第三十三話 隠してきた思い
最近、投稿が遅くなっていますが、一週間以内には必ず投稿しようと頑張っております。もちろん4日に一度がベストですが……。
いや、それはきっと気のせいだ。
「……そっか。じゃあ死になよ」
……え? 今なんて言った?
いや、もちろん聞こえたけど、梓がそんなこと言うとは思ってなかった。
まあ、邪魔はしないみたいだからいいんだけど。
そうだ、首吊りのやり方を聞いてみるか。頭の良い梓なら分かるかもしれない。
「そうする。実はさっき、首吊り自殺しようと思ってたんだけど、やり方が分からなくて困ってたんだ。梓はやり方知ってるか?」
梓は大きく溜め息を吐いた。
仕方ないだろ。調べても分かんなかったんだから。
俺はそんなことを思いながら、梓の言うことに耳を傾けた。
「今から言う道具を持ってきて。教えてあげる」
どこでそんな知識を身に付けたのか、梓は手慣れた様子で、首吊りのための準備をしていた。
俺はただ、それを見ているだけだった。
「はい、完成」
出来たらしい。
ずっと見ていたけど、思っていたよりかは難しくなさそうだった。
「ありがとう。なんか慣れてる感じだったけど、作ったことあるのか?」
聞いてはいけないことだったのか、梓は黙ったが、しばらくして口を開いた。
「私も首吊りをしようとしたときがあったの。小学生の頃にね……。どうしてか分かるでしょ? 私は弱いから、誰も近寄らず、悪口を言われるだけでも堪えられなかった」
そうだった。
梓にも辛い過去があったんだ。
それでも自殺はしなかった。
ということは、梓にとって死にたくないと思えるほどの何かがあったんだろう。
もちろんそんなことは俺にも分からない。
自殺を考えていたことすら知らなかったんだから。
返す言葉がなかった。
「そういえば、なんで光翼は最近私を避けてるの?」
突然の問いに俺は驚いた。
やっぱり気付かれてた。
どうする?
まあ、どうせ死ぬんだし言っておいてもいいか。
俺はそんな軽い気持ちで本当のことを話した。
「俺は何年も前から梓のことが好きだった。でも俺って小さい頃からずっと臆病だったから、気持ちを伝えることができなかった。断られたらどうしようとか、嫌われたりしないだろうかとか、色々ネガティブな想像が頭の中をグルグル回ってて嫌だったんだ」
俺は異常だ。
今まで言えなかった気持ちを軽く言ってしまえるほどに。
……そして梓はなぜか顔が真っ赤だった。
「へ、へぇー。光翼は私のことが好きだったんだー。……もしかして、気持ち悪いキャラに変えたのも何か関係しているの?」
それも気付かれてたのか。
いや、そうか。急にキャラなんて変えたら誰でも気付くか。
「気持ち悪いキャラで接したら、梓に嫌われてスッキリすると思ったんだよ。もちろん嫌われるのは嫌だけど、嫌われることによって諦めがついて、梓のことが好きだという気持ちが無くなると思った」
今の俺はいつもの俺じゃない。
偽りのキャラで塗り固めて隠してきた本物の俺だ。
もう本当の気持ちを隠すつもりはない。
「それなのに、見た限りでは梓は俺を嫌いになっていなかった。だから距離をとろうとしたんだ。これ以上好きになって、苦しい思いをしたくなかったんだ。……まあ、そういうこと。今までありがとうな」
言いたいことは全部言った。
俺にはもう、思い残すことは何もない。
俺は、上からぶら下がっている首吊りの縄に向かって手を伸ばした。




