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指輪が重くて  作者: もも


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8/9

番外編 サミュエル

よろしくお願いします!

 カフェに行くという目的でオリビアを誘い出したサミュエルは街歩きもするつもりだった。

街歩きということでサラに頼んで平民用の服を用意して貰った。自分も白いシャツと黒いパンツの普段用の服だ。オリビアは水色のワンピースに鍔広の白い帽子を被っていた。なんて可愛らしいのだろう。平民用でも気品が溢れていた。


「とても良くお似合いです。オリビア様が着ると水の精のようですね。平民には見えません」


「サミュエルも貴族らしさが漏れているわ。シンプルなのによく似合っているわ」


「今日の午後は私の為に使っていただけると楽しみにしていました。お手をどうぞお嬢様」


「ありがとう、私も楽しみだったわ。よろしくね」


はっとなったサミュエルは赤くなった顔を片手で押さえた。


「サミュエル?さあ馬車に乗りましょう」


馬車の中にはサラがいたので慌てて自分を取り戻したサミュエルだった。


「せっかくだからお嬢様呼びは止めてビアでいいわ。サミュエルはサムにする?」


「いえ、私はサミュエルのままでお願いします。ビア様。金持ちのお嬢様と護衛でいかがでしょうか」


「サミュエルがそれでいいのなら良いけど、恋人設定でもいいのよ」


「こ 恋人!……まだ私にはハードルが高いようです。この次でお願いします」


サミュエルの胸の鼓動が激しくなった。


「そう、じゃあこの次にとっておこうかしら」


 天然の小悪魔の様な発言にこれから振り回されるのだろうなとサミュエルは覚悟を決めた。サミュエルはモテていたし女性と付き合った事もあったが、オリビアの天然ぶりには敵わないと思った。この美しい人を振ったリアムの馬鹿さ加減が改めて思い出された。


婚約者時代の二人は可愛らしかった。ほのぼのとしていて見守るのが楽しかった。でもあんなに安い女に引っかかって、簡単にこの天使を捨てた。

それが許せなくて護衛を辞めてオリビアの護衛になった。

それが今婚約者候補になっている。夢のようだった。

こうなれば全力で口説くつもりだったのに振り回されてばかりだ。


カフェからのコースは頭に入っている。高い宝飾品は早いので茶葉あたりから贈ろうかと思っている。


煉瓦造りの重厚でどっしりとした外壁のカフェは一階が店舗で二階は個室になっていた。予約は入れた。個室に案内されるとオリビアがほっとしたのが分かった。


「ここはパンケーキとパフェが美味しいそうです」


「じゃあこの苺尽くしのパフェが食べたいわ。それと紅茶で」


「ビア様は苺が大好きでいらっしゃいますね。サラはどれが良い?」


「気配を消すから気にしないで」


「まあそう言わないで、何でも食べてくれていいよ」


「うん、一緒に食べた方が美味しいもの。食べてね」


「じゃあチョコレートのパンケーキと紅茶をお願いします。デートの邪魔にならないようにするから」


「何度も言わなくても侍女がいるのは普通だから気にしてない。俺はプレーンなパンケーキと珈琲にするかな」


こうして運ばれてきたのは苺が何段にもの花のように切られた美しい飾り切りの様なパフェだった。紅茶も最高級のダージリンだった。


「盛り付けでこんなに豪華な花に見せるなんて素晴らしいわね。苺も甘くてクリームと合ってる。素敵な所に連れてきてくれてありがとう」


「気に入って貰えたなら良かったです。ビア様の笑顔は最高のご褒美ですね」


「まあ、褒め上手ね」


「食べたら街をぶらぶらしましょう。今日は市場が賑やかだそうです」


「楽しみだわ!市場って初めてよ」





 市場に近づくと屋台の声が重なり賑やかになった。通りの熱気が纏わりつくようだった。焼き菓子や串焼きの匂いが歩く度に流れてくる。玩具やガラスのアクセサリーがキラキラと存在を誇っていた。絨毯まで売っていてオリビアは驚いてしまった。部屋の壁飾りにするのだそうだ。勉強になった。


「危ないですから手を繋ぎましょう」

きょろきょろしていたらサミュエルが手を繋いでくれたので安心して歩けた。リアムとも手を繋いだっけ。あれはまだ幼い頃だった。忘れたはずの思い出がふっと蘇ってきた。

暗くなった顔に気づいたのだろうか、サミュエルが

「疲れましたか?」と気づかってくれた。


「ううん、楽しいわ。初めてだから興奮してるの」


「その先に硝子のアクセサリーを売っている店があるのでそこまで行きましょうか。宝石とは比べられませんが綺麗ですよ」


「楽しそうだわ」


硝子のアクセサリーはキラキラとその存在を主張していた。花の形や蝶々の形などがあり見ているだけでも楽しい。


「これなんかどうですか?」

サミュエルが勧めてくれたのは白いカメリアの花のブローチだった。

「綺麗!可愛いわね」


「今日の記念にプレゼントさせてください」


「ありがとう、嬉しいわ。サラも見て、色違いがあるわよ」


「私はこっちの百合のブローチにします」


「サミュエルとサラには買ってあげる。サミュエルは剣のブローチが似合うわ。おじさんこっちも頂戴な。それとそこのうさぎの置き物も可愛いわね」


「おやじ纏めて払うよ」


「ありがとうございます!硝子だから落とすと割れるからね、気をつけて扱ってやってくださいよ」


「大事にするよおやじ」「大切にするわサミュエル」「ありがとうございます、サミュエルさん」


それぞれが満足して店を離れた。楽しい時はあっという間に過ぎ夕陽が差す時間になっていた。


屋敷の皆へのお土産は屋台の焼き菓子を沢山買った。これはオリビアが財布を出した。めったにお金を払うことのないオリビアはとても嬉しそうだった。


「楽しかった!今日はありがとう、サミュエル」


「それは良かったです。また来ましょう」

そう言って手渡されたのはカフェで飲んだダージリンの茶葉のプレゼントだった。



あ~これでどうやってノアを選ぶところにいけるのか不安ですが頑張ります。サミュエル良い漢です。 

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