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すれ違い実行委員会  作者: ステルススター
第一章-すれ違い-
5/29

-part4-佐藤先輩

 放課後。

 用事がある俺はすぐに教室を後にしようとしたが、奈菜に止められた。


 「今日は、一緒に帰らない?」

 

 「ごめん。用事があるんだ」


 奈菜には悪いが、一緒に帰る誘いを断った。すると、奈菜は不思議そうな顔をして、尋ねる。


 「用事って何?紘一って、部活や委員会には入ってないでしょ。もしかして、バイト始めたの?」


 「ま、まぁ。そんな感じみたいなものだよ」 

 

 「じゃあさ、紘一がやってるバイト。私に紹介してよ」

 

 「・・・それは・・・出来ない」


 「なんで?!もしかして、普通の人には言えない、やばいバイトなの?駄目だよ。そんなバイトしちゃ駄目だよ」

 

 困ったな。

 用事を正直に打ち上げる事は出来ないし。奈菜は簡単に逃がしてくれそうにもなかった。

 どう言い訳をしようか頭を悩ませていると、助っ人が来てくれた。


 「ごめん。奈菜ちゃん。紘一君は僕と用事があるんだ」


 「佐藤さとう先輩」

    *    *    *    *

 「佐藤先輩。さっきはありがとうございます」


 「いやいや。奈菜ちゃんには悪いことしちゃったね」

 

 佐藤先輩は、一つ上の先輩。昔から、面識があり、奈菜と俺はよくお世話になっていた。


 「悲しいな。二人とも僕の事を彰人あきひとお兄ちゃんって呼んでくれないだね」

 

 落ち込む佐藤先輩。

 確かに昔はそう呼んでいたが、流石にこの歳になってもお兄ちゃんと呼び続けるメンタルは持ち合わせていない。


 「それで、今日はどうしたんですか?」

 

 佐藤先輩は三年生で、学生で一番忙しい時期に差し掛かりつつある。


 「委員会のOBとして、可愛い後輩達を見に来ただけだよ」


 「佐藤先輩。暇なんですか?」


 「暇っていうか。自分自身はもう、進学先の推薦決まってるからね。今は、他のみんなのバックアップをするのに忙しくしてるよ」

 

 佐藤先輩は凄い人だ。

 頭はキレるし、人柄も最高に良い。


 「あ。僕の事、心の中で褒めた?」


 偶にうっとしい時もあるが、それでも俺が尊敬している人に違いはない。

 だから、委員会の会長になって欲しいと頼まれ、引き受けたのだ。

 学園非公認委員会。すれ違い実行委員会、会長になるのを。

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