たゲームはある意味お前に向いてると思うんだよな。なにせ、自身のジョブの選択権もなく、種類も多い。そして、それによる育成手段、スキルなども異なるから無限とも言われるため、攻略手段が当てはまらないからみんな手探りなんだよ。』
『一応、今サツキとか他の連中も始めてみたけど、未だにスキル習得とか上手く行ってないから、今から始めればすぐに追いつけるし。』
そう言うと、サツキも熱を込めながら
『このゲームの難点と言うか。リセマラとかみたいに出来ないのよね。VRMMOとかで同じ生態かどうかまで分かるらしくてジョブの変更とか一度もできないし。だからこそ、誰もが最速ダンジョンクリア目指してるんだけどね。困難な程萌えるのよ。』
どんだけ難易度の高いゲームなのか。
『まぁ、ハマるか分からないけど、明日から暇だからやって見るよ。』
そう返事をする。そのあとも2人の熱い話が別れるまで何度も続いていた。
翌日、朝食を済ませるとネットでデータを購入し、早速行う。
『リンク スタート』
そう唱えると、1人の少女しかいない世界。そこにたどり着いていた。
少女が聞く。あなたの名前は何ですか
多分これがゲーム内の名前なのだろう。一度選ぶと恐らく変えられない
因みに、ヒロからジョージと呼ばれているがこれはアダ名であり、本名ではない。苗字の上地をもじって小さい頃から呼ばれている。
悩んだが、面倒なのでジョージと答えた。
すると次に 少女が聞く。命とは何ですか
少女が聞く。心とは何ですか
少女が聞く。時とは何ですか
他にも聞かれ、最後に
『あなたは何を望みますか』
そう言って少女は消えた。
ジョージは嘘偽りなく返答をした。恐らく、コレがジョブの設定に必要なのかもしれないが、そんなことはどうでも良かった。
どうなろうが、そこから始めれば良いんだし。
その後はまた別の空間に飛ばされ、今度は操作方法や目的などのチュートリアルを受ける。時間の進行速度に関しては、現実の1時間が12時間となっている。
目的としては世界各地に散らばった神の雫というクリスタルを集めること。
現在のクリスタルの奉納数がランキングで表示される。
月間ランキング上位には報酬があるとのこと。
また、クリスタルを集めて神殿に奉納することで、新たなるジョブやスキルが解放される仕組みである。
また、ある条件を満たすとジョブやスキルが追加されるとも説明があった。
メニュー画面を開くと、フレンドリスト、ランキング、装備、ステータス、情報、お知らせなどがある。
フレンドリストに登録するためには、必ず接触しながら直接相互に認証する必要があるため、ランキングで名前を知っていても登録することは出来ないのである。
フレンドリストに登録していると、インしているのか、メールなど連絡することも可能である。
情報では、自分で直接仕入れた情報に対しては表示されるようになっている。
お知らせには最近のイベントなどの情報が表示される。
チュートリアルの説明が終わり、扉から出ると広場にいるヒロとサツキが手を振っている。
ジョージの長い旅はここから始まる。
ステータス
名前:ジョージ
性別:男
Level:1
HP:100
MP:50
攻撃:50
防御:80
job:収集家Level1
skill
スロット1:真実の眼Level1 コスト5
スロット2:なし