第三十六話 秘密
新しい章が始まりました!
まだまだ書きますので、どうかよろしくお願いします!!
失敗した。
まさかこんなことになるとは思っていなかった。予想以上の失敗作だ。
最初にこの手で殺しておくべきだった。慢心していたのかもしれん。
これでは神様失格だ。
次は殺す。コロシアムにでも放り込もうか。
いくら失敗作とはいえ、私が手を下すほどではないだろう。
強者が集まるあのコロシアムに入ればさすがのあいつでもただでは済まない。
私の邪魔はさせんぞ、ヴォルグ。
今日はなぜか光翼のテンションが高い。
俺が教室に入った瞬間、満面の笑みでこっちに向かって走ってきたのだ。
とても気持ち悪い。
「ごめんよ硬大。メール無視してごめんよ! 俺のこと心配してくれたんだよな!? すっげー嬉しい!!」
そして抱きつこうとしてる光翼の顔面を、左手を前に突き出して捉え、少し力を入れてやった。
メキメキと音が聞こえた気がするが、多分気のせいだろう。
「いてててて!? 分かった! 痛い!! 分かった!」
何が分かったのかは分からないが、とりあえず離してやる。
「なんで朝からそんなにテンション高いんだ? 何かあったのか?」
光翼は基本的にいつもテンションは高いが、こんなに高いのは初めてだ。 光翼は片手で顔を抑えながら、
「俺、少しは硬大を信用することにした」
と言った。
今まで信用してなかったのか。まあ、気にしないけど。
俺は自分の席に座り、寝ようとしたところで梓が来た。
「おはよう硬大くん!光翼のことだけど、ちゃんと自殺を食い止めたから心配しなくても大丈夫だよ!」
「お、おう」
……ん? 自殺? え? どういうこと? それより、梓のテンションも高い気がするのだが気のせいか?
梓は辺りに、見えない音符を撒き散らしながらルンルンで席に戻っていく。
あの二人に一体何があったのか。
気になる、けど今は眠い。
俺は机に倒れるようにして伏せてそのまま眠った。
「硬大くん、ちょっといい?」
今日の授業が終わり、鞄を開けて教科書などを詰めているときに梓が声を掛けてきた。
今朝とは違い、真剣な表情だ。
「ああ。どうした?」
俺は教科書を鞄に詰め込みながら尋ねる。
「聞いてほしいことがあるの」
いつからいたのか、光翼が梓の後ろに立っていた。光翼も梓と同じで真剣な表情を浮かべている。
「教室じゃあれだから場所を変えよう」
光翼はそう言って歩きだし、それに続いて梓も歩き出す。
教室じゃダメってことは、他の人に聞かれてはマズい話なのか。
少し気になりながらも俺は二人について行った。
しばらく歩くと人気のないところに着いた……のだが。
「不気味ですね……」
「話では聞いたけど、実際に見たのは初めてだよ―」
叶未と唯果は少し驚いているようだ。
叶未と唯果は途中で会って、なぜか俺達と一緒に来ていた。
それはいいのだが。
「ここはマズくないか?」
ここは学校の地下だ。そしてここは学生の立ち入りが禁止されている場所。目の前にはひどく錆びついた扉があり、頑丈そうな、特殊な錠前が五つも付けてあり、想像以上の不気味さが漂っている。
ここにいるところを教師に目撃されただけで停学になるというのだから、相当な"何か"がここには隠されているのだろう。
光翼は扉を軽く叩きながら、
「まあまあ、話もすぐに終わるし、見つからなきゃいいんだよ」
とか訳の分からないことを言いだした。
こんなところに来てまでするほど重大な話なのだろうか。
とか考えていると、さっきまで黙っていた梓が口を開いた。
「えっと……、今までみんなには黙っていたんだけど、実は私、………………火星人なの」




