表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元英雄 これからは命大事にでいきます  作者: 鉄馬 メウ
第一章 異世界帰還編
6/226

凛 絶体絶命、八雲 英雄となれ


凛は学校の廊下を逃げていた。後ろから、

「カシャン、カシャン」と追ってくる足音がする。


何とか剣をかわすことはできたが、階段を

転げ落ち全身が痛く足を完全に挫いてしまった。

あれは一体なんなんだろう常軌を逸している。

目も全く定まっておらず、何を考えているか

わからない。「怖い」一言凛は呟いた。


「なんでいないの」廊下では誰ともすれ違いにならず

教室にも誰もいない。助けを呼んでも

まるで反応がない。凛はどうして良いか

わからなくなっていた。


「足が」痛みが限界にきており、仕方なく

近くの教室に逃げ込んだ。しかしそこには、

2人の影がいた。


「バリ、バリ」と音を出し、鎧騎士が

もうひとりの鎧騎士をバリバリと食べていた。

さっきと違って顔のほとんどに黒いもやが

かかっており、口だけがパクパクと動いていた。

鎧騎士は凛を見て「ニヤ」と口を動かした。


「くっ、」もう動くのは無理、なんとか

して向かい打つしかない。鎧騎士はゆっくりと

立ち上がり、凛に襲いかかる。相手の腕を

取りひねりながら受け流し、地面に倒す。


「痛っ」凛は足の痛みに耐え相手を倒したが、

痛みで転倒した。そこに先ほどの鎧騎士まで

現れ絶体絶命の状態に、鎧騎士は「勝負だ~」と

叫びながら剣を振り上げた。凛は八雲助けてーと

心の中で叫んだ。その時、鎧騎士の隣に人が

立っていることに気づく。


「凛に何してくれてるんだ‼️」


八雲は鎧騎士に蹴りを入れる。鎧騎士は

大きくはね飛ばされ、壁に激突する。


「大丈夫か 凛」

「八雲?」

「八雲ですけど‼️」

「八雲~怖かったよ~」

「良くがんばったな~よしよし」


凛は放心状態でうまく現状が理解できず

八雲見つめ、泣きながら抱きつく、

八雲は優しく凛の頭を撫でる。



凛が落ち着くのを待ち


「八雲、もう大丈夫」

「そっか、良かった。」


凛は照れながら八雲から離れる。


「八雲、ここ変なの人が誰もいなくって」


「あーここはいつもの学校じゃない

俺たちは今、学校に似た異空間の中にいるから、

元の場所とは違うんだ。だからここには人は

いないよ」


「えーどう言うこと?」


「どうしてかは、わからないけど

凛は異空間に迷い込んだみたいだね。」


「どうするの出口はわからないの」


「わからないけど、何とかなるよ」


凛と八雲が喋っていると、大男の鎧騎士と

空の鎧騎士がこちらに歩いてきた。


「八雲逃げないと!!」

「大丈夫」


八雲は片手を上げ、鎧騎士達に向かって、

指を弾く。指先から小さな光の玉が飛び

鎧騎士の胸にある核に命中、鎧が砕け散った。


「良かったなこいつ」


「取り付くタイプの妖魔だったようじゃな

心が食われかかっておったのじゃ」


「先生のお陰ですね。先生のギフト

『アナライズ』がなければ、助けることは

できなかったですよ。」


『ふ、ふ~ん、我のアナライズにかかれば、

こやつの弱点など簡単に見抜けるのじゃ」


「さすが先生」


「あの~八雲、そちらの妖精さんは

なんなのかな~」


「あ、ゴホンとにかく今は脱出することが

優先じゃない」


「う~ん、絶対に後で教えてよ」


凛は気になって仕方がなかったが、

この常軌を逸した状態を回避する方が重要と

思い今は聞くのを諦めた。


「無理やり脱出はできるけど、リスクが

高いから、できればこの空間を維持している

核を探して破壊したいな」


異空間を力業で破壊すると、元の世界の

どこに飛ばされるかわからないから

後々面倒だし場合によっては、空や海に

飛ばされ危険である。


「痛っ」凛は立ち上がろうとして、

痛みでうまく立ち上がれないでいた。


「大丈夫か凛」と声をかけ、八雲は凛の

足首に手を当てギフトの第2の能力

『ライフキュア』を唱える。足首に魔方陣が

発生しケガを治した。


「えっ、痛みがなくなった」


凛は立ち上がり、足の確認をした。


「ん、良く見るとケガだらけじゃないか

仕方無いか」


「きゃ」


八雲は優しく凛を抱きしめ、『ライフキュア』を

唱え、凛の全身のケガを治した。


「良し治ったな!」


「……………………………」


凛は真っ赤な顔で、緊張してしゃべることすら

できなくなっていた。


「ばかもん、また無駄使いしおってからに~」


「先生そんなに怒らないで下さいよ‼️」


「足だけ治せば十分じゃ、他の傷は自然治癒で

良いのじゃ‼️」


「ま、良いじゃない。数分くらいしか減って

ないんだから」


「ばかもん」先生からの飛び蹴りを食らった。


「さて核を探すか、学校にあんな感じの鎧が

あったかな~」


あの妖魔の姿から発生原因が同じ形をしていると

八雲は予想していた。


「そんなの我のアナラ…………

「そういえば校長室に騎士の鎧があったわ」


先生より早く凛が答え、先生がぷるぷる

しながら睨んできた。 こわー


「あ~あったあった全然知らなかった」


「ちょっと前校長先生と話す機会があって」


校長室に入り、鎧に近づくと鎧から

鎧騎士が分裂し増えていた。


「間違いなくこいつが本体だ」

「どうするの」

「殴って終わりだ‼️」


八雲は大きく振りかぶって鎧を殴ぐり

消滅させた。その瞬間空間も瞬間し

元の世界の校長室に戻った。


「君たちいつここに入ったのかね」


俺たちは校長から事情聴取を受けていた。

知らない内に校長室に入ったうえに、

騎士の鎧が壊れていれば、簡単には

帰してくれない。


「八雲、どうしよう、言い訳のしようがないよ。」


「仕方無いな、先生」


「わかった」リーム先生はアナライズを唱え

校長の頭にある急所を発見し、ふわふわと

校長の頭に近づき「アチャー」といって

チョップを頭に一撃入れた。


「な、な、な、なにしてるの~」


凛は驚きの声を上げた。


「君たちなにか用かい」


校長は今あったばかりの反応で声をかけてきた。


「いえ、大丈夫です。ありがとうございました。

失礼しました。」


八雲達は校長室をあとにした。


「八雲くんさっき妖精さんは何をしたの」


「先生は相手の記憶を飛ばす技を持っていて

大体1時間くらい前ならごまかしが聞くんだよ」


「そうなんだね すごい………」


凛はやや引きつった顔をしている。

多分怖いのだろう。


「八雲、その小娘はどうする。」


先生はチョップの素振りをしながら聞いてきた。

凛はさらに顔引きつらせて八雲を見る。


「先生いいよ」

「凛、話しは明日にしよう。今日は疲れたろ」



「……………うん」


凛は八雲の穏やかな顔見て何も聞けない

気持ちになった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ