表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
locker  作者: いつわ
二章
10/77

第十話    名前

サブタイトルは適当です!

 テレビをつけると、昨日のlockerについて報道されていた。

 ……深刻な状況だった。

 死亡者100人以上で、負傷者が約10人。

 ほとんどの死体はグチャグチャになっていて、誰が誰だかわからないらしい。

 俺はテレビを消した。

 このままでは日本が終わってしまう。

「こんな状況なのになんで学校休みにならないんだろう」

 唯果は不思議そうな顔でカップラーメンを食べている。

 学校へ行く準備ができた俺は唯果を急かしながら、

「確かに変だな。頭がおかしくなってるのかもな」

 二年間もlockerが原因で死亡者数が増えているのだ。

 感覚が狂っていてもおかしくはない。

 

 lockerは全国で出現しているが、場所はほとんどこの辺りで、俺はよく囲まれる。

 女王様は俺と唯果を殺そうとしている。

 手遅れになる前になんとかしないと。






「この学校の先生や生徒で死亡者でなかったのは奇跡だよなぁ」

 そう言って光翼は俺のから揚げを食べる。

「ちょ、なにすんだよ」

「いいじゃんいいじゃん、減るもんじゃないし」

「減ってるじゃねーか!」

 昼休み、いつものように光翼と飯を食べていた。

「あ、あの……」

 今日も雨は降らないみたいだから気分はいい。

「光翼ー、今日寄り道しないか?」

「あの、すみませーん」

「おう! いいぞ。梓も誘うか?」

 そういえばこいつ寄り道するとき必ず梓誘ってるよな。

 まあ、二人より三人の方が楽しいからいいけど。

 俺は光翼をからかってみることにした。

「お前梓のこと好きなのか?」

「な! なに言ってんだよ!?」

 声が裏返っていた。

「あの! 硬大くん!!」

「はい!」

 びっくりしたぁ~。

 誰だこの女の子は。

 髪は茶色のツインテールで、普通に可愛い。

 そんな子が俺に何のようだ?


「ねぇ、さっきそっちから気持ち悪い会話が聞こえたんだけど……」

 光翼との会話が梓に聞こえていたらしく、こっちへ歩いてくる。

「それより硬大くん、異性の知り合いいたんだ」

「いや、初めて見た」

「あ、あの、私は隣のクラスの針川 叶未(はりかわ かなみ)です」

 おとなしそうな子だ。

 ギャーギャー騒いでいる女子とは大違いだ。

 しかし、梓は針川の顔を見た瞬間、睨んだ。

 ああいう性格は嫌いなのか?

 でも睨んだらダメだろ。

「私見てました。硬大くんが公園で戦っていたところを」

「なんで俺の名前知ってるんだ? しかも何の用――」

「強い人とお話ししてみたかったんです。名前はたまたま聞こえたので」

 変わった子だな。

 そのとき、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。

 それと同時に針川は自分の教室へ帰っていった。







「ただいま」

「おかえりー!」

「お疲れ様です」

 家に入ると唯果と副隊長がいた。

「なんで副隊長いるんだよ。てかそろそろ名前教えてくれ」

「ダドゥルです」

 変な名前だな。

 火星では変な名前の人が多いのか?

 俺はそのことについては言わないでおくことにした。


「隊長、カナン様はまだ見つかりませんか?」

 唯果から聞いてなかったのかよ!

 なんであいつは言わないんだ。

「そこにいるのがカナン様だ」

 ダドゥルはなぜか驚かず、唯果に近づく。

「カナン様、早く帰りましょう。ここは危険です」

 急だなおい。

「やだー。今の生活楽しいもん!」

 唯果はダドゥルに、ベぇーだ、と舌を出してリビングへ走って行った。

 ……ん? そういえば……。

「唯果、お前、本名が違うなら俺の本名も違うのか?」

「うん、違うよー」

 あたりまえのような顔で言われた。

「私がつけたんだよー。硬大ってカッコイイでしょ? 唯果って可愛いでしょ?」

 ……一応聞いてみるか。

「……由来は?」

「たいちょーは筋肉がすごくて硬いから、固井硬大。硬そうでしょ?」

 名字同じなんだからそれだとお前も固いってことになるぞ。

 さらに俺はダルそうに聞く。

「唯果の由来は?」

「たいちょー大好きカナン! 略してただか!!」

 もうどうでもよくなってきた。

 俺はコップにお茶を注ぎながら、抱きつこうとしてくる唯果を足で押す。


 いつの間にかダドゥルは玄関で靴を履いていた。

「お邪魔しました。カナン様、次に会ったときにもう一度同じことを聞きますので。あと隊長も考えておいてください」

「何をだ?」

 ダドゥルは真剣な顔で言った。


「火星に帰るかどうかですよ」

 ダドゥルは出ていき、しばらく沈黙が続いた。

 唯果を見ると目が合った。

 めずらしくとても真剣な顔をしていた。

「お兄ちゃんは帰りたい?」

 俺はどうしたいのかわからない。

 確かに、火星に帰ってlocker出現を女王様にやめさせなければならないけど、帰ってこれるかどうかはわからない。

 俺は壁にもたれかかり、ため息を吐く。

「お前は帰りたくないのか?」

 唯果は俯く。

 火星で何かあったのだろうか。

「何かあったのか? なんでもいいから話してみろ」

「うん」


 唯果の話を聞いた俺は、面倒くさいことになってきたなと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ