第十六話 勝ち負け
今、僕は読者の皆様に土下座したい気持ちでいっぱいです。
旅行があったとはいえ、こんなに遅れてこの短さは本当にひどいと、自分でも思いました。
これからも頑張りますのでどうか見捨てないで(汗)
そうきたか。
俺は唇を噛み締め、いつの間にか握っていた拳にも力が入る。
女王は一度も表情を変えず淡々と言う。
「それが嫌ならlockerは消さんぞ」
あと一時間で帰れるな~とか思いながら俺は机に突っ伏した。
もうすぐで授業が始まる。
そう思った。
ヴォン、という聞き慣れた音がした。
俺は突っ伏したまま固まっていた。
いやいやいや、授業が潰れるのは嬉しいことだけど、コレは死ぬ可能性があるからダメだと思うよ止めようよ。
しかも条件は意味不明だった。
女王が自分の意志でこれを消すまでここから出ることはできない。
女王ってなんだ? そんな人いるのか? そいつが犯人なのか?
校内が騒がしくなっていた。
教師もどうしたらいいのかわからないみたいで、生徒を落ち着かせるためか、大声で何か言っていたが俺には聞こえなかった。
分かったことは、しばらくここから出られないということだけだった――――
完璧だ。
これでカナンと王子が結婚することは確定だな。
「隊長、今お前が通っている学校にlockerを出現させた。どういうことか分かるな?」
つい口元が緩む。
lockerを消すためにこいつはカナンを説得するはずだ。そしてカナンが了解すればこちらの勝ちだ。
そう……、勝てると思っていた。
こいつが何か言いだすまでは。
「なんで王子と結婚しないとダメなんだ?」
「え?」
「だから、なんで王族としか結婚しちゃいけないのかって」
まさかそんなこと聞いてくるとは思ってなかった。
「なぜかって……知らんのか? 隊長なのに?」
「記憶がないんだよ、言っただろ」
まあいい、教えておくか。
「火星人の力が地球人より強い理由は、王族が力を与えているんだよ。火星人の中で能力を持っているのはそれぞれの国の王族だけだ」
「それぞれの国……」
「火星には国が八つある。それぞれの国の王族がそれぞれの国に住む火星人に力を与え、肉体的に強化されたり、他の星の住人に姿を見られないようにしたりしている。そんな素晴らしい能力を持った王族と、何の能力もない人で結婚し、子供ができればどうなるか。その子供は王族のハーフ……つまり、能力も半分になるわけだ」
喋るのがだんだん面倒くさくなってきた。
「てことは、その国の住人に力を与えるほどの能力がなくなってしまい、肉体的強化はできず、他の星の住人に見られることになるということか」
さすが隊長、分かっているじゃないか。
なんだかんだでこちらの勝ちは変わらないようだな。
「別にそんなのいらないだろ」
……は?
最悪だ。
生徒は落ち着いたところまではいいんだけど、
「ここのxはこっちのyにかけて」
なんで授業あるんだよ!!
なんでか知らんが、lockerが消えるまで授業をやることになったらしい。
これはもう死にたい。
俺は机に突っ伏しながら思った。
「だって、それ以外に影響は特にないんだろ? じゃあいいじゃねーか。好きな人と結婚させてあげろよ。親としてもそれが一番良いことだって分かってるんだろ?」
そんなくだらない理由でこいつら王族は好きでもない奴と結婚してきたのか。
肉体的に強くなくても問題はないし、他の星の人たちに見られても問題はないはずだ。
「しょうがないだろ! 神が言っているのだから! 神の言うことは一番だ!!」
神?
この星でも神という曖昧な存在を崇めていたのか。
「お前神様なんて信じるんだな」
「何を言っている! 神はいるにきまっているだろう!」
この人頭おかしいな。大丈夫かよ。
「じゃあ証拠出せよ」
「いいだろう、王族以外で神を見ることができるのはかなり珍しいことだぞ。光栄に思え」
女王は指をパチンと鳴らした。
女王の後ろ側が突如光る。
するとそこから、
――――神が現れた。




