はじまりは突然に、英雄も突然に
僕は今日も代わり映えのない生活を
送っていた。中学生になり約3ヶ月が
過ぎようとしていた。
親が朝早くから仕事だから
流れで僕も早く登校していた。
「おはよう、八雲くん」
急に後ろから背中を叩かれた。
でも僕は驚かない、だっていつものことだから、
校門近くに着くと、彼女が僕の背中を叩く
「まいどのことだけど、もう少し加減
してくれないかな。凛」
彼女は同級生で委員長の南条凛
黒髪でポニーテールにして見たからに
活発な美少女である。男勝りな性格で
何か武術を学んでいるらしく
女の子なのに、口だけではなく腕っぷしでも
喧嘩の仲裁をしている。
「う~ん ダメかな」
「なんで!?」
「元気が足りないの、だから気合いを
入れてあげてるの!」
「いや、朝からそんなにテンションあがる
ことなんてないでしょう。」
「そうかな~?………そんなことないけど」
彼女は笑い、少し照れているように見えた
………気がした。
終業の鐘がなり、帰ろうとした所、
外は大雨だった。
「雨強いな~濡れるじゃん」
一言文句を言いつつ傘をさし歩きだす、
途中少し大きめな川の橋に差し掛かった、
橋の中央辺りに小さな子供が立っていた。
その子をなんとなく見ていると、突然
車道に歩き出した。
危ないだろうと思い、急いで近づき
歩道に戻そうと思った。
あと残り3mくらいに近づいた時だった、
一言その子が言った。
「バイバイ……」
「……?」
「ドンッ!!!」
「ジャバン~」
何が起こったかわからない、強い衝撃のあと
空が見えて、次に冷たくなって苦しくなった。
「………………………?」
「あー これは異世界ものだな! うん!!」
僕は思う、だって目の前に王様ぽい人がいて、
周りに魔法使いぽい人がいたから、
これからどうなるか不安になったが、
小さな声で一言いった。
「生きてて良かった~‼️」
こうして八雲は異世界に飛ばされ、
魔物との戦争の中で様々な人と出会い
人の命の大切さを知る。
あれから約2年の時が過ぎ、俺は強くなった。
最後の戦い……王国の連合軍と共に、
魔王城を攻めた。多くの犠牲を払いながらも、
俺は魔王牛鬼と対峙した。
体格は5mを超え、筋肉が大きく隆起している。
武器は両手にバトルアックス
「はー はー くそがー 」
「足りねー 力が!!」
八雲は片膝を着き吠えた。自分の無力さに、
仲間は皆倒れ、力のほとんどを使っていた。
「ほら立つのじゃ‼️」 「まだ負けッんじゃないよ」
俺の肩口から活を入れてくる。
魔法の先生で妖精のリーム
(某ゲームのゼ○ダの伝説を思い出す。)
冷静さを取り戻し変なことを考えて
いると、リームが言う。
「仲間は倒れてるが、誰も死んでないのじゃ‼️」
八雲は言う
「もう誰も死なせない‼️」
「足りないなら………………俺は命を掛ける」
「おい! 八雲変なこと考えてないじゃろうな~?」
先生に言われドキッとする。
(ゼ○ダみたいと)
なんて考えてる余裕はないか、
「限界までライフを使う!!」
「!?…バカな死ぬ気か!!!」
先生が叱るように言う。
「お前はいつもいつも命は大切にするのじゃ‼️」
「しゃーないでしょ、このままじゃ勝てない」
八雲は片手を胸あて祈りを捧げる。
胸の辺りからいくつもの魔方陣があらわれ
八雲を包んだ。
「オーバーリミット ライフ発動」
八雲の全身から様々な色のオーラが発現
周囲に拡がった。
「人間は本当に邪魔だ、これ以上私を
わずらわすな。」
牛鬼は静かに語り、同じく全身から、
赤いオーラを発現した。
「これが最後だ、牛鬼付き合え」
八雲は剣を構え、剣にオーラを集約し
牛鬼に突撃し剣を振った。
お互いのオーラの衝撃が天へと昇り空を割った。
この戦いが、八雲を英雄として
言わしめる伝説となった。
…
……
………
…………
……………「あれ、ここどこだ?」
……………「あー スカイツリー???」
八雲は周りを見てゆっくりと
「オ~~戻ってる。」「やった~~~」
八雲は大声で叫んだ瞬間
「うっさいのじゃ~ボケ~~」
左の頬に衝撃が走る。
「なんで……先生がここに?…………………………」
八雲は幻だな~と思いつつ、疲労困憊からくる
眠気に負け救急車に運ばれるのだ。