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locker  作者: いつわ
一章
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第一話    いろんなlocker

 locker(ロッカー)。この言葉は最近よく耳に入る。

 『鍵付きの箱』という意味だ。そのlockerのせいでここ二年、日本が最悪な状況に陥っていた――――


 とある屋外プール。50Mくらいの長さで、幅は20Mほど。

 そこに一人の少年が入った――――それも夜中の2時に。

 ……もちろん警報が鳴り響いた。

 少年はパニックになりその場から逃げようとした……が、できなかった。なにもないはずなのに壁があるかのように少年は足を止め、宙を叩く。

 locker――鍵付きの箱。それはプール全体を透明な壁で囲み、ある条件をクリアしない限り出ることはできない。

 少年はしばらくしてから慌ててプールに潜り込んだあと、すぐに警備員が様子を見に走ってきた。


 このlockerから出る条件は、自傷行為で出血させるか、locker内で朝6時まで過ごすことだ。


 警備員は辺りを見渡して誰もいないことを確認し、自分の手を噛み千切った。警備員の手からは少し血が出ている。そしてそのまま屋外プールから出て行った。

 少年は警備員が出て行くのを確認してプールサイドへ出た。そしてそのまま膝を抱えて動かなくなった。

 自傷行為をするのが嫌なのか、このまま朝まで過ごすようだ。

 辺りは暗く、少しでも風が吹いて草がカサカサと揺れただけで少年はキョロキョロと周りを見て体をさする。夜の風は冷たいらしい。

 そして少年は――――ただじっと待っていた。


2


ここは豪邸なのか中がかなり広い。

 そこに14歳くらいの男の子と、スーツを着た20代くらいの男性、30代くらいの男女がいた。

 なぜかそこには不穏な空気が漂っていた。

「どういうことなの!? 意味が分からないわ!」

「俺に聞かれてもわかるか!」

「みなさん落ち着いてください」

「この状況で落ち着くなんて無理だよ!」

 どうやらlockerが豪邸を囲んでいるみたいだ。

「ここから出たけりゃ3人死ねだって? ふざけるな!! 4人の内1人しか出られないっていうのか!?」

 突如、ゴッッ!!!という鈍い音がした。

 ――スーツの男が女性を椅子で思いきり殴っていたのだ。

「わ、私はまだ死にたくありません…。あなた方のことは大切ですが、自分より大切な存在なんてありません!」

 グシャッ!グシャッ!とスーツの男が女性を殴り続ける。

 すると30代男性が叫んだ。

「この裏切り者がぁあああああああああああ!!!」

 30代男性がスーツの男に飛びかかった。

 しかしスーツの男はそれをかわし、遠心力を使って椅子で頭を殴りつけた。

「私はまだやりたいことがたくさんあります。……申し訳ございません。」

 スーツの男が、倒れた男性に何度も椅子を振り下ろした。しかし、3,4回振り下ろしたところで急に動きを止めた。

「がぁあ!?き……さま…………こ……れ…………?」

 男の子がスーツの男をナイフで突き刺していた。

 スーツの男に構わず男の子は何度も何度もナイフで胸の辺りを刺す。

「父さんと母さんを傷つけた罰だ!!」

 気づいたときにはスーツの男は動かなくなっていた。

 男の子は30代男性に喋りかける。

「父さん!大丈夫!?」

 返事はない。遅かったようだ。

「……っ……!」

 男の子は親が死んでしまった悲しみで、独り――静かに泣いていた。



 ここは学校か…。小さい子供が多いからきっと小学校だろう。

 児童が走っているところをみて、ここは何もなく平和に鬼ごっこかと思ったのだが、違った。

 児童を追っかけているのは包丁を持っている――――先生だ。

「だれかたすけてぇえ!!」

 走りながら女の子は叫んだ。

 ここのlockerは、教師が児童を10人殺すというのが条件。

 他の場所では、

「誠くんは友達いなくていつも独りぼっちだったでしょう? とても辛そうだから先生が楽にしてあげるね?」

「いやだ。しにたくない!」

「皆のためにもなるし、一石二鳥よ。って言っても分からないか……。」

「いやだよぉお」


ドスッ


「こ、これで3人目……。他の先生方も頑張ってるからあと少し…………ははは、ははははは。……ぁあああああああああああああああああああ!!」

 女性教師はその場に崩れ落ち、狂いながら号泣していた。


 なぜこんなものをいくつも見なければならないのか分からない。


 俺は固井 硬大(かたい こうた)。

 lockerに囲まれた自宅から出る条件が――各地で出現しているlocker内の出来事を5つ見ることだった…。

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