第五十四話 最後の始まり
最近投稿遅くてすみません。休みだからってだらけません、頑張ります。
「問題は、お前がどこの王子なのかというところだが」
能力のことは後で言っても大丈夫だろう。話の邪魔をすると怒りそうだからなこの人。
王と神は黙って女王の話を聞いていた。真剣な表情になっているところを見ると、かなり重要な話らしいことが分かる。
「そこで一番最初に話を戻す。お前は拾われた子だ。残念だったな、事実だ。もちろん親がどこの誰なのかは分からないが、心当たりはある。それはだな――――」
バァーン!!!
突如として轟音が鳴り響く。……扉が開いた音だった。
「遅ぉおおおおーーーーーい!!!」
予想はしていたが案の定、女王の話の邪魔をする奴がいた。
そいつはこっちへ向かって歩いてくる。その後ろにいる梓は溜め息をついていた。
「……それはすまない。だが、今は大切な」
「大体、お客さんを廊下で待たせるって普通に考えておかしいでしょー!」
やはり女王は非常識だった。
「部屋で待っていても良かったのだが……」
「待たせることがすでにアウトなのー! 別に話くらい聞かせてくれたっていいでしょー! どうせたいちょーのことなんだし」
唯果は腕を組んで女王を睨む。それに対し女王は苦笑を返す。
「とりあえず今日はたいちょーを回収する。梓先輩、行きましょう」
俺の腕に抱きついて無理やり引っ張ろうとする唯果を女王は引き止めた。
「分かった分かった、じゃあこれだけ言わせてくれ。ヴォルグ隊長、お前はおそらく第一王国の王子だ」
「…………」
場が一瞬にして静まった。
梓は話がよく分かっていないのか、女王と俺を交互に見ていて、唯果は俯き唇を噛んでいた。
確か前に唯果(偽物)が何か言っていたような……。
「火星人は自分の家族を大切にする。大半が、ではない。絶対だ。だが第一王国の王族は自分の子供を捨てた、という噂が何年も前からある。お前が本当に王子なのだとしたら辻褄が合う。もちろん今は新しく出来た子供が王子をやっているんだろうけどな」
そのとき、ぽつりと唯果が何かを呟いた。
「……許さない」
それは明らかな憎悪からきた言葉だった。
今までに見たことがないくらいに唯果の顔が歪む。
「絶対に許さない。たいちょーを捨てた王族も、そうさせた奴も!!」
「行くのか? 第一王国に」
今まで黙っていた神が口を開く。
神の言葉に唯果は迷わず即答した。
「今からでも行く!」
「いや、一度帰る。みんな心配するだろうし。それに疲れてるだろ、休め」
……唯果は何も言わず静かに出て行った。
女王に部屋までの道を教えてもらい、梓と二人で廊下を歩く。途中で偶然、副と出会った。
「隊長、お疲れ様です! 今戻られたのですか?」
「少し前にな。今更だが隊長が長いこと地球に留まっていて大丈夫なのか?」
「問題ありません。私が代わりに指示を出しておりますので」
「そうか」
副は梓の方へ目を向けた。急に見られたせいか梓はビクッとして縮こまり、上目づかいになる。
……こいつは笑顔を作れないのかよ。完全に怖がらせちゃってるよ……。
副はなぜか数秒間梓を見つめていた。……こういう女の子がタイプなのだろうか。
「ようこそ第四王国へ」
「お久しぶりです。確か……ダドゥルさん?」
「はい。あなたは……」
「西谷梓です」
梓は微笑んだ。さっきまでの怯えがなくなっていた。
「ようこそ……梓さん」
そして珍しいことに副の表情が明るくなった。
なんだこの二人、何かお似合いだな…………年離れてるけど。
なんだか二人は楽しそうだった。
「このときは何も疑ってなかっただろう? まあそういう風に仕組んだのだが……ふふふ」
「ふざけやがって……。俺はあんたに騙されてたわけだ。さすがは――――だな、クソ!!」
俺は――――に向かって炎を放った。




