元英雄 聖女問題に巻き込まれる。
『聖女』
神に選ばれし10人の女性
『聖女』のギフトを授かり
神の声を聞き世界を導く存在
それゆえにどの国も躍起になって
確保に力をいれる。
「聖女が来てるんですか?
それはすごいですね」
「そうなんだよ。もうすぐ来る予定だから
俺は戻らないといけないけど、
暫く大人しくしてろよな」
「なるほど、僕に構っている暇はないと………」
ジィと目でバッカスを見る。
「ま、そう言うなよ。飯はちゃんと持ってくるよう
言っておくからさ………じゃな~」
バッカスはそそくさと帰っていった。
「くっそ~早く帰らないといけないのに~」
八雲は暇なので寝ることにした。
…
……
「おい、起きろ!」
「うん……?」
「何ですか、ご飯?」
監視人が声をかけてきた。
「違う、立て、ヤーガイ司祭様がお呼びだ」
「う~ん出れるのか?」
八雲は牢屋から出され教会に連れていかれた。
「お~きれいな教会だな」
八雲は手錠を付けられ、ホーリー騎士団に
囲まれて移動している。
「昨日ぶりですか」
「こんにちはバッカス司祭、
なにか私に用ですか?」
「君には我々に協力をして貰いたい」
ヤーガイ司祭のニヤリとした顔が見えた。
「協力とは何をすれば良いのですか?」
恐らくろくなことじゃないな
「な~に簡単なことさ、ドラゴンになり
町でひと暴れしてくれれば良い」
「……………あんたなに言ってるんだ」
八雲は明確に敵意をヤーガイ司祭に向けた。
「何だ怖い顔をして、人殺しなど朝飯前だろ」
ヤーガイ司祭は悪ぶれもせず淡々と答える。
想像よりくそ野郎じゃないか、
一応聖職者だろ、もっとまともなこと言えよ。
「町で暴れてどうするんですか?
そろそろ聖女様が来るらしいし
お忙しいのでは?」
「お、よく知っているではないか。
そうなのだ、聖女が来るのだ、
聖女には長く滞在して頂きたいのだ
その為には、怪我をした人間が多くいると良い
そこでドラゴンによる大規模災害が起きれば
聖女は暫くここに止まらざるえない。
その間に聖女にはじっくりと私の素晴らしさを
知って頂き神聖教会の神殿へと導いて頂くのだ!」
なるほど、そんな上手くはいかないだろうけど、
神殿に行きたいのか、神殿には様々な恩恵が
あると言われている。代表的なのは永遠の寿命とか、
神殿に行けるのは一部の選ばれた人達だけだからね。聖女に取り入りたいんだな。
「ヤーガイ司祭で具体的に
僕はどうすれば良いのですか?」
「お~やる気になってくれたか、
何難しいことはない、聖女が来る少し前に
私の部下に案内させる。中央区でドラゴンになり
暴れて重傷者を多く出してくれ!
死人を出しても構わんよ」
ヤーガイは悪い顔でニヤリとした。
「わかったよ、時間になったら呼んでくれ」
「良い返事だ。それまで待っていてくれ」
…
……
「おい、また牢屋かよ」
八雲は再び牢屋に囚われていた。
てっきりおもてなしを受けれると
思っていたのだが?ガッカリである。
「しかしどこに行ってもいるよな
ヤーガイみたいな奴、異世界だからと
思っていたけど、元の世界でも
いるのかね~」
八雲はぼやきながら天井を見ていた。
…
……
………
その頃聖女一行は
約一時間ほどで付く位置にいた。
「聖女様、町まであと少しです。
ご準備をお願いします。」※護衛1
「事前に調査をさせていた件で、
ドラゴンが現れたらしいのですが、
どうやら上手く撃退したようです。
怪我人はいないようです」※護衛2
「そうなの?良かったわ。フ~……
まったくいつまで経っても
楽させてくれないはね!」
苦笑いする護衛の2人
「そんなこと言って真っ先に助けに行くのが、
コロン様じゃないですか?
天の邪鬼ですね。くふふふ」
「ユ・リ・メ・リ・ア、
年上をからかうとはなに事か~」
「あいたたたた~」
コロンはユリメリアの頭をグリグリする。
護衛の二人は大笑い、和やかに時は過ぎる。
…
……
………
今僕は監視人に連れられて中央区の
高い建物の中にいる。ここからドラゴンに
なって大暴れしろと言うことか
長い通路を歩いていると前から男が歩いてきた。
「よ~、奇遇じゃん」
前から現れたのはバッカスさんだった。
「どこ行くだい!」
「…………………………」監視人達
「バッカスさんもこんなところで
どうしたんですか?
聖女様の件でお忙しいのでは?」
「そうなんだよ、これ以上余計な仕事を
増やさないで欲しいんだけどな~
俺はの~びり酒でも飲んでぐ~たらしたいんだよ」
「あ、僕もその方が良いんですけど」
「じゃ、大人しく捕縛されてくれるか?」
「あ、え~とそれは勘弁です。
これ以上ここで長居したくないんで」
「そうか、残念だよ。じゃ行くか!」
バッカスは抜刀し剣をこちらに向ける。
「結界魔法 『ブロック結界』」
剣先から四角いオーラで形成した物体が
飛んできた。
取り敢えず躱す。
後ろにいる監視人に当たり
監視人は結界に囚われ大慌てしている。
「なるほど、あれに当たると
捕まるのか~怖や怖や」
八雲はおどけるように言う………がそれ程余裕はない。
何故なら現在も手錠付きである。
取ってからにしてほしかった。
「どうする!今度は本気で当てるぜ!」
「了解来やがれバカ野郎~」
「結界はすでに設置済みだ!」
「えっ!?」通路か結界に囲まれた。
「バッカスさん卑怯ですよ。こんなのありですか!」
「フッ引っ掛かる奴がバカなのさ!」
「くっそバカ野郎返しか~」
「……………フッなんちゃって『シルフ』」
通路を囲っている結界の起点を
外から破壊するシルフ
「フフフ、事前にシルフを召喚しておいたのだ!」
「おいおい、精霊だと!!」
「第2ラウンドと行きますか」




