一日の呼吸
大学を出て帰郷した諦三は、家業のレストランの仕事をしながら、大学に聴講生として通い、教員免許状を取得した。公立学校の教員採用試験を二回受けたが合格しなかった。レストランの仕事は自立するまでの腰掛けのつもりだったが、本業として嵌りこんでしまった。店の経営は引退した親に代わって姉夫婦が担うようになっており、諦三はその補佐の役割を果たすようになった。そんな状態で諦三は理加子と結婚した。それを機に諦三は店の仕事に本腰を入れようとした。すると姉夫婦と店の経営の主導権を巡って対立することになった。その状況が続く中、声をかけてくる人があり、諦三はある私立高校の非常勤講師となった。やがて諦三はその学校の専任教師を志望することになり、学校に対してその働きかけを行った。
その日は学校の卒業式の日であり、卒業式の後は謝恩会、その後には教員同士の飲み会というスケジュールが続く日だった。一日店に出ないことになる諦三には妻理加子に関して大きな気がかりがあった。
1984年 執筆
その日は学校の卒業式の日であり、卒業式の後は謝恩会、その後には教員同士の飲み会というスケジュールが続く日だった。一日店に出ないことになる諦三には妻理加子に関して大きな気がかりがあった。
1984年 執筆