第十一話 決まり
ホンットすみません!
遅れました。
反省しますはい。
私とたいちょーが住んでた星……火星では、王子と王女で結婚する決まりなの。
でも、私と結婚する予定の王子は太ってて性格が悪い。
どうしても嫌だった……。
だから私は小さい頃から王子とは一度も遊ばず、いつも世話をしてくれるたいちょーにくっついてた。
そしていつの間にか私は……。
――――たいちょーのことが好きになっていた。
いつか結婚するなら、たいちょーがいいって思ってた。
たいちょーは私より一つ上で、王子よりカッコよかった。
そしてある日、たいちょーは地球へ行ってしまった。
だから私はおいかけたの。
お母さん……、女王の仕業だとわかっていたから。
女王は、私と王子が仲良くならないのはたいちょーのせいだと考えたのかも。
だからたいちょーを殺すために嘘を吐いて地球へ行かせてlockerを出現させたんだと思う。
あと、女王は私を殺そうとは思ってないよ。
火星人はね、自分の子供を嫌わないの。
絶対に。
だから、捨てたり殺したりするのはまずありえない。
――――なのにあの王国のやつらは…………。
ううん、これは今関係ないね。
とりあえずはそんなとこかな。
lockerを出現させないためには、火星へ帰って女王を止めなければならない。
副たいちょーはそのことを言ってたの。
俺は唯果の話を全部聞いたあと、一番気になることを聞いた。
「どうやって火星を行ったりきたりするんだ?」
俺はお茶を飲む。
よく分からんがとりあえず、このままだと俺は殺されるということだな。
唯果は真剣な顔をしている。
とても嘘を言っているようにはみえない。
「行くときはねー、使い捨ての乗り物で行くんだよ―。火星は地球より便利なものがたくさんあるの」
ビュンビューン、と唯果は両手を横に上げて走り回る。
ていうか分からないことだらけなんだけど。
「俺の本名を教えてくれ」
これも気になっていた。
「ヴォルグだよ―」
やっぱり変な名前だったか。
「俺が記憶を失ったのは本当に交通事故が原因だったのか?」
今なら多分教えてくれる……多分。
「もちろん嘘だよー。たいちょーが車に撥ねられたくらいで、記憶を失うほどの重傷を負うはずがないじゃん」
車に撥ねられたくらいで、だって。
タフだな俺。
「いつ帰ろう?」
「できるだけ早い方がいいだろ。てか使い捨てってことは帰りはどうするんだ?」
他に乗り物なんてあるのだろうか。
見慣れない乗り物なんて二年間で一度も見ていない。
……嫌な予感しかなかった。
「跳ぶんだよ」
…………は?
聞き間違いかもしれない。
俺はもう一度聞いてみる。
「なんて?」
「だーかーらー、たいちょーと副たいちょーは私に掴まってジャーンプ!」
なに言ってんのコイツ。
「いや、俺そんな高く跳べねぇし」
「違う、私が跳ぶの。面倒くさいから説明しないけど」
いやいや、説明しろよ意味不明なまま話終わるだろ。
「とりあえずお風呂入って寝よう?」
「うん、なんで自分の着替え持ちながら俺を風呂へ連れて行こうとするんだ? 一緒に入らないぞ?」
唯果は下着を振り回しながら、
「えー!? いいじゃーん! 減るもんじゃないしー!」
「俺の寿命が磨り減るわ!!」
これからどうしたらいいんだろうか。
まあ、すぐ行った方がいいだろうけど、光翼や梓になんて言おう。
火星人であることは伏せておいた方がいいな。
適当に、風邪って言って休むか。
「たいちょーさ……、今の日本の状況をどう思う?」
「最悪だな。今すぐにでもlockerの出現を止めたいと思う」
そう、早くしないと日本はどんどん悪くなる。
早くて明日、遅くても明後日には――
「そっか、じゃあ今から行こっか」
唯果は俺の腕を掴み家を出る。
「まだ風呂入ってないんですけどぉおおおおおおおおお!!!!」
俺の叫びながら唯果に引っ張られ、走る。
俺達……いや、唯果は副隊長を探しに暗闇を駆ける




