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第二話 捨てられる
三日後。
朝から城の空気が違った。
久瀬は廊下を歩きながら、すれ違う兵士たちの視線を拾っていた。昨日まで「勇者様」だった視線が、今日は違う。
何かが、決まった。
「顔に出てる、みんな」
「うん」
「俺の愚者、やっぱり邪魔らしい」
昨日、騎士団長が魔法使いと話してるの聞こえた。『詳細不明のスキルは制御できない。リスクが高い』って。
久瀬は少し考えた。
「じゃあ俺は?」
「疑心は使いようによっては便利だから残したいんじゃない。久瀬は魔法も使えるし。ただ俺が邪魔だから、俺だけ切る理由を探してる」
淡々と言った。
「……腹立たないの」
「別に」
本当に、そう思っているようだった。
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謁見の間に呼ばれたのは昼前だった。
王と、騎士団長と、ローブの老人が並んでいた。
「勇者よ。昨日の鑑定の結果を精査した結果——」
騎士団長が一歩前に出た。
「双葉葛。汝のスキル『愚者』は詳細不明であり、我が国の戦力として運用するには不確定要素が大きい。よって——」
久瀬の疑心スキルが、強く反応した。
騎士団長の目が、双葉を見ていなかった。
書類を読んでいた。台詞を読んでいた。この男は、今この場で何かを隠している。
「——本召喚からの除籍とする。国外への退去を命じる」
部屋が静かだった。
双葉は何も言わなかった。




