第十二話 偽物
38,7度の高熱が出て死んでましたすみません。
でも、約1日で治してすぐ書いたので許してください!!
私は苛ついていた。
気になることがたくさんある。
なぜカナンはあいつを追って地球へ行ったのか。
なぜ未だにカナンは帰ってこないのか。
それと、
――――あいつは死んだのかどうか。
「まあまあ、そう怖い顔をするな」
「あいつさえ死ねばカナンは王子と結婚するのだろう?」
今の地球の状況が分からない。
私はただここに座っていることしかできない。
「結婚して1年経ったときまでの……淑やかなポリンちゃんは一体全体どこにいってしまったのか――」
私はグリムの言葉を遮るように言った。
「ぶっ殺すぞ」
これでいつもなら怯えて、ごめんなさい! と言うのだが、なぜか今日のグリムは笑っていた。
「何ニヤニヤしている。殺されたいのか?」
そう言った直後、グリムが真剣な顔をした。
「ああ、私を殺せ」
「くっ……」
何を考えてるんだこの男は。
「め、面倒くさいから……やめる…………」
私はそっぽを向いた。
今自分はどんな表情をしているのか分からないからだ。
まさかこの男……。
「殺せないのだろう?」
グリムはいつの間にかニコニコしていた。
殺せるわけないではないか。
なぜなら私は――
王、グリムのことが大好きだからだ。
「嬉しいよ。結婚して性格が多少変わっても、私のことを好きでいてくれてるなんて」
まずい、私の顔赤くなってないか?
ニヤニヤしてないか私!?
自分の顔を両手でグニグニする。
「わ、分かっているならいちいち無駄に絡んでくるな!」
この人は、私が昔よりどれだけかわろうと、ニコニコして接してきてくれる。
そういうところが好きなのだ。
グリムは隣においてあるお茶を全部飲み干したあとに言った。
「だから、そんな私の大好きなポリンちゃんが誰かに酷いことをしたり、考えているところは見たくないんだ。それに……もう分かっているんだろう?」
もちろん分かっていた。
あいつを殺してもカナンは王子と結婚しないことくらい。
しかし、このままだと……。
「ダドゥルってもしかして野宿しているのか? てか名前呼びづらい。副でいいか?」
副隊長はすぐに見つけることができた。
その辺でブラブラしていたらしい。
辺りが真っ暗なせいか、副隊長の顔がいつもより怖く見える。
「はい、野宿です。ご飯はいつもカナン様からカップラーメンを頂いてます。私の呼び方は何でもOKです」
俺がいない間になに食ってんだよ。
「副たいちょー! 今から火星に帰りましょう!!」
「今からですか? 分かりました」
マジかよ。
学校は病欠ってことにしておくか。
俺は担任の携帯に電話をかけた。
しばらくすると、電話越しにいつものだるそうな声が聞こえてきた。
俺は、しばらく病欠します。と適当に嘘を吐いて電話を切った。
「よーし、みんな準備オーケーだねー? じゃあ行くよー」
そこで俺はあることに気がついた。
「おい唯果、ネックレスどうした?」
「カナン様はどんな時でも必ず目の届くところにあるはずです」
副も気づいていたようだ。
唯果は俯き、何も言わない。
俯いているせいで唯果の表情が全く分からない。
「お前は何者だ?」
「……く、くくくっ……あは、あははは!!」
物音一つしないこの場で、そいつの笑い声だけが聞こえる。
アニメでありがちな笑い方が気持ち悪かった。
「いや~、気づかれちまったか~。作戦失敗失敗」
「唯果をどこに監禁している!?」
「監禁している前提で話を進めようとするな」
こんな笑い方のキモい奴が監禁していないわけがない。
「俺を降参させられたら教えてやらんでもない」
なんだこいつ。
「副、やるぞ」
「はい」
相手は3秒で降参した。
「いや~、想像以上に強すぎた。わかったわかった、教えるよ」
弱いくせによく調子に乗れたなこいつ。
俺はため息まじりに言った。
「どこに監禁してる?」
「監禁してねぇっつったろ。お前らの通ってる学校だよ。あそこには今lockerが張ってある。……そう考えたら監禁になるかもな、すまん」
こいつどうしよう、殺していいのか?
「隊長、こいつは雑魚です。放っておきましょう」
そうだな、そんなことより唯果を探しに行かないと。
俺と副は学校に向かって走り出した。
今日の夜は長くなりそうだった。




