第五十三話 女王の説明
長くて100話くらいで終わらせようと思っています。だから何だって話ですが……。
半ば強引に二人は追い出され、俺一人になった。
神は何もせずただ笑みを浮かべている。神と言うのは皆こんなにも気持ちの悪い存在なのだろうか。
王と女王がなぜ二人を追い出したのか見当はつくが、唯果はおそらく気付いている。あいつまで追い出す必要はないと思ったのだが。
「カナンは気付いているだろうが、お客さんを一人にさせるのは良くないだろう?」
俺の考えていることが分かったのか、女王が答えた。
……そのくらいの常識はあるらしい。
「……何か今失礼なことを考えただろ」
「小説とかでありがちなことを言わないでくれ」
当たってたけど。
「まず、隊長が拾われた子だということは知っているね?」
初耳なのだが。
「まあまあ、初耳なのだがって顔はせずに」
なぜ分かった。
「まあまあ、なぜ分かったって顔はせずに」
「終わらないので話の続きを、王様」
「まあまあ、終わらないの――」
「話の続きをしろデブ」
「す、すみません」
キレた女王に謝る王様。女王の言葉が気になったのか、お腹をさする。確認するまでもなく太っていた。そして半泣き。
「もういい、私が話そう。まず、お前は間違いなく王子だ」
「……薄々そんな気はしていた」
「理由はいくつかあるが、お前が一度私に喧嘩を売りに来たことがあっただろう」
喧嘩を売りにって……。
「その帰りに石を渡したはずだ」
「これか」
ポケットから石を取り出す。それは未だ輝きを失っていない。
「それは王族にしか与えられない石で、基本的に女王が力の一部を使って作るのだよ。落下石と言ってな、王族は他の人とは比にならないほど莫大な力を有している。そんな奴らが地球に落ちたらどうなると思う?」
「知らん」
「乗り物を使っていたとしても地球に落ちた衝撃で自身の力が爆発し、さらにその衝撃で記憶が吹っ飛ぶ。私らはそれを『Wショック』と言っている」
しかし、と女王は話を続ける。
「その落下石は衝撃を抑える力を持っている。つまり、火星から地球へ飛んで行ったとしても記憶を失うことはない」
「……もしかして」
「お前は二年前、私に騙され地球へ飛んだ。だが、落下石は持っていなかった。そして記憶喪失」
それが一つ目か。
いつの間にか記憶喪失事件が解決していた。なるほどと言う他ない。
女王は話し疲れたのか頬杖をつく。
「あとはさっきお前が言っていた、傷だらけの体が治ったってやつだがそれは能力だ。王族はそれぞれ一つだけ特別な能力が使えるんだ。それに能力を使えたということはコロシアムのlockerの条件中に能力解放が入っていたんだろう。つまり相手は王族。当たっているだろう? そいつにお前は勝ったのだろう? 100%王子だろ」
……まて、もし仮に俺の能力が回復系だとしたら…………あのときのあれは何だったんだ?
手のひらで踊る炎、あれは能力じゃないのか……?




