第四十二話 コロシアム
最近暇な時間が増えてきたので、もっと早く投稿できるよう努力します!
「あ、もしもしファン? 予定通り上手くいってる~?」
「うん、予定通り。あと、緑髪種族の子を攫う前にレミンに携帯渡しておいたから」
この子は優秀だ。何を言っても必ずやり遂げる。そして必ず帰ってくる。
今回もきっとそうだろう。神様が警戒しているとはいえ、相手はただの隊長だ。我が王子に勝てるはずがない。
そしてコロシアムはこの王国が所有している。つまり、lockerの条件はこちらで決められる。
「分かってると思うけど、能力解放は四部隊長と当たるまで取っておいてねぇ~」
火星では王族の能力解放は封じられているが、神様が特別にコロシアム内でのみ解放の許可を出したのだ。王族が能力を開放すればたとえ部隊長であっても勝ち目はない。
しかし女王はそのとき不思議に思った。
「なぜ隊長相手にそこまでする必要が」
能力に頼らなくても隊長相手なら、比喩ではなく目を瞑ってでも倒せる。それなのになぜ?
「ごめん、よく聞こえなかった。なに?」
よく分からないけど、とにかく四部隊長を殺せばいいんだよねぇ~。
「なんでもないよ~。頑張ってね! お母さん応援してるぅ~」
昔からファンとレミンには無茶させてるとは思う。だからって死んで欲しいわけじゃない。経験は必要だし、王族はそう簡単には死なないのだ。
この星に家族を愛していない人間はいない。……第一王国を除いてね。
コロシアム内は喧騒に包まれていた。
入口から真っ直ぐ進んだところに受付があり、その横に扉がある。控室や戦場に繋がる通路があるのだろうか。
そして今自分が立っているところの両サイドに輪状の通路がある。おそらく観戦者が使う通路だろう。
とりあえず受付を済ませようと一歩踏み出したとき、誰かに呼び止められた。
「おいおいそこのガキ。何してんだこんなところで。ここは公園じゃねぇんだ。死ぬぞ? お前」
ニヤニヤしているハゲのおっさんだった。言いたいことは分かるが、見た目で判断されるのは好きじゃない。
「俺だって遊びに来ているわけじゃない。……そうだ、できれば名前を教えてくれないか? あんたと当たるかもしれない。俺は固井硬大だ」
舐められるのは嫌だったので少し格好つけてみたが、何か可笑しかったのか、おっさんは大声で笑い出した。
「ハハハハハハハ!! てめぇ面白ぇな。オレはダンだ。オレと当たる前に死ぬなよガキ。ハハハハハハハハハ!!!」
言っておっさんは受付横の扉を開けて中に入っていった。
やはり参加者だったか。一目見てすぐに分かった。
背は高くガタいが良い。もしかしたら強いのかもしれない、ていうか強い人しか参加しないのだから当たり前なのだが。
受付を終えて控室に入った。参加しない唯果は俺と別れ、観戦者用通路を歩いていった。
コロシアムのことはさっぱりだが、普通は受付とかあるものなのか疑問に思ったりした。地球ではどうなのか分からないけど。まあ火星には火星のやり方があるのだろう。
受付で説明を受けて、ルールはだいだい分かった。
このコロシアムはトーナメント方式。そして試合が始まるとき戦場がlockerに囲まれ、条件を満たすまで闘いは終わらない。
条件は固定されており、二つだ。
どちらかが降参するか、どちらかが死ぬか。
もし仮に降参してlockerが消えたとしても、退場しない限り相手に何をしても何をされても罪にはならない。つまり降参したからといって命が助かるとは限らないということ。
ルールはこんなところか。
深呼吸をする。出場者は揃い、トーナメント表は既にできていた。思ってたより出場者は多くなかった。
梓を攫った奴が誰かは分からないが、とりあえず最後まで勝ち進んでやる。




